2018年04月15日

幸せの言の葉<1130>

「型をしっかり覚えた後に、型破りになれるがぜよ。」(五代目中村勘九郎)


十七代目中村勘三郎の長男の歌舞伎役者で、2005年からは十八代目中村勘三郎を襲名された、五代目中村勘九郎(1955〜2012)さんの言の葉ながやき。


一般的にあの人は「型破り」な人やっちゅうんは、大抵は型も知らん野放図な人のことを言うがよ。


そりゃあ基本の型を知らんがやき、野放図になるがは当たり前やき、そりゃあホンマは「型破り」たぁ言わんがやき。


ホンマの「型破り」たぁ、伝統芸能らあの世界で言う「守破離(しゅはり)」の「破」のレベルのことながよ。


伝統芸能の世界じゃあ、まずは型を「守る」ところから修行が始まるがやき。


その後修行を積んで、よりえいと思われるような型を自らつくり出すことができりゃあ、既存の型を「破る」っちゅうレベルになるがよ。


これが「型破り」のホンマの意味ながやき。


ちなみにその上は、師匠の型も自分の型も、既に型らあてもはや呼吸と一緒で体に染み付いちゅうき、型から「離れ」て自由自在の境地に達しちゅうレベルながよ。


自分の現在のレベルが、「守破離」のどの位置にあるがかを、正しゅう認識しちょかにゃあ、おんなじことをやったちマイナスにしかならんこともあるっちゅうことながぜよ。


Posted by tsukasabotan at 09:00│Comments(0)