2019年09月22日

幸せの言の葉〈1289〉

「この世にあるもんで、一つとして過ぎ去らんもんは無いがやき、せめてそん中で、誠を残したいがぜよ。」(島崎藤村)


ロマン主義詩人として活躍後、小説家に転じ、日本を代表する自然主義作家となった、島崎藤村(1872〜1943)さんの言の葉ながやき。


確かに、この世の中に存在しちゅうもんで、永遠にそのまんま存在できるもんらあて何一つないし、全ては過ぎ去っていく運命にあるがよ。


まさにこの世は諸行無常ながやけんど、ほいたらどうせ何ちゃあ無いなるがやき、何をやったち一緒やっちゅうて、好き勝手なことばっかりやらいてもらうっちゅう考え方は、そりゃあ違うと、かの島崎藤村さんは語るがやき。


この世の中は、諸行無常であり、何一つ永遠らあて無いし、全ては過ぎ去っていく運命にあるきにこそ、ほんじゃきにこそ、そんな無常の世の中に、「誠」を残したいたぁ思わんかよと、藤村さんは語りかけてくるがよ。


ほんの一時でもこの世の中でキラリと光る「誠」を残すことができりゃあ、たとえ全ては過ぎ去っていく運命にあったとしたち、その「誠」自体は消えて無いなってしもうたとしたち、その「誠」が生んだ別の「誠」が、さらにその「誠」が生んだ別の「誠」が・・・ちゅう具合に、変わりゆく中やち連面と「誠」が受け継がれていくことができるかもしれんがやき。


そんな「誠」が、もしかしたら永遠になるかもしれんとしたら、何と素晴らしいことやと思わんかよ。




Posted by tsukasabotan at 09:00│Comments(0)