2018年01月17日

松崎晴雄氏とジョン・ゴントナー氏の独立20周年記念講演会ぜよ!

 1月13日(土)は、13時半から17時まで、TKPガーデンシティPREMIUM神保町にて、日本酒ジャーナリストの巨星お2人、「松崎晴雄氏とジョン・ゴントナー氏の独立20周年記念講演会」が開催されたがやき。


 全国各地から、名だたる日本酒蔵元や業界関係者らあが、約100名ばあ集まり、まずは株式会社流通情報企画の小島稔さんから、主催者を代表してご挨拶があったがよ。
17(1)講演会場(2)小島さんご挨拶
















 ほんで、まずは松崎さんの講演「日本酒の技術革新の到達点、そして近未来〜日本酒業界の20年を振り返る、これからの日本酒は〜」ながやき。
(3)松崎さん講演



 まず「酒質の変遷 20年間のトレンドを探る」について、1980年代から90年代にかけて、各県の酵母開発が進み、カプロン酸系の吟醸酒がスタンダードとなり、90年代に入って、蔵元杜氏が出現し、無濾過生原酒が流行り、若い造り手らあがメッセージ性のある造りをし始め、現在は酸のあるタイプや甘うてフレッシュなガス感のあるタイプが人気になっちゅうっちゅうがよ。


 また最近じゃあ、酢酸イソアミル系の香りも人気になりつつあるっちゅうがやき。


 つまり現代は、芳醇旨口タイプが人気やっちゅうことになるがやけんど、ちくと甘うなり過ぎた感もあり、今後のトレンド予測としちゃあ、再び辛口に振れるがやないかっちゅうがよ。


 ただし、昔のタイプの淡麗辛口やのうて、芳醇辛口っちゅうか、淡麗旨口っちゅうか、辛口なんやけど味わい豊かなとか、ハイブリッドな新時代の辛口がトレンドになるがやないかっちゅうがやき。


 まさに高知県が目指しゆう、「TOSA NAKAMA SAKE」がそんなイメージやき、まっこと我が意を得たりやったがよ。


 お次は、「消費者の意識、嗜好の変化」についてながやき。


 これまで、全国各地で「日本酒市民講座」を開催してきた中で、消費者に何が必要かっちゅうたら、「知識+ライフスタイルの提案+価値」やっちゅうがよ。


 また、インターネットがここまで発達してきちゅうからこそ、プロとしての正しゅうて公平な、今の時代に合った情報発信が必要やっちゅうがやき。


 続いては、「今後の日本酒を展望する」っちゅうテーマながよ。


 まず「酒質」についちゃあ、スモーキーとかナッツとか柚子とかっちゅうフレーバーをつけたフレーバーSAKEや、赤とか緑とかっちゅう色のついたカラーSAKEらあも出てくるがやないかっちゅうがやき。


 また、クラフトビールや自然派ワインらあと共に語られるような、思想を持った新しいカテゴリーの日本酒も生まれてくるがやないかっちゅうがよ。


 「製造」についちゃあ、最近衛生基準がうるそうなってきたき、HACCPとか、アメリカの食品安全法についても考えていかにゃあイカンなるがやないかっちゅうがやき。


 そんな中で、小仕込化、四季醸造化、効率化らあも進み、たとえば「夏のしぼりたて」とかっちゅう、新しいコンセプトの季節商品も誕生するがやないかっちゅうがよ。


 「流通」についちゃあ、新たなチャネル開発が進み、大手はスーパーだけやのうて、ホテルや外食産業、鉄道会社らあっちゅうチャネルも誕生するがやないかっちゅうがやき。


 海外市場とインバウンド需要についちゃあ、中国を筆頭にアジア地区の需要がさらに急増するやろうっちゅうがよ。


 この海外市場とインバウンド需要は、あらためて日本酒の価値を国内に発信するためにも、起死回生のチャンスやっちゅうがやき。


 こうして大拍手の中、松崎さんの講演は終了したがよ。


 そのまんま引き続き、ジョン・ゴントナーさんの講演で、タイトルは「世界雄飛の日本酒、その現状と可能性 日本酒の過去・現在・今後 〜 グローバル化」ながやき。
(4)ジョンさん講演

 まず清酒の輸出について、20年前は、アメリカ・香港が話題やったくらいで、輸出量は10402kl、金額は39億円やったがが、現在は韓国・中国・台湾・シンガポール・カナダ・オーストラリア・イギリスらあにも広がり、輸出量は19737kl、金額は156億円やっちゅうがよ。


 さらに今後の予想としちゃあ、更に伸び、輸出先の割合が変化するろうっちゅうがやき。


 ジョンさんいわく、これからはヨーロッパが面白うなるっちゅうがよ。


 次に、日本酒と出会う場所について、アメリカの事例を挙げられるがやき。


 アメリカに起きることは、大体他の国でも起きるき、参考になるっちゅうがよ。


 20年前は、日本酒が入っちゅう飲食店はほとんど日本食店で、小売は日系スーパーくらいで、マンハッタンで日本酒を扱うワインショップは1店だけやったっちゅうがやき。


 それが現在は、飲食店についちゃあ、西洋料理店などあらゆる店に入っちょって、小売店も都市にある大きめのワインショップやったら大抵日本酒を置いちゅうし、日本酒専門店も4店存在するっちゅうがよ。


 ほんで今後は、日本酒を扱う飲食店も小売店も、順調に増えていくろうっちゅうがやき。


 唯一の問題は、日本酒を自国の料理に合わせるっちゅう経験がないことやっちゅうがよ。


 また、価格にゃあ限界があるき、1本20ドルを切るこたぁ難しいき、普通のスーパーに日本産の日本酒が並ぶこたぁ難しいろうっちゅうがやき。


 さらに「日本酒教育」について、「海外の人の日本酒の好み」について、「ワイン専門家らあの日本酒への関心度」について、「流通業者らあの日本酒への関心度」について、「課題点、挑戦」について、「知識上の注目されるポイント」について、「海外の酒蔵」について、「外国人蔵人」について、「メディア」について、「依然として存在する課題」について、「その他(GI、テロワール、PB)」について・・・20年前と現在と今後について、対比しもってたっぷり語られたがよ。


 こうして大拍手の中、ジョンさんの講演も終了し、ちくと休憩タイムがあったがやき。


 休憩後は、「日本酒の未来を切りひらく条件」っちゅうタイトルで、ディスカッションながよ。
(5)ディスカッション

 小島さんがコーディネーターとなり、松崎さんとジョンさんをパネラーに、ディスカッションがスタートしたがやき。



 まず小島さんから、現在日本酒は数字的にゃあ長期低迷のまんまで、一方新進蔵元の台頭らあで日本酒ブームとも言われゆうっちゅう現状を、どう見るかっちゅう質問があったがよ。


 これに対し松崎さんは、決してブームやないけんど、低迷たぁ思うてない、数量が伴うてないだっけで、数字的な効果が現れるがはこれからやと思うちゅうっちゅうがやき。


 続いてジョンさんは、量は伴うてないけんど、消費者の立場から見りゃあブームかもしれんっちゅうがよ。


 美味しい日本酒が飲める店がドンドン増えゆうし、海外でもアイテムがドンドン増えゆうがは、知らん酒を探す楽しみがあり、素晴らしいことやっちゅうがやき。


 少しずつ伸びていくがは健康的な伸び方やっちゅうがよ。


 お次は小島さんから、海外輸出、海外生産の拡大が国内に与える影響はっちゅう質問があったがやき。


 これに対しジョンさんは、海外輸出はまだ量的にゃあ5%程度と大したことないけんど、情報の輸入により、国内への影響は大きいっちゅうがよ。


 また、海外生産の清酒についちゃあ、アメリカワインやち世界で認められるがに100年かかったがやき、外国産清酒が認められるがも、100年とまではいわんけんどまだまだ相当時間がかかるろうっちゅうがやき。


 松崎さんは、輸出が1割を超える時代が来りゃあ、国内での純米酒や純米吟醸酒が足りんなる状況も起こり得るっちゅうがよ。


 続いて小島さんから、「ズバリ!2018年の日本酒はどうなるか?」っちゅう質問があったがやき。


 松崎さんは、まずスパークリング系を挙げられ、次に劣化防止の研究が進みゆうき、よりフレッシュなもんの普及か進むがやないかっちゅうがよ。


 ジョンさんは、酒質っちゅうよりか、ワイン業界のやり方を研究したやり方の日本酒が伸びるがやないかっちゅうがやき。


 また、オーソドックスな7号9号酵母らあの、おとなしいタイプも人気になりそうやっちゅうがよ。


 ほんで、会場な参加者の皆さんからの質問タイムながやき。


 ほいたらまず、松崎さんとジョンさんの師匠ともいえる篠田次郎先生から、「和食が文化遺産となって、一番得したがは和食店であり、二番目は日本酒や!外国人からすりゃあ、和食は美味しい、太らん、一緒に飲むがは日本酒や!けんど、和食と日本酒はひとつになって文化なんやっちゅう情報を、発信しゆう日本酒メーカーが果たしておるか?どうして日本酒業界は、こういう情報を出さんのかっ!!」っちゅう、ワシらあメーカーに対する叱咤のお言葉が出されたがよ。
(6)篠田先生より質問(7)質問タイム

 篠田先生、まっこと仰るとおりでございますぜよ!


 その後も、何人からの方々からの質問らあがあり、17時にゃあ、割れんばかりの大拍手の中、「松崎晴雄氏とジョン・ゴントナー氏の独立20周年記念講演会」は、お開きとなったがやき。


 引き続き18時からは、会場を変えて、第2部の「独立20周年を祝う会」ながやけんど、ちくと長うなるき、こちらについちゃあ明日のブログにてご紹介さいていただきますぜよ。















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司牡丹酒造株式会社


Posted by tsukasabotan at 14:11│Comments(0)