「おまさんは無心になろうと努めちゅう。つまりおまさんは故意に無心ながよ。それじゃあこれ以上進むはずがないぜよ。」(オイゲン・ヘリゲル)
海外じゃあ日本文化の紹介者として知られちゅうドイツの哲学者、オイゲン・ヘリゲル(1884〜1955)さんの言の葉ながやき。
射撃の名手やったオイゲンさんは、日本で弓道を学んだけんど、何ヵ月経ったち矢を正しゅう放つことができんかったっちゅうがよ。
そんな時に師匠の阿波研造さんから言われたがが、この言の葉やったっちゅうがやき。
弓術はスポーツやあないきに、腕の力やのうて心の力で引くもんながよ。
ほんで無心たぁ心をなくすことやのうて、静かに保つっちゅうことながやき。
つまり、無心になろうっちゅう気持ち自体が、すでに心を乱しちゅうっちゅうことやっちゅう意味ながよ。
弓術に限らんと、勉強やち仕事やち何やち、本当の意味での無心になれりゃあ、実力以上の偉大な力を発揮することができ、大きな結果を残すことができるもんながやき。
けんど、故意に無心になろうと努めちゃあイカンっちゅうくが、なかなか難しい部分であり、深い意味が込められちゅう部分ながぜよ。