「えい人と歩きゃあ祭り。悪い人と歩きゃあ修行。」(小林ハル)
生後3ヶ月で失明し、5歳より瞽女(ごぜ)修行をして、晩年にゃあ「最後の瞽女」として脚光を浴び、無形文化財「瞽女唄」保持者として認定された、小林ハル(1900〜2005)さんの言の葉ながやき。
ちなみに「瞽女」たぁ、盲目の女旅芸人のことながよ。
この言の葉を最初に読んだ時、「人生は、えい人と歩きゃあ楽しゅうて、悪い人と歩きゃあツラいきに、えい人と歩きなさいや」っちゅう意味に捉えてしもうたがやき。
けんど、この言の葉を語られたハルさんの瞽女人生を思うた時、そんな浅い意味やないっちゅうことに気づいたがよ。
人生は長いきに、なんぼ「えい人」とだっけ歩きたいと願うたち、そればっかしっちゅうわけにゃあイカン、「悪い人」と歩かにゃあイカン時もあるもんながやき。
盲目の女旅芸人としてハルさんは、そんな時どう考えたがやろうか?
人生は、「えい人」と歩きゃあ楽しい時間がもて、「悪い人」と歩きゃあ自分を成長さいてくれる学びの時間がもてると、そう考えたがやないろうか。
「悪い人」「嫌いな人」「苦手な人」らあと一緒におりゃあ、自分にとって「イヤなこと」や「ツラいこと」らあがしょっちゅう起こることになるけんど、月日が流れ後々振り返ってみりゃあ、それらあが自分を成長さいてくれたがやっちゅうことに気づくもんながよ。
つまり、ハルさんに言わせりゃあ、「えい人」と歩こうが、「悪い人」と歩こうが、誰と歩こうが、人生は素晴らしいっちゅうことながぜよ。