


全農高知県本部の方から、まずは「米穀情勢について」「平成28年産早期米生育状況・作柄見通しについて」「平成28年県産酒米・加工用米の生産状況について」「平成28年産酒米販売価格(案)について」のお話があったがよ。
続いて、旭食品の主任研究員(農業経済)の窪添さんからちくとお話があり、さらに高知県農業推進部環境農業推進課の専門技術員の高田さんから、「高知県農畜林業の品評会等における知事賞交付要綱」についてのお話があったがやき。
さらに高田さんから、「高知県酒米品評会開催要領(案)」のお話があったがよ。
要するに、高知県の酒米の品質を評価し、高品質の酒米を生産する農家に賞を与え、モチベーションアップにつなげろうっちゅう作戦ながやき。
案通りの作戦で行こうとっちゅうことになり、酒米価格も案通りに決定し、13時過ぎにゃあこの議題は終了し、全農高知県本部の方々や高田さんや窪添さんらあは退席されたがよ。
その後は通常の理事会に戻り、まずは高知県酒造組合の「平成27年度収支決算について」と「平成28年度収支予算案並びに賦課金徴収方法について」で、ほぼ案通りで総会にかけることが承認されたがやき。
お次は、高知県酒造協同組合の「平成27年度収支決算について」と「平成28年度収支予算案並びに手数料徴収方法について」で、こちらもほぼ案通りで総会にかけることが承認されたがよ。
その他当面の諸問題らあについて話し合い、こうして15時ちょい前にゃあ理事会は終了し、15時からは他の参加者の方々らあも加わり20数名ばあにて、平成28年度連携組織活性化支援事業「土佐酒ブランド化セミナー」の第2回が開催されたがやき。
この事業は、「土佐酒」のブランド化に向け、地域の特徴と結びついた商品等のプロモーション戦略について理解を深めることを目的として、高知県中小企業団体中央会さんと「土佐酒振興プラットフォーム」と高知県酒造組合の主催により開催されるセミナーで、その第2回目の今回は自称「百姓デザイナー」の迫田司先生を講師にお招きし、演題は「地デザイン〜いなか流商品開発&プロモーション〜」ながよ。

ちなみに第1回の「土佐酒ブランド化セミナー」についちゃあ、「6月28日」のブログをご参照くださいや。
まずは迫田さんから自己紹介的なお話があり、ご自身が手掛けられて米袋では初となる「グッドデザイン賞」を受賞された「山間米」についてや、「山間米」を使うた日本酒についてや、さらに香り米「十和錦」についてや、「十和錦」を使うた日本酒についてのお話らあがあったがやき。


「十和錦」の生産者のおばちゃんに「十和錦」のお酒を持っていったら、「うれしいことよ」を連発されたき、それをそのまんまキャッチコピーにして、そのおばちゃんの写真をそのまんまポスターに使うたっちゅうがよ。


変に洗練されたもんよりか、こういう方が、その本来の意味がしっかり伝わるっちゅうがやき。
次に、「道の駅 四万十とおわ」(http://www.shimanto-towa.jp/)についてのお話があったがよ。
地域の様々な方々とワークショップを重ね、そこで出された意見や、「十和」の「十」と「和」の漢字の持つ意味や、その地域の持つ風土や歴史や伝統から、このロゴデザインが生まれたっちゅうがやき。
迫田さんいわく、「50年前からあったように見えて、50年後も使えるデザイン」は、こうして生まれるっちゅうがよ。
これは「デザインの堅牢性」やっちゅうがやき。
ちなみに「道の駅 四万十とおわ」は、全く期待されてなかったに、オープン時にゃあ、3000人の村に5000人が殺到し、今や大人気の「道の駅」となっちゅうがぜよ。
続いては、「無手無冠」さんの「四万十焼酎銀行」についてのお話ながよ。


元々高知銀行やった建物に、焼酎を預金(保管)してもうて、利子(コク)をつけろうっちゅう企画ながやき。
このロゴデザインにも、高知銀行と同じフォントを使うたり、地図記号の銀行のマークを使うたりすることによって、よりその意味が伝わりやすうなるっちゅうがよ。
お次は、今年4月10日にグランドオープンを果たした「道の駅よって西土佐」(http://www.yotte.jp/)も、コンセプトからトータルデザインを迫田さんが手掛けられたらしゅうて、そのお話があったがやき。


ちなみにこちらの「道の駅」も、オープンから47日後の5月27日にゃあ、累計利用者数が40010(しまんと)人を突破したっちゅうき、スゴイがよ。
こちらは、様々な分野の住民の方々に参加してもうて、10年前からワークショップを開催してきたっちゅうがやき。
ちなみにワークショップを上手に進める技術であるファシリテーションについちゃあ、高知県はこぢゃんと進んじゅう先進県やっちゅうがよ。
元々どういうところながか、どこに向かいたいがか、どうしていきたいがか等々を、様々な住民の方々に問いかけ続けて見えてきたがは、とにかく西土佐に寄ってもらいたいっちゅう声が、最も多かったっちゅうがやき。
そんなことらあから、「よって西土佐」っちゅうネーミングが生まれたっちゅうがよ。
こりゃあ、クローズアップされた(つまりグッと寄った)西土佐の「日常」の「ユタカサ」に、立ち寄ってみとうなる、周りを誘うてみとうなるネーミングやっちゅうがやき。
さらに、沈下橋と軽トラと四万十川とアユを使うた、このロゴマークが誕生したっちゅうがよ。
こりゃあ、西土佐の「日常の風景」が浮かぶ、慣れ親しんだマークであり、何とのうえい地域に見えるデザインやっちゅうがやき。
けんど、これだっけじゃあインパクトに欠けるっちゅうことで、西土佐の日常にグッと寄る、つまりクローズアップ写真を使うてインパクトを強めろうっちゅう作戦があみだされたっちゅうがよ。
西土佐のどこにじゃちあるような当たり前のもんやち、グッとクローズアップすりゃあ、こぢゃんとインパクトのある画像になるっちゅうがやき。
たとえば、日本中どこにやちある米やち、グッと寄ったら、籾殻にゃあ微妙にストライブの模様があることが分かるっちゅうがよ。

ツガニやヤマトテナガエビらあて、クローズアップすりゃあ、円谷プロの特撮怪獣映画みたいな迫力になるっちゅうがやき。


アユやち一匹一匹顔が違うっちゅうがよ。

獲れたての栗らあて、頭にアンテナが立っちゅうがやけんど、2時間もすりゃあないなるっちゅうがやき。

そんな「よって発見」をテーマに、クローズアップ写真を10種類ばあ撮影したっちゅうがよ。
迫田さんは、デザインはコトバが発見されんと進まんっちゅうがやき。
ほんで、それらあ10種類のそれぞれをパンフレットの裏表紙に使うた(中身はおんなじ)っちゅうがよ。


ほいたら何と、パンフレットがこぢゃんとないなるっちゅうがやき。
つまり、10種類全部集めたいっちゅう人が、こぢゃんと現れるっちゅうことながよ。
ちなみに各コーナーのロゴマークも、統一感のあるもんにして、イメージカラーも藍色に統一したっちゅうがやき。

何で藍色かっちゅうたら、この地域じゃあ昔っから鮎のことを「アイ」と発音するからやっちゅうがよ。
さらに、「生産者は花で、道の駅は花畑や!」っちゅうことで、様々な生産者の方々の顔写真をスウィングPOPにして、アチコチにくっつけたら、こぢゃんと話題になったっちゅうがやき。


また、店内に軽トラを突っ込み、その荷台は旬のもんをテンコ盛りにするっちゅうポリシーを徹底したら、こぢゃんと売れる人気のコーナーになったっちゅうがよ。

あるいは、西土佐じゃあやっぱし「鮎」がキングやき、鮎関連商品を買いとうなるように徹底的にブラッシュアップしたっちゅうがやき。
鮎の甘露煮、鮎の姿寿司、さらに鮎の形をしたコンニャクを作って水に浮かべ、鮎の踊り食いっちゅうネーミングにしたら、大人気商品になっちゅうっちゅうがよ。



また、半年だっけ西土佐に住んじょったシンガーソングライターの柴田聡子さんは最近人気になっちゅうらしいがやけんど、彼女に「よって西土佐」のテーマソングを作ってもうて歌うてもうたっちゅうがやき。

ホームページ(http://www.yotte.jp/)で聴けるらしいがやけんど、サブリミナル効果がハンパないき、こぢゃんと耳に残るっちゅうがよ。
さて、そんなことで、オープンして2ヶ月経たんうちに4万人を超えるご来場者が訪れる、人気のスポットになったっちゅうがやき。
ちなみにこの数字は、他の地域から来る人以上に地元の人が何回も立ち寄るきに上げられた数字やっちゅうがよ。
1日に4回ばあ寄ってくれる地元の方々が何人もおるき、客単価は低いけんどレジ通過客数はこぢゃんと多いっちゅうがやき。
また、元々西土佐にゃあ、日本一のもみの木があったっちゅうがよ。
推定樹齢300年以上っちゅうこのもみの木が、3年ばあ前に倒れてしもうたっちゅうがやき。

このもみの木で作った巨大なテーブルを置いて、このストーリーを貼り出したら、みんなあ座りたがる、人気のテーブルになっちゅうっちゅうがよ。

さて、ここで迫田さんは、ワシらあに葉っぱの絵を見せ、通常デザインっちゅうたら、この目に見える葉っぱの部分のことやと思うてしまいがちやけんど、それだけじゃあ結局好き嫌いの話になってしまうっちゅうがやき。
目に見える葉っぱの部分だけやのうて、目にゃあ見えんかもしれんけんど、その葉っぱを生み出しちゅう根っこの部分や土の部分らあが、実は一番大事やっちゅうがよ。

この部分がデザイナーに伝わってないと、これやっちゅうデザインはできんっちゅうがやき。
どっかの地方の団体らあが、東京から有名な先生を呼んできて大金を払うてデザインを依頼するパターンが多いがは、クライアント側がデザインをよう評価せんきやっちゅうがよ。
けんど本来は、クライアントである自分らあが、この根っこや土の部分をしっかり理解して、きちっとした考え方さえ持っちょりゃあ、評価はできるはずやっちゅうがやき。
迫田さんは、デザインはデザイナーだけのもんやないっちゅうがよ。
実はデザインの10のうち8ばあは、ストーリーやウンチクや歴史や考え方や・・・ちゅう根っこや土の部分やっちゅうがやき。
ほんで迫田さんは、「アートは問い」(世の中に問いかける)やけんど、「デザインは答え」やっちゅうがよ。
答えにゃあ式があり、つまり、根っこ+土×歴史・・・ちゅうような式が必要やっちゅうて、それを考えるががデザイナーの仕事やっちゅうがやき。
たとえば、「お土産」っちゅうたら、本来の意味は「その土地で産まれたもん」っちゅうんが本来の意味やき、「産地」→「現場」→「商品」→「情報」っちゅう流れを理解せにゃあイカンっちゅうがよ。

ほいたら「お土産」たぁ、実は「その土地の情報」やっちゅうことが理解できるっちゅうがやき。
同様に「ギフト」っちゅうたら、何かっちゅうたら、ホンマは「贈った人の価値を上げるもん」やっちゅうがよ。
けんど、「お土産」にしたち「ギフト」にしたち、作り手や売り手の側に、プライドがないと、お客様は反応してくれんっちゅうがやき。
それにふさわしいコトバとして見えるようになっちゅうデザインかっちゅうんが、ポイントやっちゅうがよ。
ここで迫田さんは、ワシらあに「お酒って何ですか?」「土佐酒って何ですか?」っちゅうて、問いかけるがやき。
「土佐酒」の品格とか、周辺におこる文化とか・・・そういったもんを全部ひっくるめて、ズバリ何ながかを真剣に考えにゃあイカンっちゅうがよ。
昔、サントリーの社長さんが、「ウィスキーとは?」と聞かれたとき、「時や!」と答えたらしいがやけんど、まさにそういうセンスが必要やっちゅうがやき。
ハードウェアだけやなく、ソフトウェアだけやなく、センスウェアが次の時代のキーになるっちゅうがよ。
続いて迫田さんは、デザインの値段についてお話されたがやき。
特に地方にゃあ、デザインらあに支払うお金らあないと考えてしまう人が多いけんど、たとえば「土佐男」っちゅうお酒を新発売するとして、中身の原価が500円、瓶代が100円、キャップ代が100円、ラベル代が100円・・・やとして、販売目標が1万本とすりゃあ、キャップ代に100万円も払うちゅうっちゅうことながよ。
ほいたらデザインにやち、少のうたちそれっぱあは支払うべきやないかっちゅうがやき。
自分に100万円払うてデザインを頼めっちゅう意味やのうて、「デザインは原価」やっちゅう考え方を持ってほしいっちゅうがよ。
そうやないと、フリーのデザイナーは育たんし、こういう扱いをすりゃあ、長う使えるデザインが誕生しやすいっちゅうがやき。
また迫田さんは、「デザインは約束」やっちゅうがよ。
買い手に対し、何かを固く約束するっちゅうことながやき。
また、「デザインはものさし」やっちゅうがよ。
ほんじゃき、やりたいことの7部ばあのデザイン、7合目までのデザインがえいっちゅうがやき。
ほんで、あらためて「土佐酒」ながよ。
土佐の酒から、何が起こるがか?地域性とか文化が見えるようにするにゃあどうしたらえいがか?
売りたいもの(土佐酒)そのものやのうて、その周囲にヒントがあるっちゅうがやき。
ここで迫田さんは、ワシが理事長を務めゆう「土佐学協会」の事業にて、2012年5月20日の「土佐学大会」(2012年5月23日のブログ参照)でテーマ化された「土佐なかま」を、ひとつの事例として、ワシらあに対する答えのヒントとして挙げられたがよ。
「高知県ではみんなで分け合ったり、シェアしたりすることを、『なかまにしよー!』といいます。こどもは遊び道具をなかまにします。おとなは酒の杯をなかまにします。皿鉢(さわち)料理もなかまにします。独り占めはつまらない。土佐人は相手が誰でもすぐ仲間。なかまあってのなかまにしよー。さあさあ、あんたもこっちきて、いっしょに『なかま』せんかね?」


ここに本格的な高知の凄さがあるっちゅうがやき。
この「土佐なかま」の例の通り、「みんなが集まってどんな発信をするか?」がブランドやっちゅうがよ。
「リョーマの休日」らあよりか、よっぽどこのポスターの方が、県外客にアピールするっちゅうがやき。
高知へ行きゃあ、こんな宴会が楽しめる・・・なかまになれる・・・そんな情報がシッカリ詰まっちゅうもん、元々あるシーンづくり、共感を呼ぶシーンづくりが大切やっちゅうがよ。
シーン提案をせにゃあ、モノは売れんっちゅうがやき。
共感はシーンにある、周辺にある・・・ほいたら高知県酒造組合は、どういうシーンを見せるがぜよ?
土佐酒たぁある意味、文化としての土佐人の野蛮さが、ストレートに伝わるもんやっちゅうがよ。
そのシーンを見たら、土佐に行きとうてたまらんなる、土佐酒が飲みとうてたまらんなる、仲間になりとうてたまらんなる、そんなシーンをいろいろ見せちゃることやっちゅうがやき。
こうして拍手喝采の中、迫田さんの講演は終了し、「土佐酒ブランド化セミナー・第2回」は、無事お開きとなったがよ。
迫田さん、こぢゃんと考えさせられ、こぢゃんと学びになる素晴らしいセミナーを、まっことありがとうございましたぜよ!
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司牡丹酒造株式会社