10時半から12時までの90分の講義で、今年の1月21日(月)に同様に開催さいてもうたワシの講義とタイトルも内容もおんなじながやけんど、今回出席の経済・マネジメント学群の3年生の生徒さんらあ約30名は、1月に参加された生徒さんたぁ全く被ってないっちゅうことやったき、前回とおんなじタイトルと内容の第2回として開催さいてもうたがよ。
ワシの講演「日本酒に『意味のイノベーション』を起こす！」の内容は、だいたい以下の通りやったがやき。
【1】ビジネスにとって一番大切なもんは？
「ヒト」（人材）「モノ」（商品）「カネ」（資金）「ジョウホウ」（技術・ノウハウ・コンテンツ）・・・ちゅうけんど、実はビジネスにとって一番大切なもんは、「顧客」ながよ。(ケーキ作りが得意な主婦がケーキ屋をオープンする際の事例。)
【2】その一番大切な顧客が今求めゆうがは？
●平成30年、「明治維新150年」・・・全ての日本人にとって大きな節目となる重要な年やった。
●戦後は、「モノの豊かさ」、「物質的な幸せ」→現代は、「心の豊かさ」、「精神的な幸せ」！
【3】司牡丹会社設立100年の意味
●大正7年（1918年）株式会社設立（創業は1603年で415年前）
●一貫して品質のブラッシュアップをベースに、新たな領域に挑戦することで、危機を乗り越えてきた100年間。軟水醸造法・広島杜氏招聘、「村米制度」の兵庫・山田錦獲得、名誉賞受賞、特等酒認定、米不足の戦中も品質を落とさず全国で評判、日本名門酒会の中心銘柄となり地酒ブーム牽引、永田農法・高知県産米、平成蔵建設、等。
●さらなる品質のブラッシュアップをベースに、人々の心が荒廃しゆう現代において、日本酒で「心の豊かさ」や「精神的な幸せ」を提供する！
【4】「意味のイノベーション」
●「心の豊かさ」や「精神的な幸せ」を日本酒で提供するたぁ、日本酒に「意味のイノベーション」を起こすこと！
●「技術のイノベーション」：テクノロジー開発の背中を押す「技術革新」のこと。
「意味のイノベーション」：市場に“新しい意味”をもたらす土壌を創るということ。（参考：「デザインの次に来るもの」〜これからの商品は「意味」を考える〜 安西洋之・八重樫文 著）
●電灯がこればあ普及しちゅうに、ロウソクはなんで今も売れ続けゆうかっちゅうたら、「食事のムードを楽しみたい」っちゅう新たな「意味」に、誰かが気づいてそれを広めたから。つまりロウソクに「意味のイノベーション」を起こしたから！
●日本酒の「意味」の時代による変遷：「神事のための魔法の水」、「神と一体化するためのツール」、「人生儀礼における必需品」、「憂いを晴らす飲み物」、「酔うための道具」、「後輩イジメの定番」・・・そして現在は？「飲みよったらちょっとツウっぽう見える、まあまあ美味しい珍しい飲み物」といった程度。今こそ日本酒に“新しい意味”をもたらす、「意味のイノベーション」が求められゆう！
【5】日本酒に「意味のイノベーション」を！
●日本酒たぁ、料理の素材そのものの良さを、出汁のように下から支え、美味しさを一層引き立ててくれる「食の最高のパートナー」であるっちゅう「意味」。
「旨い酒」には2通り。「一口飲んで旨い酒」と「一口じゃあ物足りんかもしれんけんど、食が美味しゅうなり、ついつい杯が進む酒」。
＜参考＞「日本の食と日本酒・旬の一覧表」
(高知県ファンの「dancyu」植野編集長さんのお話など。)
●日本酒たぁ、人間関係を良好にする潤滑油であり、ネットに勝る「最強のコミュニケーションツール」であるっちゅう「意味」。
＜参考＞「日本酒が最強のコミュニケーションツールである理由」
【6】土佐酒ブランドコンセプト「TOSA NAKAMA SAKE」
●近年高知県外や海外でも人気を博す土佐酒の真の強みを、県外や海外の方々にもより分かりやすう伝え、認知していただくことにより、将来的にゃあワインの「ボルドー」や「ブルゴーニュ」に匹敵するような地域ブランドとして確立させたいっちゅう狙い。
●「NAKAMA」の意味：(1)「同志」(2)「共有」「シェア」（土佐弁）
�� 「杯をNAKAMA」：土佐ならではの辛口は、何杯でも飲み続けられる！
�� 「食とNAKAMA」：土佐の豊富な山川海の幸の美味しさを引き立てる！
�� 「技をNAKAMA」：造りのデータを共有し、全体がハイレベルに！
�� 「人とNAKAMA」：土佐酒を酌み交わせば、誰でもすぐ仲間！
【7】地域活性化の視点では？
●県外や海外で土佐酒の売上が増えりゃあ、必ず観光客増加や土佐の食材の外商や輸出を後押しする大きな力になる！（県食品輸出のトップは柚子、2位は酒。）
●ワインのAOC（原産地呼称）と同様、日本もGI（地理的表示）が増えていく。その時、農産物はローカルになればなるほど、付加価値の高いものになり、情報発信力はグローバルになる！日本の地方は、付加価値の高い農産物で、世界を相手に商売をする時代になる！
●「日土人（ひとびと）」（純米酒）や「座（THE）司牡丹」という事例。前者は永田農法・四万十町産米で、田植え・稲刈りイベントに四国中から200名！後者は、永田農法・佐川町永野埴生ノ川（はぶのかわ）地区産山田錦（精米歩合35％）純米大吟醸原酒・低温袋吊り搾り・低温瓶貯蔵という究極の「土佐の高知・佐川テロワール」。720ml：20,000円（消費税別）！
こうして無事ワシの講演は終了したがやき。ご聴講ありがとうございました！
ほいたら最後に、生徒の皆さんからいただいたアンケートの中から、悦びの声の一部を掲載さいていただきますぜよ。
●日本酒を飲んでみたい！と強く感じるようになりました。私は、あまり日本酒を飲んだことがないのですが、旬がある、旬の食事と合うなど、非常に興味を持ちました。ありがとうございました！
●「地域」やそこに根ざした産業が抱える問題の構造は複雑で、それを解決し波及効果をもたらし、なおかつステークホルダーに対して「win-win」の関係をつくり出すことは、とても難しい。しかし本日の講演を受けて、司牡丹を例にとった「意味のイノベーション」は、これらをプロジェクトとして行う際のヒントになると感じた。
●今まで、お酒はお酒、食事は食事と分けて考えていたため、ビールやチューハイばかり飲んでいましたが、今回のお話を聞き、食とお酒を組み合わせて、旬・四季を楽しもうと思いました。また、旬の食材について興味をとても持ちました。
●日本酒は、飲酒するようになったばかりの頃は、悪酔いするし美味しいと思えなかった。しかし、最近になって日本酒にもそれぞれ個性があって、料理と一緒にチビチビ飲むのがとても好きになった。だんだん美味しさが分かるようになると、飲み比べしたり、銘柄を調べたりするのがとても楽しくなり、その中で司牡丹にも出会った。個人的には流行りの甘めのお酒が主に好みだが、司牡丹の「自由は土佐の山間より」を飲んだ時、こんなにも料理の邪魔をせず、料理の美味しさを引き立てるお酒があったのかと、衝撃を受けたことを覚えている。高知の料理・風土に合ったお酒を、伝統を大切にしながら、これからも造り続けてほしいと思う。
●全然日本酒を飲んだこともなく、知識もないですが、今回お話を聞いて、色々なことを知ることができて、面白かったです。アユやサンマなどと一緒に日本酒を飲んで食べるのは、美味しそうだなと思いました。まずは日本酒が飲めるようになりたいと思います。そしたら、もっと飲み会などが楽しめるようになりそうだと思いました。
●「イノベーション」と聞くと技術系のことを思い浮かべますが、「意味のイノベーション」のお話を聞いて、既存のものは「意味のイノベーション」を起こす、気づくことが大切なことが分かりました。また、季節によって旬の日本酒があることを初めて知りました。日本の食と日本酒の旬について、もっと気にしながら食事をとってみようと思いました。
●今日の講義を聞いて、日本酒のことを詳しく知れてよかったです。日本酒は最強のコミュニケーションツールだということが分かりました。お酒を通して仲良くなったり、交流が広がるので良いなと思いました。お酒は悪いことばかりじゃないんだなと思いました。さらに、日本酒はストレス解消効果や、老化を防ぎ若さを保つ効果が高いと聞いて驚きました。これからお酒を飲む機会が多くなるけど、飲みすぎには気をつけていきたいです。今日はありがとうございました。
●今まで日本酒に対して、おいしそうだというイメージを持っていなかったが、甘くて飲みやすい日本酒があることを知り、是非飲んでみたいと思った。また、「意味のイノベーション」のお話の際に話していただいた「ロウソクが今でも売れ続けている理由」のお話はとても納得でき、「意味のイノベーション」の理解につながった。
●お酒をよく飲みますが、日本酒は数回しかありませんでした。自分の中で、アルコールは好きだけど、体に良いイメージは全くありませんでした。けれど、日本酒にはストレスの解消効果や老化を防ぎ、若さを保つ効果があるということを知って、日本酒もこれからたくさん飲んでいこうと思いました。季節ごとの旬の日本酒一覧表を活用して、それぞれを楽しもうとも思えました。ありがとうございました。
●貴重な話をありがとうございました。自分の実家は高知の田舎で食品製造業を経営しているのですが、将来的に継ぐ自分としてはとってもためになる話でした。特に「意味のイノベーション」の、モノの意味を再確認することで、モノが意味を持って人々の手に渡り、需要を高められる考え方を学べて良かった。自分も、モノを売る際、そのモノの意味をしっかりと考えて売っていきたいです。他にも、人材、カネ・・・などの中で、一番大事なのは顧客だ、という話を、もっと深く、なぜなのか？という話を聞きたかったです。自分はビールはあまり飲めないのですが、お酒は大好きなので、今日聞いた春夏秋冬の日本酒の飲み方を実践して、楽しみたいです。どうもありがとうございました。
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司牡丹酒造株式会社
