「大人になるっちゅうんは、曖昧さを受け入れる能力を持つっちゅうことながぜよ。」(ジークムント・フロイト)
オーストリア出身の精神科医で、「無意識」を初めて扱うて、精神分析学の創始者とされる、ジークムント・フロイト(1856〜1939)さんの言の葉ながやき。
子供の時は、勧善懲悪のヒーロー物にハマッたりして、正義の味方に憧れ、悪を倒すんじゃーとか、本気で思うたりするもんながよ。
けんど、大人になったら、完全なる正義も、完全なる悪も、現実の世界にゃあほとんど存在してのうて、正しい時もありゃあ悪いこともしたりするっちゅう、大抵はグレーな存在ばっかしやっちゅうことに気づくもんながやき。
それやに、大人になったち、何かチョコッと悪いことをした人や理不尽なことを言う人の、その一面だっけを取り上げて、その人の全てを全面的に否定するような人がおるがよ。
何かチョコッと悪いことをした人やち、理不尽なことを言う人やち、こんなえい面もあるっちゅうふうに、多面的に物事を見ることができん人がおるがやき。
そういう人は、自分は正しい、正義は自分にあると思い込んじゅうかもしれんけんど、正義を振りかざしちゅうだけに、まっと大きな悪になってしまう危険性があるっちゅうことながよ。
まっと人や物事を多面的に見て、清濁あわせ飲むことができるような器の大きい人間にならにゃあイカンがやき。
それが、「大人になる」っちゅうことながぜよ。