「許すはえい、忘れるはなおえい。」(ロバート・ブラウニング)
19世紀イギリスの詩人、ロバート・ブラウニング(1812〜1889)さんの言の葉ながやき。
人間誰やち、許せんばあ腹の立つこともあるがよ。
けんど、その怒りっちゅう炎は、自らも傷つける諸刃の剣やき、いつまでも体内に抱え込んじょっちゃあイカンがやき。
時間っちゅう魔法の杖を利用して、許すことができにゃあイカンがよ。
けんど、「許す」っちゅうんは、実はまだ上から目線ながやき。
「あいつは悪いヤツやけんど、ワシゃあ立派な人間やき、あいつを許しちゃろう」みたいな優越感が、そこにゃあわずかに潜んじゅうがよ。
そんな「許す」っちゅうレベルを超える、最上の策は何かっちゅうたら、そりゃあ「忘れる」ことやと、ロバート・ブラウニングさんは語りかけてくるがやき。
「忘れる」っちゅうんは、そんなことがあったかどうかっちゅうことすら忘れちゅうっちゅうことやき、上から目線も何もあるわきゃあないがよ。
自分が腹を立てたっちゅう事実すら忘れちょったら、そりゃあ「許す」も何も、その事実がなかったことと一緒ながやき。
年をとって物忘れがひどうなったらあて嘆くことなかれ、「忘れる」っちゅうんは、実は人間にとっちゃあ大きな福音でもあるがぜよ。