

実はこの展示会、昨年の11月25日(土)から開催されよって、ホンマは早めに観覧したかったがやけんど、とにかくワシゃあ忙し過ぎて、昨年はよう行かんかったがよ。
けんど、この1月14日(日)が最終日になるっちゅうことで、へんしも観覧に行かいてもうたっちゅう訳ながやき。
まず会場の2階企画展示室に上がる途中の階段踊り場にゃあ、高知県出身の酒場詩人・吉田類さんの筆による「酒と文学展」の題字の入ったポスターと共に、昨年ワシのブログでもご紹介さいてもうた、「吉田類のにっぽん全国酒蔵巡り」頒布会(「2017年11月27日」のブログ参照)のポスターが、類さんの筆による司牡丹ラベルと共に、バッチリ掲示されちょったがよ。



さらに、本会場に入る前の撮影OKのスペースにゃあ、土佐酒18酒蔵が紹介されちゅう高知県の地図がドカンと示された、「土佐酒と文学」のパネルが展示されちょったがやき。

蔵元名が登場する作品や縁のある作家名らあが、それぞれの酒蔵のところに記載されちょって、司牡丹のところにゃあ、田中貢太郎さん、宮尾登美子さん、山本一力さん、坂東真砂子さんらあの著作に司牡丹が登場しちゅうっちゅう内容が掲載されちょって、18蔵の中じゃあ一番数が多かったがよ。
また、それらあの掲載書籍そのものも、すぐ前にズラリと並べられちょって、自由に閲覧できるようになっちょって、至れり尽くせりながやき。
また次のコーナーじゃあ、「吉田類の酒場放浪記」で高知のお店が登場した回のビデオ(こん時にゃあ今は無き名店「とんちゃん」が登場)が放送されよって、その周囲にゃあ「お酒豆知識」や、絵本作家長谷川義史さんの「高知県人へのメッセージ」の自筆ボードも掲示されちょったがよ。

さらに、「日本酒の歴史」を年表にしたボードも展示されちょって、そのボードの下にゃあ、土佐酒の空瓶がズラリと並べられちょって、司牡丹は最高級の「深尾」(斗瓶囲い純米大吟醸原酒)と「司牡丹・しぼりたて」(本醸造原酒)の空瓶が並べられちょったがやき。




さらにお酒の神様として、奈良の「大神神社」、京都の「松尾大社」と「梅宮大社」、高知市介良の「朝峯神社」らあの紹介パネルも掲示されちょったがよ。


また、ユニークな企画として、「ひょうたんの精霊が教える あなたと気が合う文学者」っちゅうコーナーがあり、瓢箪を振って出てきたクジに書いちゃある文学者が、あなたと気が合うっちゅうことらしいがやき。



早速ワシがやってみたら、歌人の吉井勇さんのクジが出たがよ。
ほんで、おみくじのように、吉井勇さんの説明文の書かれた短冊を、持って帰るっちゅう企画ながやき。
ちなみにクジに入っちゅう他の文学者は、紀貫之さん、吉田健一さん、宮尾登美子さん、大町桂月さん、田中貢太郎さん、井伏鱒二さん、坂東真砂子さん、寺田寅彦さん、田中英光さん、幸徳秋水さん、上林暁さん、立仙啓一さんと、なかなかのバリエーションやったがよ。
また、最後の「お酒豆知識」にゃあ、外食で使う飲酒代(2014〜2016)についてが記載されちょって、全国平均が18319円で、2位が東京都区部の29737円やって、ダントツ1位が高知市の39969円やっちゅうて掲載されちょったがやき。

やっぱ土佐人は、ソト飲みが大好きやっちゅう証明ながよ。
さあいよいよ本会場に入る入り口にゃあ、吉田類さんの筆による「酒と文学展」っちゅう文字が書かれた、巨大な瓢箪型の提灯が吊り下げられちょって、なかなかえい感じやったがやき。

本会場の展示についちゃあ撮影不可やき、残念ながらここにゃあ画像は一切ないけんど、なかなかの充実っぷりやったがよ。
まず、鳥獣戯画を彷彿とさせるような、そのリアルな描写力に感動したがが、日本画家の中村恭子さんが描かれた「皿鉢絵」ながやき。
約14mにも及ぶ絵巻物に、様々な土佐の食材や名物料理らあが登場しちょって、まっこと壮観やったがよ。
さらに、高知県にある酒蔵と文学との関わり、お酒の歴史や造り方、高知県の酒器やお座敷遊び、高知の肴について作家が語った言葉の紹介らあがあって、面白かったがやき。
また、「土佐の酒と文学の系譜」のコーナーじゃあ、「作家と酒」「出来事・作品に見る酒」の2つのコーナーに分けて紹介されちょったがよ。
大町桂月、田中貢太郎、井伏鱒二と連なる師弟の絆や、お酒に関するエピソードらあは、まっこと興味深かったがやき。
特にワシが最も興味を引かれたがは、作家の方々のお酒に対するそれぞれの表現の豊かさやったがよ。
「全く、旅先で一晩旨い酒を飲むこと程、我々の寿命を延ばしてくれるものはない。」(吉田健一)
「一年百日の寒働きと、麹が作り成せる醸造の神秘は、長いあいた私を捉えて離さない魅力だったのです。」(宮尾登美子)
「酒は、精神的のもの也。」(大町桂月)
「私の酒は酔中の趣を得れば足りると云ふ酒である。」(田中貢太郎)
「おもひ出づ 土佐山峡の わが庵の 爐端の酒を 友の笑ひを」(吉井勇)
「男たちには、酒を飲んで騒ぐ時が要る。そうやって、眼に見えない繋がりを紡いでいく。」(坂東真砂子)
「客観のコーヒー 主観の新酒かな。」(寺田寅彦)
特に寺田寅彦さんの引用文解説にゃあ、次のように書かれちょって、まっことナルホドっちゅうて、膝を打ったがやき。
「冴えた頭脳をもたらし世界を客観的に捉えるコーヒー、主観的に物事を捉えて思いもかけない世界観を示すことのある酒・・・合理的に見れば無用でも、時に人生を豊かにする装置とも成り得るのです。」
さらに最後にゃあ、「吉田類さん 酒場俳句」のコーナーがあり、類さんの俳画や愛用品らあがバッチリ展示されちょって、なかなかの見応えやったがよ。
1月に司牡丹が入っちゅう、「吉田類のにっぽん全国酒蔵巡り」頒布会の12ヶ月分の12蔵元の空瓶もズラリと並べられちょって、類さんデザインの各社の俳画ラベルが、こぢゃんと光っちょったがやき。
帰りの1階のミュージアムショップにゃあ、紹介されちょった書籍や関連書籍やグッズらあも販売されよって、1000円以上購入された方にゃあ、吉田類さんの筆による「酒と文学展」の文字が入ったオリジナルの缶バッジが、プレゼントされるっちゅうがよ。

まっことワシが予想しちょった以上に中身が濃い、充実の展覧会で、蔵元としたちこぢゃんと学びや気づきを得ることができたがやき。
日本酒ファン、土佐酒ファンの方は、こりゃあ絶対必見やき、まだ観覧されてない方は、今月14日(日)が最終日やき、へんしも観覧されることを強力にオススメさいていただきますぜよ!
【酒と文学展】〜「土佐日記」から吉田類まで〜
<開催日> 2017年11月25日(土)〜2018年1月14日(日)
※12月27日〜1月1日は休館
<開催時間> 午前9時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
<会場> 高知県立文学館(高知市丸ノ内1-1-20 TEL:088-822-0231 FAX:088-871-7857) 2階企画展示室
<観覧料> 500円(常設展含む) 高校生以下無料 20名以上の団体は2割引
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳及び被爆者健康手帳をお持ちの方とその介護者(1名)、高知県及び高知市長寿手帳をお持ちの方は無料です。
土佐の高知の日本酒蔵元「司牡丹」の公式ホームページは、こちらをクリック!
司牡丹酒造株式会社