3月26日(日)は、大磯町の旧吉田茂邸が再建となり、同町にて落成記念式典が開催され、吉田茂元首相の孫にあたる麻生太郎副総理兼財務相や菅官房長官や二階堂幹事長らあの方々が出席され、復活を祝われたらしいがやき。
実はこの記念式典にゃあワシも招かれちょった(経緯は「2月17日」のブログ参照)がやけんど、同日地元にてこぢゃんと大事な会があって、司牡丹の小田関東統括部長に代理出席してもうたがよ。
ほいたら翌3月27日の産経新聞朝刊の全国版に、このネタの記事が掲載されちょって、ワシの曾祖父(竹村源十郎)と吉田茂元首相のツーショット写真と、吉田茂元首相が愛飲された豊麗司牡丹(純米酒)が邸内に展示されちゅう写真が、バッチリ掲載されちょったがやき。
産経新聞さん、まっことありがとうございますぜよ!
ちなみに大磯町の旧吉田茂邸は、4月1日から一般公開されるきに、是非皆さんご見学にいらしてくださいや!
さて、その3月26日(日)は11時より、高知市内の三翠園さんにて、松崎淳子先生の文部科学大臣表彰地域文化功労(芸術文化)受彰記念講演会&祝賀会が開催され、ワシゃあそちらに出席さいてもうたがよ。
松崎先生は、高知女子大学名誉教授であり、土佐伝統食研究会代表、よい食生活をすすめるネットワーク会長であり、さらにワシが理事長を務めさいてもらいゆう土佐学協会の副会長も務めていただき、こぢゃんとお世話になっちゅう、高知の食文化の生き字引的存在ながやき。
ほんじゃき、この度の受彰は、まっこと自分のことのように嬉しいことながよ。
壇上にゃあ、表彰状も飾られ、松崎先生の関係された様々な食関連の書籍も、ズラリ陳列されちょったがやき。
会場にゃあ、123名っちゅう大勢の方々が、皆さん我が事のように悦びもって着席され、11時にゃあ開会したがよ。
まずはこの度の祝う会代表の永尾朱美さんから、開会のご挨拶があったがやき。
ほんで、松崎先生の記念講演のスタートながよ。
演題は、「ほんとうの豊かさって?〜みんなと探し歩いた道〜」ながやき。
まずは、大正15年生まれの松崎先生の幼少の頃から、終戦までのお話があり、自然を知っちゅう、貧乏を知っちゅう、終戦を知っちゅうっちゅうんは、そん時ゃあ大変なことやけんど、今考えりゃあ、これらあを知っちょって良かったと思えるっちゅうがよ。
戦後は高知女子大学生活科学科にて、「これまで“伝習”とされちょった家政を学に」することをテーマに研究を続けたっちゅうがやき。
当時は、家事っちゅうたら経済価値はゼロやと言われよった時代で、そっから「家政学」はスタートし、ついに「人間性豊かな暮らしを価値とする」っちゅう到達点にたどり着いたっちゅうがよ。
ちなみに「調理を科学に」っちゅうんは、シャリッとした天ぷらを揚げるにゃあ、タンパク質の少ない薄力粉で、冷たい水で、サックリ混ぜ、混ぜたらすぐに揚げたらえいがやけんど、なんでそうするがからあを、経験や勘に頼るがやのうて、データによって実証できる科学にするっちゅうことながやき。
また、土佐に伝わる魚の寿司の場合、鮮度の高い魚やと、振塩した食塩とタンパク質が化学結合して“スワリ”っちゅう現象をおこして、身がキリッと引き締まるとか、食酢(柚子酢でも)に浸すと浸透に時間を要しつつやがて熟れて(アミノ酸分解)旨い寿司に仕上がるとか、魚の鮮度が悪いと調味料の浸透は速いけんどスワリは起こらんと仕上がりの食感や風味は良うないとか・・・。
このように調理の手法を理論的に理解すりゃあ、教員として社会に出た時、高校生にも確実に伝わり、また家庭内作業の能率も上がる利点があるっちゅうがよ。
ところが、これらあのデータは、やがて食品工業に貢献して、大規模加工を可能にし、便利な加工食品となって食卓に送り込まれることになった、つまり「家事の産業化」が始まったっちゅうがやき。
昭和33年にチキンラーメンが世に出た時、「3分でプロの味」に驚嘆して、工場見学にも行ったっちゅうがよ。
けんど、子育て中で松崎先生が感じたがは、生活手段の変貌は生活文化、つまり価値観を変えていくことやないかっちゅうことやったっちゅうがやき。
加工食品の氾濫は個食・孤食を可能にし、団欒の場やった食卓機能が無いなっていくことやないか。
「共食」は人間固有の文化やと言われるけんど、そりゃあ家族機能のこぢゃんと大切な部分やったがやないかと思いはじめたっちゅうがよ。
この視点はマスコミにもあって、地元の高知新聞も、昭和43年9月〜44年6月まで、郷土各地の料理「おらんくの味」を連載し、これを皮切りに「高知の食」を見直す報道や出版が続くようになり、全国的にも同様の流れが起こりはじめたっちゅうがやき。
ほんで、こうして松崎先生は、右手で調理科学を、左手で伝統食研究を続けることになったっちゅうがよ。
平成15年にゃあ「土佐伝統食研究会」を立ち上げ、平成18年にゃあ「よい食生活をすすめるネットワーク」を立ち上げたっちゅうがやき。
ほんで松崎先生は、この度の表彰は、私一人のもんやない、本当の豊かさを求めて、私利私欲を超えて活動してきた仲間たちに対してのもんやと気づいたき、悦んで頂戴したっちゅうがよ。
さらに、表彰の「地域文化」に「食文化」が加えられたがは平成26年度からで、その年は京料理「菊の井」の社長さんが受けられ、松崎先生が2人目であり、しかも28年度の受彰98件のうち「食文化」は松崎先生お1人やったっちゅうがやき。
ほんで松崎先生は、おっしゃるがよ。
「食文化」がこのように位置付けられたことを、皆様と共に歓びたい、と。
さらに参加者に配布されちゅう資料にゃあ、「高知の食を見直す出版物の流れ」、「鰹のタタキのタレと薬味(バリエーション11種類)」、「郷土食として高知新聞の記事(連載)に登場した食材(昭和54年〜平成18年)」、「高知の寿司(28種類)」、「私の鯖ずし論」(土佐学年報第3号)、「“昔のおきゃく”をふりかえる」、「さあ、食材購入、そして手作り〜1本、1束、1袋、1尾、買っても大丈夫!〜」と続いちょって、そのアツい語りと共に、伝えたいっちゅう情熱と伝えにゃあイカンっちゅう愛情が、紙面からもあふれまくりで、ワシゃあまっこと目頭がアツうなってしもうたがやき。
松崎先生、まっこと素晴らしいご講演、ありがとうございましたぜよ!
この後は、ちくと休憩時間があり、12時20分ばあから祝賀会が開催されたがよ。
まずは、高知県農業振興部西本副部長さんのお祝辞があり、松崎先生が所属されちゅう様々な団体らあから、花束の贈呈や記念品の贈呈があったがやき。
続いては、松崎先生からのご挨拶があり、土佐史談会の宅間会長さんのご発声にて乾杯し、祝宴がスタートしたがよ。
ちなみに昼間やっちゅうことで、乾杯酒は「司牡丹・山柚子搾り・ゆずの酒」(リキュール)やったがやき。
三翠園さんの用意された御献立も、まっこと素晴らしかったがよ。
●お弁当(いたどり煮 紅白高野 桜麸 絹さや 生姜鶏そぼろ煮 トマト射込み 土佐黒毛和牛粒マスタード掛け 独活 たらの芽 酢取生姜 鰤卵煮 魚煮凍り 蛤菜種焼き きびなご味醂干し 三色団子 花蓮根 椎茸田楽 鰯つみれ田楽 紅白なます)
●造里(天然鯛 マカジキ 甘海老)
●食事(海鮮ちらし寿司)
美味しいお弁当をいただき、お茶やビールをいただきもって、ここでワシらあ「土佐学協会」が制作さいてもうた映像が流されたがやき。
この映像は、これまで松崎先生にご協力いただいた土佐学協会の活動らあをコンパクトにまとめたもんで、メインは最近撮影さいてもうたばっかしの「松崎先生流 鯖寿司の作り方」の抜粋映像ながよ。
ほんで、この「松崎先生流 鯖寿司の作り方」の全編についちゃあ、6月11日(日)13時半から高知県立大学・永国寺キャンパスにて開催予定の、「土佐学大会」にて上映されますっちゅう宣伝テロップも流れたがやき。
ちなみにこの「土佐学大会」は、土佐学協会創立10周年記念大会で、「松崎淳子先生が土佐の伝統食を語り尽くす」っちゅう特別記念講演が予定されちょって、どなたやち参加費は無料やき、是非皆さん奮ってご参加くださいや!
●油物(筍博多揚げ 茄子 紅葉おろし 葱)
●椀物(鯛潮汁 筍 紅魚素麺 木の芽)
さらに油物や椀物が出され、これらあもヌックヌクでまっこと美味しかったがよ。
ちくと周りの方々らあと飲んで食べて語り合うて、盛り上がったがやき。
ほいたら途中から松崎先生が何と自ら、出席者を全員紹介するっちゅうがよ。
さすがに足がお悪いっちゅうことで、車椅子で押されて移動されもって、各テーブルを順番に回られ、テーブルごっとにそれぞれの方々を紹介して回られたがやき。
123名の出席者全員お1人1人を、親しみと愛情のこもった松崎節炸裂の土佐弁丸出しで紹介され、90歳を超えるお年でこの記憶力と情熱にゃあ、まっこと感動モンやったがよ!
長年のご経験から、何か事を成すにゃあ、ネットワークや人脈が最も大事やっちゅうことを痛感されちゅう松崎先生やからこそ、「この123名全員は、私が繋ぐ!」っちゅう念いがあふれちょったがやき。
松崎先生!凄いです!あらためまして、心から尊敬さいていただきます!!
●デザート
デザートとコーヒーが出され、14時過ぎばあにゃあ中締めとなったがよ。
中締めは、土佐学協会理事長の不肖ワシが、ご挨拶さいてもうたがやき。
土佐学協会の活動にて、いかに松崎先生をこき使うてきたかのネタをちくとご紹介さいてもうて、あらためて6月11日の「土佐学大会」のPRもさいてもうたがよ。
ほんで、松崎先生の益々の健康長寿らあを祝うて、三本にて締めさいてもうたがやき。
松崎先生、まっことおめでとうございますぜよ!
土佐の高知の日本酒蔵元「司牡丹」の公式ホームページは、こちらをクリック!
司牡丹酒造株式会社