
まず著者の八木さんについてやけんど、1968年に渡米され、最初はアメリカンダイナーズレストラン「103」をニューヨークにオープンし、まだ無名やったマドンナやアンディー・ウォーホルやキース・ヘリングらあの、新進のアーティストらあが通う人気店に育て上げた方ながやき。

その後、1984年に江戸前鮨の専門店「波崎」を皮切りに、しゃぶしゃぶ専門店「しゃぶ辰」、日本酒レストラン「酒蔵」、日本酒バー「でしべる」、手打ち蕎麦「蕎麦屋」、醤油ラーメン「来々軒」、抹茶の和カフェ「茶庵」・・・らあを次々とオープンし、現在17店舗を経営する、TICレストラングループの代表取締役社長を務められゆうがよ。
さらに八木さんは、2009年にゃあNPO法人FBOおよびSSI(日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会)から「名誉きき酒師」の称号を授与され、2017年にゃあ農水省からの日本食海外普及功労者表彰を受章され、2019年にゃあ日本食普及功労者として旭日双光章を授与されちゅうがやき。
それぞれのお店のレベルも高うて、特に「酒蔵」は、ニューヨークで最も歴史のある日本酒レストランであり、しかも世界中で活躍されゆうたくさんの優秀な卒業生を輩出しちゅうがよ。
現在ニューヨークで酒PRエージェンシー「SAKE DISCOVERIES」代表として活躍されゆう新川智慈子さんや、香港でSAKE BAR「吟」を経営し「酒サムライ」に叙任されちゅう百瀬あゆちさんも、「酒蔵」の卒業生ながやき。
さらに、「ミシュランガイド東京2017」で一ツ星を獲得した日本料理店「築地すず木」のオーナーシェフ・鈴木秋信さんも、「酒蔵」の料理長を務められよったがよ。
また「でしべる」は、店名からも分かるように音楽がウリの日本酒バーで、オープン当初から若者に大人気の行列店やったがやけんど、それから25年以上になる現在でも、若者たちで連日満席状態やっちゅうがやき、こりゃあスゴイことながやき!
ちなみに「でしべる」じゃあ、以前ワシがお土産として置いていった土佐のお座敷遊びの可杯(べくはい)が、来店する若者たちに大ウケで、「可杯」遊びをやりもって「船中八策」(超辛口・純米酒)をガンガン酌み交わして大盛り上がりやっちゅうがよ!
そのきっかけは、平成26年に開催された「でしべる」の20周年パーティやったがやき。
そんときに、8月の2日間に渡り「20周年パーティ・可杯ナイト」を開催したらしいがやけんど、何と2日間で「船中八策」が57本(720ml)出て、過去最高の大盛り上がりやったらしゅうて、以来「可杯」が定着しちゅうっちゅうがよ。

近い将来、「BEKUHAI」が、ニューヨークのトレンドになるかもしれんがぜよ!
さて、長い前置きはこのへんにして、本書の内容やけんど、まず第1部は、八木さんがお薦めする50銘柄の日本酒を、八木さんならではの視点で、1蔵1蔵詳しゅう紹介されちゅうがやき。
5つのテーマが掲げられちょって、まず「米と水と酵母の力」っちゅうテーマで、「龍力」や「新政」等の11蔵。

次に「杜氏の技術、手間をかけた仕込」っちゅうテーマで、「出羽桜」や「大七」等の10蔵。
続いては「バラエティに富む日本酒の世界」っちゅうテーマで、「賀茂泉」や「月の桂」等の9蔵。
お次は「欧米での高い評価」っちゅうテーマで、「南部美人」や「一ノ蔵」等の12蔵。
最後に「地域の歴史と文化を背負って」っちゅうテーマで、「司牡丹」や「黒龍」等の8蔵が紹介されちゅうがよ。
「司牡丹」についちゃあ、世界初の「土佐宇宙酒」についてや、「船中八策」のキレ味の鋭さに度肝を抜かれた話や、坂本龍馬さんとの縁についてや、司牡丹の歴史や由来、「酒ギャラリー ほてい」らあについてまで、3ページ半に渡って紹介されちゅうがやき。

八木さん、まっことありがとうございますぜよ!
第二部は、「世界に日本酒を広めるための7つの戦略」っちゅう内容で、もちろん一般の方々が読んでも面白いがやけんど、特に業界関係者の方々は、必読の内容となっちょって、ワシゃあこぢゃんと学びになったがよ。
詳しゅうは、是非本書をお読みいただきたいがやけんど、以下にその7つの戦略のタイトルだっけ、ご紹介さいていただきますぜよ。
〈その1〉世界のトレンド発信基地NYに醸造所を造る
〈その2〉日本酒にアメリカ人が関心を持つ仕掛け作り
〈その3〉世界各地のクラフトSAKEが売れるように応援する
〈その4〉卒業生を世界各地に送り出し日本酒関連事業への従事を応援する
〈その5〉アメリカ人の料理人をスカラシップで日本へ送る
〈その6〉「JOY OF SAKE」をNY、ホノルル、東京で開催して日本酒の知名度アップに貢献
〈その7〉世界の乾杯酒を目指す「awa酒」の応援
今は、コロナ禍で世界中が大変なことになっちゅうけんど、コロナが去った後、世界のビジネスエリートの方々が、「教養として日本酒を知りたい!」っちゅうて大注目する時代が到来し、この書籍がそのバイブルとなることを、心からお祈り申し上げますぜよ!
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司牡丹酒造株式会社