今回は昨日のブログの続きで、5月17日(木)に「東京都立産業貿易センター台東館」6階にて開催された、「SAKE COMPETITION 2018 勉強会」の後編ながやき。
さて、製造向け勉強会の上東先生の講演の後は、進行役に長谷川社長さんをお迎えし、パネラーとして宮城県産業技術センターの橋本建哉先生、茨城県工業技術センターの武田文宣先生、広島県立総合技術研究所食品工業センターの大土井先生、ほんで若手蔵元として「廣戸川」(福島)の松崎さん、「山城屋」(新潟)の小林さん、「みむろ杉」(奈良)の今西さん、「加茂錦」(新潟)の田中さんの4名をお迎えし、「多様化した酒造りに挑戦する若手蔵元」っちゅうテーマで、パネルディスカッションのスタートながよ。
まずは3名の先生方から、自己紹介を含めたお話があり、続いては4名の若手蔵元からも自己紹介を含めたお話があったがやき。
まず「廣戸川」松崎さんは、7年前に蔵に戻んた時は8割が普通酒やったけんど、現在は8割以上が純米酒で石数は約800石やっちゅうがよ。
米は福島県産「夢の香り」が約8割で、酵母も福島県産のTM1(イソ系)やっちゅうがやき。
甘さ抑えめの飲み手を選ばんようなお酒を造りたいっちゅうがよ。
続いての「山城屋」松崎さんは、蔵元の親戚じゃああるけんど、社長の息子っちゅうわけやないき、他の3人と違うて平社員やっちゅうがやき。
「宝山」の西酒造さんで修行して、5年前に越銘醸(山城屋)さんに入ったっちゅうがよ。
入った頃は、やっぱし普通酒がほとんどで、技術を使うちゅう酒は鑑評会出品酒のみ、活性炭は大量使用、2回火入れの酒だらけやったっちゅうがやき。
これを、古参の方々らあに根回ししたり、語り合うたりしもって、やっと「山城屋」ブランドで1本だっけ仕込むことから始めたっちゅうがよ。
きもと、酢酸イソアミル系酵母、1回火入れと、これまでと180度違う酒造りやっちゅうがやき。
理想としちゃあ、ナチュラルを追及し、無添加の酒造りをしていきたいっちゅうがよ。
お次の「みむろ杉」今西さんは、酒の神様で有名な三輪に残る唯一の蔵元やき、「三輪を飲む」がブランドコンセプトで、三輪山の水と三輪の米で醸すっちゅうがやき。
元はリクルートで採用関係を担当しちょったがやけんど、父親が倒れたき蔵に帰ったっちゅうがよ。
造りの150石は2人の社員が効率重視の酒造りをしよって、大手問屋に流通させゆうだっけで、商談したちお金の話しか出んき、こぢゃんとむなしかったっちゅうがやき。
長谷川社長に出会うたがはそんな頃で、飲んでもろうた酒はボロカスに言われたけんど、酒の味わいについてだっけをアツうに語ってくださり、目からウロコやって嬉しかったっちゅうがよ。
その後、漢字の「三諸杉」は地元(150石)とし、平仮名の「みむろ杉」は地酒酒販店のみに流通(650石)させるようになったっちゅうがやき。
かつての多角経営(飲食店や宿泊業)をやめて、酒造り一本に絞り、他社よりか一手間も二手間もかけた酒造りを行うため、お酒は全て900キロ仕込みとし、米は10キロずつ洗う、シューターは廃止して手で運ぶ・・・等々で、穏やかな香り、フレッシュでキレイで味がある酒を醸しゆうっちゅうがよ。
続いての「加茂錦」田中さんは、食品会社に勤められよったお父さんが、10年前に蔵元を引き継いで、既にその頃に吟醸蔵に変えてくれちょったっちゅうがやき。
田中さんが蔵に帰ったがは5年前で、全国の人気銘柄を集めて利き酒をされ、それらあの中で「獺祭」が衝撃やったっちゅうがよ。
その後は、これをやったら絶対に効果があるやろうっちゅうことから、1つずつ1つずつ設備をやりゆうっちゅうがやき。
また、タンクごとにテーマを決めて、いろんな酒造りに挑戦しゆうっちゅうがよ。
4年前の「ダンチュウ」の日本酒特集の「飛露喜」さんのブレンドのくだりは、こぢゃんと参考になったっちゅうがやき。
その後は、3人の先生方から、若手蔵元の皆さんに対して、様々な質問が投げ掛けられたがよ。
小林さんにゃあ、「きもと」についての詳しゅう突っ込んだ質問があり、今西さんにゃあ「菩提もと」についての質問があり、さらにそっから各社に対して、酵素剤を使いゆうかどうか、どう考えるかっちゅう、相当に突っ込んだ質問まで飛び出し、皆さん真摯に答えてくださったがやき。
また、何名かの方が官能評価だっけで分析についちゃああんまりやってなかったようやったき、先生方からは、官能評価だけやのうて分析の数字も大事やっちゅうお話があったがよ。
こういう味に感じるがはこういう数値ながかとか、分かるようになるき、再現性が高まるっちゅうがやき。
多様化した酒造りがテーマやき、将来的にどんなお酒を造りたいかっちゅう質問もあったがよ。
松崎さんは、多様化たぁ逆で、毎日同じ工程を繰り返して安定させたいき、米も酵母も1種類とかに決めて、初洗米から火入れまで、同じことをやっていたいっちゅうがやき。
酒質としても、とんがったパンチの効いた酒質じゃのうて、むしろ無個性っちゅうか、真ん中にいるようなバランスの取れたもんにしていきたいっちゅうがよ。
小林さんは、一杯目より二杯目、二杯目より三杯目っちゅう感じで、最後まで飲み続けられる酒を目指したいっちゅうがやき。
ほんで最終的にゃあ、有機米、きもと、無添加の完全自然派の酒を造りたいっちゅうがよ。
今西さんは、穏やかでフレッシュ、キレイなお酒っちゅうんが、自分が一番飲みたい酒やき、そこを目指したいっちゅうがやき。
また、やはり身体に負担の少ない、アル分13度原酒に可能性を感じるっちゅうがよ。
さらに、「酒蔵」っちゅう枕言葉もなくす、キチンとした組織づくりも進めて、休日や給料やステイタスもアップさいていきたいっちゅうがやき。
田中さんは、まだ理想の酒のこれやっちゅうイメージはないけんど、様々な種類の酒造りに挑戦していく中で探していきたいっちゅうがよ。
いろんな米、いろんな酵母、それらあのバランスらあも含めて、いろんなパターンを試し、時代に合った酒質を探し続けたいっちゅうがやき。
次に、自社のお酒の特徴や個性、どんな温度帯で飲んで欲しいからあについて、長谷川社長の前で簡単に説明するとしたら、何と説明するかっちゅう質問があったがよ。
松崎さんは、どっかがとんがっちゅうわけやない、バランスの取れた真ん中にいる酒やっちゅうて、常温で飲んで幅を感じてもらいたいっちゅうがやき。
小林さんは、やはり最初から最後まで飲み続けられる酒で、常温っちゅうか、ちょい冷えばあで飲んでほしいっちゅうがよ。
今西さんは、酸を背骨に米の旨味で球体をつくるようなイメージの酒やっちゅうて、最初は冷蔵庫から出してすぐのお酒が、飲んでいるうちに温度が上がって次第に開いてくるっちゅう飲み方が好きやっちゅうがやき。
田中さんは、10℃以下ばあで飲んでもうた方が、アルコール感がのうて若い女性でも抵抗感なく飲んでもらえるがやないかっちゅうがよ。
「賀茂金秀」や「雨後の月」や「醸し人九平治」や「新政」らあのアル分13度のお酒は、衝撃的に美味しいっちゅうがやき。
ここで長谷川社長さんから、アルコール分は世界的に低うなりゆうがが主流やき、もはや19度らあてあり得ん、今後は13度が主流になっていくやろうっちゅうがよ。
大手蔵が、元々はえい酒を造っちょりながら、タンク貯蔵で1年ばあ寝かせて、出荷時に炭を使うて、2回も火入れして・・・ちゅう酒ばっかしを流通させゆうけんど、金賞の出品酒にゃあ誰っちゃあそんなことしてないっちゅうがやき。
究極にえい酒を造れるがやったら、市販酒にもそれをやったらえい、費用がかかるやったら高うして売りゃあえい、だいたい日本酒は安過ぎるっちゅうがよ。
その後も、酵母について、食中酒かどうかについて、品質管理や出荷管理の問題についてらあの質問とお話があり、16時過ぎにゃあ「SAKE COMPETITION 2018」製造向け勉強会は、大拍手の中、お開きとなったがやき。
先生の皆さん、若手4蔵元の皆さん、そして長谷川社長さんと「はせがわ酒店」の皆さん、まっことありがとうございましたぜよ!
その後は、ワシゃあ某方々らあと浅草「一文本店」に行って飲んだがよ。
まずは生ビールで乾杯の練習をして、つきだしとトコロテンをいたたいたがやき。
日本酒の品揃えも多いっちゅうことやったき、メニューをめくりよったら、何と珍しい司牡丹の「かまわぬ」(きもと純米酒)があったき、早速それを注文さいてもうたがよ。
「かまわぬ」を酌み交わしもって、胡麻豆腐や特製焼売をいただきゃあ、杯も箸も止まらんなるっちゅうもんながやき。
ほんで、待ってましたのメイン、ねぎま鍋の登場ながよ!
鍋が煮えるがを待ちゆう間の「かまわぬ」が、旨いこと旨いこと!
杯がガンガン進んで、盛り上がったがやき。
さあ、名物ねぎま鍋が煮えたぜよ!
マグロの筋の脂がトロリと溶けて、ネギの甘味や辛味が絶妙にマッチして・・・こりゃタマラン!旨いぜよ!
さらにそこに、「かまわぬ」をキュッとやりゃあ、思わず「くぅぅぅ〜〜〜っっ!!」っちゅうて声が漏れるばあ絶品の相性やったがよ。
そっから後は、ねぎま、かまわぬ、ねぎま、かまわぬ、ねぎま、かまわぬ・・・と交互にやり続け、食べて飲んで食べて飲んで、こぢゃんと盛り上がったがやき。
ねぎま鍋と「かまわぬ」・・・絶妙に旨い、至高の組み合わせぜよ!
デザートのアイス最中も、冷とうて美味しかったがよ。
浅草「一文本店」、サスガの老舗、御馳走様でしたぜよ!
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司牡丹酒造株式会社