2016年08月29日

平成27酒造年度「高知県酒造技術研究会」ぜよ!

 8月26日(金)は、高知県酒造組合にて13時半過ぎばあから、平成27酒造年度の「高知県酒造技術研究会」が開催されたき、そこに出席さいてもうたがやき。
(1)高知県酒造技術研究会研究員発表(2)高知県酒造技術研究会研究員発表2

 ほんまはその前に、平成28年度の高知県杜氏組合総会が開催され、司牡丹からは浅野杜氏を含め3名の醸造部の社員が出席しちょったがよ。


 ワシゃあ、13時ばあから酒造組合にて、高松国税局高知派遣酒類業担当官さんと事務局の秋久さんと、ちくと打ち合わせらあがあって、13時40分ばあに研究会会場に入ったら、すでに始まっちょったがやき。


 平成27酒造年度の「麹消化試験まとめ」らあについて、詳細なデータがテンコ盛りの資料が示され、研究員の方から詳しい説明があって、ワシゃあほとんどチンプンカンプンやったがよ。


 平成27酒造年度の全国新酒鑑評会の分析項目ごとの受賞率らあについての話しになって、やっとワシが聞きに来たネタになり、ホッとしたがやき。


 まとめとしちゃあ、今回の金賞率が高かった酒質は、カプロン酸エチルが9〜11ppm、グルコースが2.5%以上、酸度が1.3ml以下、酢酸エチルが20〜60ppm、酢酸イソアミルが2ppm以下、イソアミルアルコールが90〜110ppm、日本酒度が−2〜+4やっちゅうことやったがよ。


 相変わらずグルコースの低い辛口の高知県にとっちゃあこぢゃんと不利な、グルコースの高い甘い酒質が受賞率が高いっちゅうことながやき。


 けんど、そんな不利な状況で、平成27酒造年度の高知県の金賞率は、6/13やき46.2%で、1位宮城(15/23・65.2%)、2位東京(3/6・50.0%)と宮崎(1/2・50.0%)、4位秋田(14/30・46.7%)に次いで第5位で、東京と宮崎は出品数が少な過ぎるき除きゃあ、実質は3位やっちゅうことで、素晴らしい結果やと言えるがよ。


 さらに、過去6年間の合計の金賞率の順位は、1位宮城(61.1%)、2位福島(54.5%)、3位高知(50.6%)っちゅう結果で、グルコースの低い辛口じゃあ日本一と言うたちえいき、快挙と言えるがやき!


 その後は、有望系統の酒米の醸造適性と精米試験についてのお話や、エタノール滴定法によるアミノ酸度の測定法についてのお話らあがあったがよ。


 続いてはちくと休憩をはさみ、食品開発課長の上東さんによるお話があったがやき。
(3)上東課長発表(4)上東課長発表2

 まず「各年度の日本酒度−20の時の平均値(精白歩合30〜40%)」について、「米が良く溶ける年の対策」について、「製麹の条件と麹の酵素力価の関係」について等々のお話があり、お次はいよいよワシの最も聞きたかった、「SAKE COMPETITION」の出品酒分析についてのお話やったがよ。












 まず、「SAKE COMPETITION 2014」と「SAKE COMPETITION 2015」の比較についてで、「純米酒部門」のグルコース平均値は、2014年が1.44%やったがが2015年は1.72%と上がり、「純米吟醸部門」のグルコース平均値は、2014年が1.75%やったがが2015年は2.07%と上がり、「純米大吟醸部門」のグルコース平均値は、2014年が1.99%やったがが2015年は2.62%と上がったっちゅう結果やったがやき。(5)グルコース測定実演

 つまり、年々グルコースの高い甘い酒質が審査にゃあ圧倒的に有利になっていきゆうっちゅうことながよ。


 高知県は、実は過去4年間のデータでいやあ、予審通過率は第1位やき、全体のレベルは日本一高いと言うたち過言やないがやけんど、グルコースの低い辛口なもんやき、残念ながら上位入賞酒はこぢゃんと少ないがが現実やったがやき。


 これらあを踏まえ、高知県と山形県から、「グルコース別審査」を提案さいてもうたがよ。


 その理由は、以下の通りながやき。


●カプエチの高い酒の苦味をマスキングするために甘味を強うするっちゅうんは、いかがなもんか?

●飲み込まんと多数を一度に審査する方法じゃあ甘味の強い酒が相当有利。甘い酒の後に辛口が並ぶと「荒い」「身うすい」「味ノリ悪い」っちゅう評価になる。

●元々甘口やなかった地域も、コンテストのために甘口化していきゃあせんか。

●地域の食文化・気候・風土に根差して培われてきたそれぞれの地域の酒の味が、失われていくことに大きな危機感を持つ。地域性を失うた日本酒に魅力はあるがか?


 その結果、「SAKE COMPETITION 2016」じゃあ、他のコンテストに先駆け、初の「グルコース別審査」が取り入れられたがよ。


 ほんで高知県は、素晴らしい結果を残すことができたがやき。


 2015年は「シルバー」が3点やったがが、2016年は「ゴールド」が3点と「シルバー」が6点っちゅう、3倍増となったがよ。


 「ゴールド」の内容は、「純米大吟醸部門」で「司牡丹・槽掛け雫酒」が2位、「吟醸・大吟醸部門」で「司牡丹・大吟醸・黒金屋」が5位、「純米部門」で「酔鯨・純米・吟の夢60%」が9位やったがやき。


 特に「純米大吟醸部門」は、2位の司牡丹以外は、1位も3位も4位も5位も6位も7位も、グルコースの高い甘い酒っちゅう結果で、まだまだ甘口有利の中でのこの結果は、まっこと快挙やといえるがよ。


 その後は、各酒造会社ごとの「平成27酒造年度もろみまとめ」について、各酒造会社から発表があったがやき。


 また最後にゃあ、「グルコースの簡易測定法」の実演もあったがよ。


 こうして17時過ぎばあにゃあ、「平成27酒造年度高知県酒造技術研究会」は無事お開きとなったがやき。


 ほんで引き続き、土佐料理「花鶴」さんにて、懇親会やったがよ。


 高知県杜氏組合の組合長である浅野杜氏のご挨拶があり、高知県酒造組合理事長のワシの発声で乾杯し、宴会のスタートながやき。
(6)浅野杜氏ご挨拶

 途中、「美丈夫」の小原杜氏の表彰らあもあったがよ。
(7)小原杜氏表彰
















 宴席じゃあ、みんなあ各社自慢の土佐酒を酌み交わし、「花鶴」さんの美味しいお料理をいただきゃあ、盛り上がるがは当然ながやき。


 今年の「全国新酒鑑評会」や「SAKE COMPETITION」らあでの素晴らしい成績に、高知県工業技術センターの上東課長さんはまっこと嬉しそうで、いろんな蔵の方々らあと酌み交わし語り合うて、大盛り上がりやったがよ。
(9)上東課長さん29(8)宴席風景

 高知県工業技術センターの皆さん、そして高知県杜氏組合の皆さん、来年度も宜しゅうお願い申し上げますぜよ!















土佐の高知の日本酒蔵元「司牡丹」の公式ホームページは、こちらをクリック!
司牡丹酒造株式会社


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