
さて一般の方々も入場され、過去最高の130名を超える来場者となったがやき。
受付じゃあ、金高堂さんにお越しいただき、ご来場者の皆さんに講演テキストとして「dancyu」最新号をご購入いただいたがよ。

高知の「おきゃく文化」が紹介されちゅう、昨年12月号も、同時に販売されよったがやき。


ほんで、15時にゃあ長崎理事の司会にて開会し、まずは「土佐学協会」理事長のワシから開会のご挨拶と、講師の「dancyu」編集長の植野広生さんのご紹介をさいてもうたがよ。


さて、いよいよ待望の植野編集長さんの講演、「高知は日本のサン・セバスチャンになれるか!?」がスタートしたがやき。
内容は、以下の通りながよ。

昨日は初めて四万十の方に行ってきましたが、編集部じゃあ「また高知ですか」と言われゆうがやき。
「dancyu」でも、田舎寿司を取り上げ、「おきゃく文化」を取り上げ、「dancyu祭」でも「土佐のおきゃく」を再現(最新号に掲載)したがよ。
これは、「心の癒着」ながやき(笑)。
高知の皆さんから、「おかえり!」と言われるがが、嬉しいがよ。
さて、「dancyu」は、「男子も厨房に入ろう」をコンセプトに1990年12月に創刊した、クッキング、レシピ記事、読物らあを中心に編集されちゅう月刊誌ながやき。
近年は特に雑誌不況と言われ、毎年1割ずつシュリンクしゆう業界で、ワシが編集長に就任して2年、10%伸ばしてきちゅうがよ。

3月の「土佐のおきゃく2019」に参加したけんど、ホンマに素晴らしいイベント!
高知に滞在した26時間中、18時間は飲みっぱなしやったがやき。
「dancyu祭」にて開催した「おきゃく」のアンケートでも、8割近い方々が「高知に行きたい」と書いちょったがよ。
「dancyu」誌にて募集中の「食いしん坊倶楽部」でも、是非高知ツアーを実施したいと考えちゅうがやき。
さて、サン・セバスチャンやけんど、昨年10月に「dancyu」誌の取材ロケで、石原さとみさんとうかごうたがよ。
この地域は、バスク地方と呼ばれ、スペインやフランスらあの国ができる前から存在しちゅう地域で、スペイン領のバスクと、フランス領のバスクがあり、サン・セバスチャンはスペイン領のバスクにあるがやき。
200m四方ばあの市街地に、200軒ばあのバルや星付きレストランらあがひしめきあうように立ち並んじゅうがよ。
山も海も市街地からすんぐ近くにあり、食材や新鮮な魚が豊富で、確かに高知に似いちゅうがやき。
さてそんなサン・セバスチャンのバル・ホッピングを、石原さとみさんと一緒にした訳やけんど、一般的に言われゆう「どのバルに行っても旨い」っちゅうんは、実はウソながよ。
マズイ店もあるがやき。
もちろん美味しい店もいっぱいあって、ちんまいけんど市場のレベルらあて、物凄う高いがよ。

素材の鮮度がえいがはもちろん、スペイン料理らしい美しゅう魅せる盛り付けは、まっこと素晴らしいがやき。
14時に閉まるがが残念やけんど。
バルで人気の飲み物は、チャコリっちゅう微発泡のワインで、これを飲みもって青唐辛子とアンチョビのピンチョスらあをいただきゃあ、もう最高ながよ。
青唐辛子とアンチョビのピンチョスは、伝統的でベーシックで地味な料理やけんど、店によっちゃあ昔のまんまやのうて、伝統を進化さいて、見た目の美しさが素晴らしいがやき。
ベースはバスク料理におきもって、それぞれの店が様々な進化を遂げちゅうがよ。
スペインは缶詰め文化で、イワシの缶詰めが有名ながやけんど、この缶詰めを器にして提供するっちゅうんは、彼らが流行らせたがやき。
イワシ料理の専門店らあでいただけるがよ。
キノコ料理が名物の店とか、肉がメインのバルとか、いろいろあるがやき。
この画像の角煮みたいな料理は、美味しかったがやけんど、おそらく隠し味に醤油を使うちゅうがよ。
他にも、ワサビを隠し味に使うとか、日本料理の調味料や技法らあを取り入れちゅう店もあるがやき。
高知でお馴染みのカメノテらあは、スペインじゃあ高級食材ながよ。
このように、とにかくオールドスタイルあり、専門店あり、進化した店ありで、いろんな店が混在しちゅうき、ハシゴが楽しいがやき。
ほんじゃき、人口わずか18万人ばあの街に、年間200万人もの観光客が押し寄せるがよ。
鮮度のえい食材が豊富で、バルホッピングが楽しゅうて、フランスのヌーベル・キュイジーヌ(「新しい料理」の意)に影響を受けたヌエバ・コッシーナ(ヌーベル・キュイジーヌのスペイン語読み)を作り上げ、そのレシピらあを若い料理人らあが中心となり、みんなあで共有したことが、サン・セバスチャンが美食世界一の街になれた最大の理由やと言われゆうがやき。
また、伝統的に男性が秘密倶楽部みたいにして料理を作り合う「美食倶楽部」が多数存在しちゅうことも、理由のひとつながよ。
さて、山も海も近うて鮮度のえい食材が豊富で、お酒をみんなあでワイワイ飲むのが大好きなサン・セバスチャンは、確かに高知に似いちゅうけんど、ほいたら高知は、日本のサン・セバスチャンを目指すべきながやろうか?
ちなみにサン・セバスチャンにゃあ、既に「世界一の美食の街」っちゅうタイトルが付いちゅうき、今やそのタイトルだっけで人が集まるがやき。
つまり、リピーターを作ろうとせいじゃち、一見客相手だけでも店が成り立ってしまうがよ。
余談やけんど、東京は年間2万軒新しい店が誕生しゆうけんど、そりゃあつまりそれっぱあ店が潰れていきゆうっちゅうことながやき。
サン・セバスチャンじゃあ、一見さんだっけを相手にしたち成り立つっちゅうことは、ベストの料理を出さいじゃち商売が成り立つっちゅうことで、そこから料理の腕を磨いて高みを目指すっちゅうんは、なかなか難しいことながよ。
「タイトルにリスクあり!」っちゅうことながやき。
そこで、「高知は日本のサン・セバスチャンになれるか!?」やけんど、確かに条件や環境は似いちゅうき、なれるかもしれんけんど・・・実はおんなじように「サン・セバスチャンを目指せ!」っちゅう街は、日本中にいっぱいあるがよ。
ちくと話題がズレるけんど、「dancyu」はグルメ雑誌やと言われることが多いけんど、そんな時ゃあ「食いしん坊雑誌です!」っちゅうて訂正さいてもうて、強う打ち出しゆうがやき。
美食を極めるグルメ雑誌やのうて、普通に食を楽しむ提案をしゆう、食いしん坊に向けた提案誌ながよ。
簡単に言うたら、300円の立ち食いの店も3万円のディナーも、おんなじように純粋に楽しめる人が、我々の言う食いしん坊ながやき。
さて、今楽しいところは、果たして10年後も本当に楽しいところやろうか?
今の世の中は先行情報があふれ過ぎちょって、本当にメンドクサイことになっちゅうがよ。
有名シェフの名物料理らあも、店に行く前に情報が入り過ぎちょって、面白うないがやき。
もっと普通に、純粋に美味しい料理を楽しみたいと思わんかよ?
ようインタビューらあで、「今年のトレンド料理はズバリ何ですか?」らあて質問を受けるけんど、「トレンドを追うてないき、分かりません」っちゅうて答えるがよ。
もっと普遍的なもんを求めたいがやき。
人気の寿司屋らあで、「2021年まで予約でいっぱいです」らあて語る店があるけんど、こんなんでえいんやろうかと思うがよ。
「違和感」しかない、そんな店を「dancyu」で紹介したち、何の意味もないがやき。
いかに「違和感」を無くすか、今はそれを真剣に考えるべきやないろうか?
飲食店に行ったとき、食いしん坊代表として、普通のお客として行って、純粋に楽しめたかどうか、空気感らあを見ながら掲載店を選ぶがよ。
えい店たぁどんな店かっちゅうたら、「違和感ゼロの店」やと答えるがやき。
たとえば、2〜3時間飲み食いする時、肘掛けの違和感ひとつでもスゴイ大きいことで、気になってしもうたら楽しさが半減してしまうがよ。
普通のお客様は理屈じゃあ考えんと感覚しかないき、肘掛けが原因やと気づかんかもしれんけんど、「何か居心地が悪い」と感じて、ただ二度とその店にゃあ行かんだけながやき。
今、サン・セバスチャンは、「違和感」だらけながよ。
高知でも「違和感」を感じるこたぁ少のうないがやき。
食いしん坊と飲兵衛の街として、街全体として「違和感」を無くしていくことが、一番大事ながやないろうか?
そして、「お客さん」より「ファン」をつくるべきやと思うがよ。
「お客さん」はモノを買うたら終わりやけんど、「ファン」はモノがのうたち集まってくれるがやき。
ワシも、自分が好きな店にゃあ、「お客さん」やのうて「ファン」として行きゆうがよ。
高知も、「お客さん」やのうて、「ファン」を増やしてもらいたいと思うがやき。
高知は、「ファン」が集まりやすいところながよ。
食を中心とした地域振興じゃとか言うて、東京から有名シェフを呼んで、自分の地域の食材を使うた料理を作ってもうたりっちゅうイベントが、日本中アチコチで開催されゆうけんど、こんなイベントじゃあ「お客さん」しか集まらん、「ファン」は集まらんがやき。
高知は、「酒を飲む」っちゅう文化で人が集まり大産業になっちゅう、稀有な地域ながよ。
「土佐のおきゃく」は、8.8億円の経済効果があるっちゅうやいか!
「酒を楽しむ文化」が本当に素晴らしい地域で、こんな地域、他にどこっちゃあないがぜよ!
「dancyu」でも、この「土佐のおきゃく文化」を紹介しとうて、日本中に広めとうて、昨年末に「楽しい宴会」特集を組んだがやき。
この食いしん坊を笑顔にする宴の文化は、日本の原点、原風景やないろうか!
この文化が日本中に広まりゃあ、まっと日本に笑顔が広がるはずながよ!
ほんで、高知の一番凄いところは、突き詰めりゃあ「人」ながやき!
県外から高知に来て、「ひろめ市場」で1人で飲みよったら、隣のオンチャンが「おまん、どっから来たぜよ?」っちゅうて話しかけてきて、コレ食え、コレ飲めっちゅうて、結局一緒になって盛り上がるっちゅうパターンがようあるろう。
「1人で来ても楽しい!」っちゅうんは、「人」の素晴らしさながよ。
こりゃあサン・セバスチャンにもない強みながやき!
「高知は日本のサン・セバスチャンになれるか!?」やのうて、逆に「サン・セバスチャンはスペインの高知になれるか!?」っちゅうて言うたちえいばあながよ!
今のサン・セバスチャンの状況を見りゃあ、高知はサン・セバスチャンを目指すがやのうて、「世界一の美味しい田舎」でえいがやないかと思うがやき。
ある地域が世界遺産になった途端にドンドン人が入ってきて、遺産的なもんがガンガン崩れていくらあて、まっこと「違和感」しかないがよ。
サン・セバスチャンやち、そうなってしまう可能性があるがやき。
けんど、「人」はどんなことがあったち、「人」は「人」ながよ。
天候らあも関係ないろうがよ!
すぐみんなあ、誰やち仲間になれるっちゅう素晴らしい文化を、街全体として醸成できたとしたら、こりゃあ凄いことになるはずながやき!
高知は、まずはそんな文化で日本中に「ファン」をつくり、そっから世界を目指しゃあえいがぜよ!
こうして、アッちゅう間に1時間が過ぎちょって、拍手喝采の中、植野編集長さんの講演は終了したがよ。
この後は、ちくと休憩をはさんで引き続き、「美味しくなければ始まらないが、美味しいだけでは売れない」っちゅう演題で、前日本銀行高知支店長・現日本銀行欧州統括役の、河合祐子さんのビデオ講演ながやき。
まずは、河合さんが高知支店長を務められた2年間の思い出の画像が流され、長崎理事から解説が付け加えられたがよ。


まっことたった2年間やったたぁ思えんばあ、あらゆるイベントにご参加いただけたことが、よう分かったがやき。
さて、いよいよ河合さんのビデオ講演ながよ。
まずはご自身の自己紹介から入られ、内容についちゃあ、だいたい以下の通りやったがやき。

サン・セバスチャンは、美食っちゅうだっけで世界中から人が集まる街やけんど、実は高知どころやないばあ不便な場所にあり、さらに意外に英語が通じんし、おまけに雨が多いときちゅうがよ。
名物料理は、意外にシンプルなもんが多うて、つまり素材が勝負の料理ながやき。
そんな料理を出すたくさんのバルがあり、地元の人らあが楽しみもって、地域のコミュニティを支えちゅうがよ。
料理は鮮度が良うて美味しゅうて、地元の人らあはめっちゃフレンドリー!
何か、高知にそっくりやと思いませんか?
実際、サン・セバスチャンにある食材は、ほとんどが高知にもあるがやき。
ただ高知と違うがは、情報発信の点ながよ。
無理に作った情報やのうて、外から分かりやすい情報発信が成されゆうっちゅう点ながやき。
成功例にゃあ、素材勝負だけやのうて、工夫がつきものながよ。
素人にも分かる、かつキチンと説明になっちゅう短い言葉で情報発信せにゃあイカンっちゅうことながやき。
こういう説明をしてくれりゃあ簡単に選べるっちゅう、そんな情報ながよ。
ほんで後は、「誰に」「何を」「いくらで」売るかが重要ながやき。
高城剛さんの著書、「人口18万の街がなぜ美食世界一になれたのか〜スペイン サン・セバスチャンの奇跡〜」(祥伝社新書 2012年7月10日発行)は、内容も素晴らしいがやけんど、オビの言葉「ゆるキャラとB級グルメでは、世界の観光客は集まらない!」も、まっことおっしゃる通りで素晴らしいがよ。
ターゲットは誰で、彼らの欲しがるもんは何かを、徹底的に考えにゃあイカンがやき。
ほんで適正価格はどうやって決めるかっちゅうたら、誰なら買うてくれるかを考えて決めるっちゅうことながよ。
情報は努力せにゃあ取れんけんど、努力すりゃあ取れる時代やき、頑張って情報を取らにゃあイカンがやき。
思考、行動、分析、修正・・・「地方は自分で考えろ!」は、高知県在住のデザイナー梅原真さんの言葉やけんど、まさにそういうことながよ。
高知県の宝物ともいえる伝統食のレシピ本を復刊さいた「ふるさとの台所」を活用し、いろんな事業を展開されゆう「株式会社わらびの」の畠中智子さんの活動らあは、こぢゃんと期待しちゅうがやき。
要するに、正しい人に、正しいモノを、正しい説明で、正しい価格で提供することが重要やっちゅうことながよ。
わずか15分ばあのビデオ講演の中に、理論的かつ情熱的な言葉がテンコ盛りで、全くメモが追いつかんかったけんど、だいたいこんな感じの内容やったがやき。
河合さん、わざわざのビデオ講演、まっことありがとうございましたぜよ!
会場は、再び割れんばかりの拍手喝采で、ロンドンまで届きそうなばあやったがよ。
この後は、植野編集長さんを交えての質疑応答・ディスカッションで、こちらもこぢゃんと盛り上がったがやけんど、こちらについちゃあ明日のブログの「後編」に譲らいていただきますぜよ。
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