司牡丹じゃあ、毎年その年の一番最初の新酒が搾られる頃に、玄関の「酒林」を新しいもんに入れ替えるがよ。
ちなみに「酒林」たぁ、「酒甫手(さかぼて)」と言うたり、「杉玉(すぎだま)」と言うたりもするけんど、杉の葉で作られた酒造場のシンボルながやき。

ワラの芯を作って、そこに杉の葉を大量に突き刺していき、最後に丸く刈り込んで完成するがよ。
昔っから杉は、お酒の神様の御神体とも言われよったき、今年も安全に美味しいお酒が醸されますようにっちゅう祈りを込めて、毎年青々とした「酒林」が、新たに軒に吊るされるがやき。

吊るした当初は、このように青々とした緑色やけんど、日が経つにつれて次第に茶色うなっていくがよ。
緑色が新酒を搾りはじめた合図で、「酒林」が茶色うなるに従うて、お酒も熟成していくっちゅうことながやき。
ちなみに、令和2酒造年度の司牡丹の一番最初の搾りは、この日から3日後の11月9日やったがやけんど、11月6日が大安やっちゅうことで、この日に吊るし替えることになったがよ。
ほいたら、ちょうど別件で取材中やった高知新聞の記者さんが、この翌日の11月7日が二十四節気の「立冬」やき、季節感のある風物詩になるっちゅうことで、取材写真を撮ってくださったがやき。


ほいたら、11月7日の高知新聞朝刊の、何と第1面にカラーでドカンと掲載されちょって、まっことビックリやったがよ。
高知新聞さん!ありがとうございますぜよ!
さて、作業としちゃあ、まずは玄関看板下のメインの大玉の「酒林」を吊るし替え、そこに「寿」の熨斗を付けて、大玉の完成ながやき。

続いては小玉の方を吊るし替えて、こちらも「寿」の熨斗を付けて完成ながよ。


さあ、令和2酒造年度の酒造りも、これからいよいよ本番に入っていくがやき。
今年はコロナ禍で、まっこと日本酒業界は未曾有の危機にさらされちゅうけんど、辺り一面に漂う「新・酒林」の清々しい杉の薫りを匂いよったら、背筋がシャッキと伸びて、凛とした気概が湧いてくるき、不思議なもんながよ。


ちなみに、「酒林」にゃあ「栄える」っちゅう意味もあるきに、一般の皆さんにとったち、こぢゃんと縁起がえいがやき。
是非皆さんも、司牡丹玄関に吊るされちゅう縁起のえい「新・酒林」の、清々しい杉の薫りを匂いにお越しくださいや!
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司牡丹酒造株式会社