「いわゆる十分に力を出すもんに限って、おのれに十二分の力があり、十二分の力を出したもんが、おのれに十五分の力があることがわかってくるがぜよ。」(新渡戸稲造)
その著書「武士道」で世界的に知られちゅう、岩手県生まれの農学者・教育者・思想家の、新渡戸稲造(1862〜1933)さんの言の葉ながやき。
この言の葉は、裏を返しゃあ、何事に対しても手を抜いて、全力を出し切ることをせんような出し惜しみする人間は、いつまで経ったち成長せんっちゅう意味になるがよ。
ほんじゃき、どんなにちんまい、雑用みたいな仕事やち、おのれの力を十分に出し切って、全力で事にあたるべきやっちゅうことながやき。
それをやってみて初めて、おのれの真の実力が「こんなもんやない。まだまだいけるやいか!」と気づくことになり、「10」が限界やと思うちょったもんが、「12」にランクアップすることになるがよ。
さらに次の機会に、その十二分の力を出し切って事にあたりゃあ、そん時またまた、おのれの真の実力が「こんなもんやない。まだまだいけるやいか!」と気づくことになり、「12」が限界やと思うちょったもんが、「15」にランクアップするっちゅうことながやき。
人間っちゅう生き物は、そうやって進化し、深化してきたっちゅうことながぜよ。