高知工科大学からは、経済マネジメント学群の那須先生と桂先生が出席され、講師の方々は、農林水産省の綱澤幹夫大臣官房研究調整官、中央大学大学院経済学研究科の八幡一秀教授、新潟大学経済学部の岸保行准教授、それにワシの、6名での開催やったがよ。
初対面の講師の先生方と名刺交換をさいてもうて、ご挨拶したがやき。
ほんで、翌日のワシの講演でもちくと話題に出る予定の720ml瓶で2万円の超高級酒、「座(THE)司牡丹」(永田農法・佐川町永野埴生ノ川地区産「山田錦」・純米大吟醸原酒・低温袋吊り搾り)を、1本寄贈さいてもうちょったき、そちらを皆さんに注がいてもうて、このお酒で乾杯したがよ。
「こりゃ凄い！」「美味しすぎる！」「メチャクチャ旨い！」「こんなお酒、初めて飲んだ！」・・・らあの感激の声が、皆さんからあがったがやき。
「前菜」や「お造り」らあをいただきもって、みんなあで「座(THE)司牡丹」を酌み交わし、しばしこの酒の話題で盛り上がったがよ。
そっから後は、ビールらあも交えもって、「鍋物」「煮物」「揚物」らあをいただき、いろんな話題で盛り上がったがやき。
先生方のお話は多岐にわたり、いずれもこぢゃんと学びになったがやけんど、特に新潟大学経済学部の岸保行准教授は、同大学にて「日本酒学」を開講さいた中心人物で、いろいろお話を聴かいてもうて、まっこと勉強になったがよ。
大いに盛り上がる中、締めにゃあ「寿司」が出され、20時半ばあにゃあお開きとなったがやき。
皆さん、まっことありがとうございました！また、那須先生、桂先生、ご馳走さまでしたぜよ！
さてその翌日の28日(日)は、高知工科大学香美キャンパスにて、「2018高知工科大学公開講座・地域活性化システム論」の第3回(テーマ「農業ビジネスおよびスモールビジネス」)が開催されたがよ。
ほんまは、「午前の部」は、8時50分から10時20分までが農林水産省の綱澤幹夫大臣官房研究調整官の講義「地方における農業ビジネス」で、10時30分から12時までが中央大学大学院経済学研究科八幡一秀教授の講演「地域産業振興と中小企業〜持続的な循環型地域づくり〜」やったがやけんど、サスガにワシゃあ欧州出張帰りから間ものうて疲れがたまっちょったき、「午後の部」からの出席にさいてもうたがやき。
「午後の部」の最初は13時から14時20分まで、新潟大学経済学部の岸保行准教授の講演、「日本酒のグローバル展開と新潟大学“日本酒学”の挑戦」やったがよ。
会場にゃあ、工科大学の学生さんや高校生や一般の方々など、約50名ばあの聴講生が集まっちょったがやき。
岸先生のお話は、「日本酒輸出の概略」、「海外日本酒普及に必要な『3M情報』(生産情報・分類情報・適合情報)」、「新潟大学“日本酒学”の挑戦」についてらあやって、ワシにとったち、まっことこぢゃんと学びになったがよ。
従来の日本酒に関連した学問の領域は、東京農大醸造科学科に代表されるように「醸造学」と「発酵学」のみやったけんど、「日本酒学」(Sakeology)じゃあ、「酒米開発」「製品開発」「製造機械・工程の設計」「醸造・発酵」「マーケティング」「流通」「販売」「風土・気候」「酒器・酒唄」「産地呼称」「酒の歴史」「酒と人体」「酒税」らあに至るまで、こぢゃんと多岐にわたっちゅうくが、何ちゅうたち凄いがやき。
また、フランスのボルドー大学ワイン学研究所(ISVV)とも提携し、そちらからも学びを得ようとされゆうっちゅうがよ。
ちなみに「ISVV」は、近年「ワインツーリズム」のコースも開設予定やっちゅうき、まっこと先進的ながやき。
また、ボルドー地域の取り組みとして、2016年に総工費18億円をかけて「ワイン博物館」をオープンさいたっちゅう事例も、紹介されたがよ。
こちらじゃあ、最先端のAI技術を駆使し、五感をフルに使うて体感できるような展示が成されちゅうっちゅうき、まっこと凄いがやき。
続いては、14時30分から15時50分まで、前夜の懇親会にゃあ参加されてなかった、船井総合研究所チーフ経営コンサルタントの楠元武久さんの講演、「農業ビジネスのイノベーションと海外進出の最新事例」ながよ。
まず、日本を代表する大手企業が、続々と農業への参入を始めゆうっちゅうて、三井住友銀行の農業法人設立、パナソニックが新規事業「アグリ・エンジニアリング」参入、トヨタやドコモやJALの農業進出らあについて、紹介されたがやき。
お次は、日本の農林水産物・食品の輸出についてで、伸びゆうようなけんど、実は詳しゅう見たら、野菜・果物は伸びてないっちゅうがよ。
ほんで、実は野菜・果物っちゅう分野じゃあ、輸出で成功しちゅう例は少ないっちゅうがやき。
日本が力を入れゆう超高級果物らあの市場は小さいがやき、高級百貨店やのうて、普通の量販店らあで売られんと旨みはないき、生産段階でも「輸出用大量効率生産」が必要やとか、県や品種で打ち出すがやのうて、現地生産も含めて「日本ブランド」の浸透を図るべきやっちゅうお話らあがあったがよ。
ほんで、日本農業における海外展開の事例として、宮崎県の株式会社くしまアオイファームや、広島県の株式会社村上農園等々の事例が紹介されたがやき。
最後にまとめとして、旨みのある汎用市場に食い込むにゃあ、アメリカや中国と戦えるばあの価格と、何ちゅうたち安定供給が必要で、そのためにゃあ、栽培以降の工程までを含めた新たな産地のデザインが必要であり、そのためにゃあ、農業以外のテクノロジーが必要やっちゅうお話で締め括られたがよ。
楠元さん、豊富な事例を詳しゅうご紹介いただき、まっことありがとうございましたぜよ！
続いては、16時から17時まで、ワシ(高知県酒造組合理事長・司牡丹酒造社長)の講演、「老舗蔵元が語る日本酒の魅力とビジネス展開」ながやき。
まずは前段として、「司牡丹の歴史と由来」らあについて、お話さいてもうたがよ。
ほんで、そっから後は本題で、以下の通りのお話をさいてもうたがやき。
【1】ビジネスにとって一番大切なもんは？
「ヒト」（人材）「モノ」（商品）「カネ」（資金）「ジョウホウ」（技術・ノウハウ・コンテンツ）・・・ちゅうけんど、実はビジネスにとって一番大切なもんは、「顧客」ながよ。
【2】その一番大切な顧客が今求めゆうがは？
●平成30年、「明治維新150年」・・・全ての日本人にとって大きな節目となる重要な年。
●戦後は、「モノの豊かさ」、「物質的な幸せ」→現代は、「心の豊かさ」、「精神的な幸せ」！
【3】司牡丹会社設立100年の意味
●大正7年（1918年）株式会社設立（創業は1603年で415年前）
●一貫して品質のブラッシュアップをベースに、新たな領域に挑戦することで、危機を乗り越えてきた100年間。軟水醸造法・広島杜氏招聘、「村米制度」の兵庫・山田錦獲得、名誉賞受賞、特等酒認定、米不足の戦中も品質を落とさず全国で評判、日本名門酒会の中心銘柄となり地酒ブーム牽引、永田農法・高知県産米、平成蔵建設、等。
●さらなる品質のブラッシュアップをベースに、人々の心が荒廃しゆう現代において、日本酒で「心の豊かさ」や「精神的な幸せ」を提供する！
【4】「意味のイノベーション」
●「心の豊かさ」や「精神的な幸せ」を日本酒で提供するたぁ、日本酒に「意味のイノベーション」を起こすこと！
●「技術のイノベーション」：テクノロジー開発の背中を押す「技術革新」のこと。
「意味のイノベーション」：市場に“新しい意味”をもたらす土壌を創るということ。（参考：「デザインの次に来るもの」〜これからの商品は「意味」を考える〜 安西洋之・八重樫文 著）
●電灯がこればあ普及しちゅうに、ロウソクはなんで今も売れ続けゆうかっちゅうたら、「食事のムードを楽しみたい」っちゅう新たな「意味」に、誰かが気づいてそれを広めたから。つまりロウソクに「意味のイノベーション」を起こしたから！
●日本酒の「意味」の時代による変遷：「神事のための魔法の水」、「神と一体化するためのツール」、「人生儀礼における必需品」、「憂いを晴らす飲み物」、「酔うための道具」、「後輩イジメの定番」・・・そして現在は？「飲みよったらちょっとツウっぽう見える、まあまあ美味しい珍しい飲み物」といった程度。今こそ日本酒に“新しい意味”をもたらす、「意味のイノベーション」が求められゆう！
【5】日本酒に「意味のイノベーション」を！
●日本酒たぁ、料理の素材そのものの良さを、出汁のように下から支え、美味しさを一層引き立ててくれる「食の最高のパートナー」であるっちゅう「意味」。
「旨い酒」には2通り。「一口飲んで旨い酒」と「一口じゃあ物足りんかもしれんけんど、食が美味しゅうなり、ついつい杯が進む酒」。
＜参考＞「日本の食と日本酒・旬の一覧表」
●日本酒たぁ、人間関係を良好にする潤滑油であり、ネットに勝る「最強のコミュニケーションツール」であるっちゅう「意味」。
＜参考＞「日本酒が最強のコミュニケーションツールである理由」
【6】土佐酒ブランドコンセプト「TOSA NAKAMA SAKE」
●近年高知県外や海外でも人気を博す土佐酒の真の強みを、県外や海外の方々にもより分かりやすう伝え、認知していただくことにより、将来的にゃあワインの「ボルドー」や「ブルゴーニュ」に匹敵するような地域ブランドとして確立させたいっちゅう狙い。
●「NAKAMA」の意味：� 崙瓜屐廰◆峩ν�」「シェア」（土佐弁）
�� 「杯をNAKAMA」：土佐ならではの辛口は、何杯でも飲み続けられる！
�� 「食とNAKAMA」：土佐の豊富な山川海の幸の美味しさを引き立てる！
�� 「技をNAKAMA」：造りのデータを共有し、全体がハイレベルに！
�� 「人とNAKAMA」：土佐酒を酌み交わせば、誰でもすぐ仲間！
【7】地域活性化の視点では？
●県外や海外で土佐酒の売上が増えりゃあ、必ず観光客増加や土佐の食材の外商や輸出を後押しする大きな力になる！（県食品輸出のトップは柚子、2位は酒。）
●ワインのAOC（原産地呼称）と同様、日本もGI（地理的表示）が増えていく。その時、農産物はローカルになればなるほど、付加価値の高いものになり、情報発信力はグローバルになる！日本の地方は、付加価値の高い農産物で、世界を相手に商売をする時代になる！
●「日土人（ひとびと）」（純米酒）や「座（THE）司牡丹」という事例。前者は永田農法・四万十町産米で、田植え・稲刈りイベントに四国中から200名！後者は、永田農法・佐川町永野埴生ノ川（はぶのかわ）地区産山田錦（精米歩合35％）純米大吟醸原酒・低温袋吊り搾り・低温瓶貯蔵という究極の「土佐の高知・佐川テロワール」。720ml：20,000円（消費税別）！
ワシの講演終了後は、この日の講師5人をパネリストに、高知工科大学の桂信太郎教授が司会進行を担当し、17時から17時50分まで「地方における農業ビジネスおよびスモールビジネスの可能性」っちゅうテーマで、パネルディスカッションが開催されたがやき。
学生さんや一般の聴講者の方々らあからも、たくさんの質問もあり、こぢゃんと盛り上がったパネルディスカッションとなったがよ。
こうして17時50分にゃあパネルディスカッションは終了し、「2018高知工科大学公開講座・地域活性化システム論」の第3回「農業ビジネスおよびスモールビジネス」は、全講演が終了し、お開きとなったがやき。
ご聴講いただきました皆さん、高知工科大学の先生およびスタッフの皆さん、そして講師の皆さん、まっことお疲れ様でした。ありがとうございましたぜよ！
土佐の高知の日本酒蔵元「司牡丹」の公式ホームページは、こちらをクリック！
司牡丹酒造株式会社
