さて、本日12月30日(月)は、司牡丹の令和元年の最終営業日ながやき。
いよいよ令和最初の年末も、残すところ本日含めあと2日。
皆様の年末と、新年の1年間が輝かしいもんになりますように祈念し、まずは縁起がえい「酒林(さかばやし)」の画像を掲載さいていただきますぜよ。
「酒林」は、「栄える」に通じるき、こぢゃんと縁起がえいとされちゅうがよ。
ちなみに司牡丹の「酒林」は、毎年11月上旬ばあの新酒を搾りはじめる頃に、新しいがを蔵人らあが手作りして、大きい方を玄関の上に、ちんまい方を玄関の横に吊るしゆうがやき。
近年、ホンモノの「酒林」を手作りしゆう蔵も少のうなってきたけんど、これっぱあ巨大な「酒林」を吊るしゆうくらあ、さらに少のうなっちゅうようながよ。
ほんじゃき、縁起の良さも大きさに合わせて、倍増間違いなしっちゅうことながやき。
さて、ここでこの1年間を振り返り、来るべき新年に向けて、令和元年末時点でワシが考えちゅうこと・・・司牡丹酒造社長として、そして高知県酒造組合理事長として考えちゅう、進むべき方向性らあについて、ちくと語らいていただきますぜよ。
今年度(令和元年10月〜令和2年9月)の司牡丹酒造の「メインテーマ」は、「心が透けて見える時代!明るい未来が描ける、子孫に誇れる仕事を成そう!!」っちゅう言葉を掲げさいてもうちゅうがやき。
まず「明るい未来が描ける、子孫に誇れる日本酒業界にするために」についちゃあ、日本名門酒会加盟店のための情報紙「司牡丹時報(ボタンタイムス)」Vol.65(令和元年10月発行)の「巻頭提言」の内容と同じながよ。
その内容は、おおよそ次の通りながやき。
現在の日本酒業界は、かつての日本酒度マイナスの甘口酒をはるかに超える、グルコース濃度が極めて高い甘い酒だらけになっちゅうがよ。
こりゃあ、甘い酒の方が、全国新酒鑑評会を筆頭とする様々な審査会で、賞を獲りやすいきながやき。
ブラインドでの利き酒審査じゃあ、グルコース濃度の高い甘い酒の後にグルコース濃度の低い辛口の酒が来たら、「みうすい」らあの悪い評価がつきやすい(高知県にて実験し確認済み)き、辛口は極めて不利になっちゅうがよ。
また、グルコース濃度の高さは、ちんまい欠点らあをマスキングする効果もあるきに、年々出品酒のグルコース濃度は高うなりゆうがやき。
ちなみに、平成22年と29年の比較を例に挙げりゃあ、まずグルコース濃度2%以上の酒の鑑評会出品酒における比率は、22年が36%やったがが29年にゃあ74%に跳ね上がっちょって、金賞受賞酒にいたっちゃあ50%から何と92%にまで跳ね上がっちゅうがよ。
しかもこの傾向は、全国新酒鑑評会のみならず、他の様々なあらゆる品評会や審査会らあに飛び火しちょって、今やどんな審査会やち賞を獲るにゃあグルコース濃度の高い甘い酒やないとイカンっちゅうて言われゆうがやき。
さらに、これが一番の問題ながやけんど、それが市販酒にまで飛び火して、市販酒がドンドン甘うなっていきゆうがよ。
しかも、そういうタイプの酒だっけが「良い酒」やっちゅう誤解まで生じはじめちゅうがやき。
つまり、日本酒最大の魅力である「地域の個性」が、失われつつあるがよ!
かつて辛口ブームのときに全国各地の日本酒が個性をかなぐり捨てて一斉に辛口に走ったがと同様に、今またグルコース甘口に一斉に走りゆうがやき!
どんな業界やち常識やけんど、全体の同質化は全体の地盤沈下につながるがよ!
確かに、元々1杯しか飲めんような若者にゃあ、「一口飲んで旨い!」っちゅうグルコース濃度の高い甘い酒がえいろうけんど、このタイプは「もう1杯!」たぁなり難うて、和食や、特に刺身らあにゃあ合わんき、料理も進まんなるがやき。
「一口じゃあ物足りんけんど、料理が美味しゅうなり、ついつい箸も杯も進む」っちゅう辛口酒の良さが、伝わらんなってしもうちゅうがよ。
これが、日本酒が人気やと言われもって、いつまで経ったち業界全体が低迷し続けて底打ちせん、大きな原因になっちゅうがやないかよ!
このままじゃあ、日本酒業界はさらに深い深い闇の底に沈んでいってしまうぜよ!
賞を獲るためだっけの日本酒、地域の歴史や伝統、地域の食文化と切り離された日本酒にゃあ、地盤も根っこものうて、その先の未来らあないがやき。
真に明るい未来が描ける、子孫に誇れる日本酒業界たぁ、日本全国の蔵元が、それぞれの地域の歴史や伝統、地域の食文化と今一度しっかりと結びつきを深め、それぞれの地域の風土を具現化したような個性あふれる日本酒を、地域の食の美味しさを引き立てるような日本酒を醸し、百花繚乱、綺羅星のごとく、群雄割拠全国各地に並び立っちゅうっちゅう、そんな姿をした日本酒業界やないがかよ!
さてお次は、「心が透けて見える時代」についてで、こちらも日本名門酒会加盟店のための情報紙「司牡丹時報(ボタンタイムス)」Vol.66(令和元年12月発行)の「巻頭提言」の内容と同じながよ。
「モノの豊かさ」より「心の豊かさ」を求める人間が圧倒的に増加したことにより、また、あらゆるモノがインターネットで繋がることにより、人の心も影響を受けやすう、繋がりやすうなったっちゅうことながやき。
また、世の中のあらゆるコトやサービスが、必要以上に便利になり過ぎたことの弊害もあるがよ。
例えば、コンビニのレジにチョビッと行列が並んだだっけで、怒りの心が剥き出しになったりするがやき。
あちこちでこんな剥き出しの怒りの心が影響し、負の連鎖を生み出したりもするがよ。
つまり、人の心が影響を受けやすう、繋がりやすうなったことにより、えいことも悪いことも、直ぐに連鎖し、広がりやすうなっちゅうがやき。
そんな時代にゃあ、顧客都合を無視した企業の自社都合らあ、なんぼ隠したところで、なんでか顧客に透けて見えてしまう時代やっちゅうことながよ。
悪いことが透けて見えるだっけやのうて、えいことも透けて見えるき、真摯に真面目に正直に、たとえ不器用やち本気でお客様のためを想うての行動は、その心が必ず伝わる時代やっちゅうことながやき。
ほんじゃき、電話1本、商談1件、瓶詰め1本、造り1本・・・ワシらあの全ての仕事は、食の美味しさを引き立てる日本酒、「一口じゃあ物足りんかもしれんけんど、食が美味しゅうなり、ついつい杯が進む酒」である辛口酒の素晴らしさをしっかりと伝え、土佐の辛口酒の人気を復権させることに繋がっちゅうがよ。
必ずや辛口酒復活の時代は来るがやき!
つまり、ワシらあがいま行いゆう全ての仕事は、明るい未来が描ける、子孫に誇れる会社になることに、ひいては明るい未来が描ける、子孫に誇れる日本酒業界になることに、しっかりと繋がっちゅうがぜよ!
司牡丹酒造としても、高知県酒造組合としても、およそこんな方向に向けて進んで行こうと考えちゅうがよ。
さらに美味しい辛口としてブラッシュアップした、来年の司牡丹を、来年の土佐酒を、皆さん楽しみにしちょいてくださいや!
ほいたら最後に、皆様の新年がさらにさらに輝かしいもんになりますように、司牡丹の本社前の門松の画像も、掲載さいていただきます。
近年、なかなか本物の門松も、見かけることが少のうなってきたきのう。
司牡丹が、土佐酒が、「食の美味しさを引き立てる辛口酒」が、大きな一歩を記す新年となりますよう、そして皆様にとって輝かしい新年となりますよう、心からお祈り申し上げますぜよ!
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司牡丹酒造株式会社