2月10日(木)は13時半から、日本酒造組合中央会主催で組合員(メーカー)向けに、オンラインウェビナー「酒類流通現場からの提言」の第2回がZOOMを使うて開催され、テーマは「業務用市場の現状と展望」で、株式会社流通情報企画代表の小島稔さんをファシリテーターに、株式会社佐々木酒店社長の佐々木実さん(大手業務用の視点)、株式会社いまでや社長の小倉秀一さん(和酒専門業務用の視点)、料飲店アドバイザーの森隆さん(料飲店の視点)の3名の方々が講師やったがやき。
ほんで、前半のお2人、佐々木酒店の佐々木社長さんと、いまでやの小倉社長さんの講演についちゃあ、昨日のblog & Facebookのとおりやったがよ。
今回は、その続きの第3講、料飲店アドバイザーの森隆さん(料飲店の視点)の講演ながやき。
森さんといやあ、ワシにとっちゃあ、もう20年以上の付き合いになる、日本酒業界の同志ながよ。
かつて神田にあった名店「夢酒」の頃から、こぢゃんとお世話になっちょって、何ちゅうたち開店してもう18年ばあになる有楽町の「酒蔵レストラン 宝」の、あの東京国際フォーラムっちゅう場所を一番最初に下見に行って、同店オープンのきっかけをつくったがも、森さんとワシの2人やったがやき。
そんな森さんも、長年勤められた株式会社minacia(旧・株式会社フォーブス)をこの度退職され、今新たな旅立ちに向けて充電中やっちゅうことで、肩書きが料飲店アドバイザーになっちゅうがよ。
ちなみに森さんたぁ、ファシリテーターの小島さんも30年来の付き合いやっちゅうことで、ご紹介があったがやき。
さて、森さんからは、画像を紹介しもってお話があったがよ。
まずはやっぱし、「酒蔵レストラン 宝」からの紹介で、今回森さんは現在コロナ禍で休業中のそちらのお店からZOOMにて参加されちょったがやき。
「宝」は、東京国際フォーラムの地下に2003年オープンの、120席ある大箱店ながよ。
日本名門酒会の9蔵元と日本名門酒会本部が、オフィシャルパートナーとなって運営されゆう、「酒蔵に一番近いレストラン」っちゅうコンセプトの店ながやき。
ほんで、一番人気は画像の「9蔵セット」で、9蔵元の銘柄入りの杯に各社30ml×9、合計270mlで1980円っちゅう価格設定で、300セットばあ出る月もあるっちゅうがよ。
また、9蔵元の日本酒に合わせて、その蔵の地元の食もバッチリ品揃えされちょって、一番の名物は「厚切り鰹の塩タタキ」で、こちらは「船中八策」と合わせて提案しゆうっちゅうがやき。
森さん、ありがとうございます!
さらに、「龍馬の愛した軍鶏鍋」らあも人気やっちゅうて紹介されたがよ。
また、全国にウィングインターナショナルっちゅうホテルも経営されよって、そちらのホテル内にゃあ「ゆめぜん」っちゅう店もあり、そちらでもその地域の日本酒をシッカリ扱いゆうっちゅうがやき。
ここで小島さんから、「宝」でいろいろチャレンジしゆうイベントらあについて教えてほしいっちゅうリクエストがあったがよ。
まず、9蔵元全員が集まるイベントが年3回あって、1月の「初しぼり新酒の会」、7月の「七夕の会(夏生酒)」、9月の「ひやおろしの会」で、毎回大人気で120席満席になるっちゅうがやき。
さて、コロナ禍についちゃあ、場所がら、周りにゃあ大企業が多いし、国際フォーラムのイベントらあも中止だらけで、売り上げは激減で、昨年4月〜5月も、現在も、休業せざるを得んかったっちゅうがよ。
「宝」の顧客についちゃあ、35〜55歳の管理職以上の方々が中心で、プラスイベント客とフリー客やっちゅうがやき。
ちなみにコロナ禍で、客層がちくと若返り、28〜45歳の2〜3名客が増えたっちゅうがよ。
「9蔵セット」を1セットたのんで、女性客2人で分け合うて楽しむっちゅうような方々も増えたっちゅうがやき。
また、森さんは「宝」を中心に、ジョン・ゴントナーさんの外国人客向け日本酒イベントを、これまで100回ばあ開催しちゅうっちゅうがよ。
「宝」を、世界のお客様の日本酒への入口にしょうっちゅう想いで開催してきたっちゅうがやき。
ちなみに店名の「宝」にゃあ、「宝船に乗せて世界に酒文化を運ぶ」っちゅう意味もあるっちゅうがよ。
コロナ禍での対策としちゃあ、衛生面や三密回避や、とにかくやれるこたぁ全部やった上で、メニューとしちゃあアラカルトもコースメニューも思いっきり絞り込んだっちゅうがやき。
また、小皿での提供らあも増やしたりすることで、客単価が上がり、お客様の満足度も上がったっちゅうがよ。
ちなみに日本酒の小瓶(300ml)の販売にもチャレンジしたけんど、国際フォーラムは店の外でアピールらあせられんき、あんなり売れんかったっちゅうがやき。
また、小島さんからは従業員の質が高いことについての質問があり、森さんからは、扱いゆう商材が日本酒以外の食材らあも全て、生産者の顔が見えるような手作りのもんが多いき、彼らの思いもシッカリと伝えられるプロ集団としての誇りを持って、スタッフ一人一人が考えながら動きゆうき、それがお客様から評価をいただけちゅうがやないかっちゅうがよ。
続いては、長期化するコロナ禍の中で今年の飲食業はどうなるかっちゅう質問に、森さんは、コロナ禍で飲食業の豊かさや、あるいはスタッフの情熱っちゅうような付加価値についちゃあ、逆にコロナ禍でより伝わっちゅうと思うき、ゆるやかに回復していくやろうっちゅうがやき。
けんど、しばらくはまだ団体客はないき、2〜3名程度のお客様が中心となるっちゅうがよ。
2021年の生き残りは、付加価値とコミュニケーションがカギとなり、そこがキチッとできるかどうかに尽きると思うっちゅうがやき。
そこで考案されたがが、「1時間プラン3皿6杯」やっちゅうがよ。
とにかく、「飲食店に行かん」やなしに、「1時間だっけ行こう!」っちゅうて誘い合えるっちゅうくがキモながやき。
ほんで、3皿の自慢の料理と、自慢の日本酒6杯(60ml×6=2合)を堪能していただき、1時間でスパッと帰るっちゅうプランながよ。
1時間っちゅう短期決戦で、いかにお客様を満足させられるか、いかにまた来たいと思わせるかが勝負やっちゅうがやき。
こんなプランをアチコチの飲食店がやりだしゃあ、たとえコロナ禍やちお客様もランチ感覚で気楽に飲みに出やすうなるし、ハシゴしたち2時間やったらハシゴ酒もありとなって、業界が活性化するがやないかっちゅうがよ。
「1時間プラン3皿6杯」・・・森さん!まっこと素晴らしいアイデアぜよ!
ワシゃあこのプランについて、もうちくと詳しゅう聞きたいっちゅうて、チャットに質問を書き込ませてもうたがやき。
お次は、小島さんから、今後の飲食業における日本酒のトレンドについての質問があったがよ。
この質問に対し森さんは、まずは来店客が縮小する中で、生酒の一升瓶はキツいき、やはり火入れの定番を柱にして、香りや酸らあに特徴のあるようなニュータイプの日本酒も楽しんでいただき、さらに熟成や「きもと」らあのクラシックタイプも堪能いただき、本格焼酎で締めるっちゅう流れがトレンドになってほしいっちゅうがやき。
やっぱし、ある程度のバリエーションがあるっちゅうんが、武器になるっちゅうがよ。
「和らぎ水」だけやのうて、「和らぎお湯」らあやって、武器になるっちゅうがやき。
続いては、「夢酒みずき」(銀座)のペアリングコースについて、小島さんから質問があったがよ。
森さんは、まず料理のメニューが決まって、素材が決まって、それにお酒を合わせていくっちゅうがやき。
絶対に自信のある美味しいものを、しっかりプロのワザと感性で合わせていくっちゅうがよ。
このコースは、コロナ禍で廃棄されがちの食材の仕入れの量らあもピタッと決まるき、廃棄はないなるっちゅうがやき。
お次は、蔵元さんらあへの提言や伝えたいことはっちゅう質問が小島さんからあったがよ。
森さんは、ラグビーでたとえりゃあ、全国の蔵元さんからの美味しいパスをお店がつなげて、お客様にゴールしてもらうっちゅうイメージやっちゅうがやき。
全国の蔵元さんが、「このお店となら!」っちゅうお店とチームを組んで、「この一本!」っちゅう柱づくりに共に取り組んでもらえるようにするにゃあ、この2〜3月が最後のチャンスやないかっちゅうがよ。
「この一本!」を誰に飲んでもらいたいがか、飲食店と共に考え、共に行動できたら、こんな幸せなこたぁないっちゅうがやき。
今、長期化するコロナ禍で、みんなあ不安だらけながやけんど、その不安は何で解消できるかっちゅうたら、蔵元さんからの1本の電話やったり、1通のメールやったり・・・この機会にコミュニケーションを取ることが、今は100倍も1000倍も価値を生むがやないかっちゅうがよ。
やっぱし、忘れられたら商売は終わりやきのうっちゅうがやき。
ちなみにここで森さんから、今は休業中の「酒蔵レストラン 宝」やけんど、3月8日から営業しますきに、皆さん宜しゅうお願いしますっちゅうアピールがあったがぜよ!
ほんで、小島さんからの最後の質問は、みんなあ気になるところやろうけんど、森さんはこれからどうするがかっちゅうことやったがよ。
森さんの答えは、フリーになって時間ができて、これまであんまり向き合えてなかった家族や自分ともシッカリ向き合えたがは、すごく良かったっちゅうがやき。
森さんとしちゃあ、これからも、日本酒っちゅう地域の観光資源、そして地域の魅力、豊かな飲食、風土、景色、日本人、おもてなし・・・等々に、あと30年ばあは関わっていきたいっちゅうがよ。
続いては、蔵元さんからの質問タイムながやき。
チャットに書き込まれた質問の中から、いくつかが取り上げられたがよ。
まず、一升瓶はこれからどうなるかっちゅう質問にゃあ、
がやき。
森さんは、1ヶ月ばあで劣化してしまうような商品は、もともとどうながやろうっちゅうがよ。
これまで飲食店は、4合瓶は割高やっちゅう価格に縛られちょっただけで、今の飲み手は美味しいうちに飲み切りたいっちゅう感覚やき、720mlが割高やっちゅう感覚はないようやっちゅうがやき。
このお酒は、どの状態まで美味しゅう飲めるかっちゅうんを、飲食店側が把握しちょかにゃあいかんがやないかっちゅうがよ。
他の取り組み事例はっちゅう質問にゃあ、絶対的に自信のある定番料理と定番のお酒の組み合わせ、つまり「厚切り鰹の塩タタキ」やったら「船中八策」っちゅうように、あらかじめ決めちょくことが大事やないかっちゅうがやき。
次に、ワシの質問、「1時間プラン3皿6杯」について、もうちくと詳しゅうっちゅうんが、取り上げられたがよ。
この取り組みは、昨年秋から「宝」にて4回実施し、成果を挙げちゅうっちゅうがやき。
「宝」は、天井が5メートルの高さがあり、本来ゆったり120席のところを90席に減らして、そこにさらに「1時間プラン3皿6杯」のおまかせやき、こればあ安心なプランはないがやないかっちゅうがよ。
参加された方々は、こぢゃんと喜ばれちゅうっちゅうがやき。
ちなみに、このウェビナー終了後に森さんから直接聞いたところ、昨年10月にワシが「宝」で実施さいてもうたイベントがキッカケで、この「1時間プラン3皿6杯」が誕生したがやっちゅうて、森さんから感謝されたがよ。
こちらこそ、そんなキッカケづくりができて、まっこと嬉しい限り、ありがとうございますぜよ!
続いては、焼酎の飲ませ方についてアドバイスはっちゅう質問にゃあ、森さんからは、ハイボール、ロック、水割り、お湯割り、ストレート、ストレート燗、前割り燗・・・等々、こればあ自由度があり、自分の好みの度数で楽しめるお酒は他にないがやないかっちゅうがやき。
お次は、お店の価格帯について質問があり、森さんからは「宝」の客単価は5000円〜7000円で、銀座「夢酒みずき」は1万円〜1万4000円程度やっちゅうがよ。
どちらのお店も、とにかくお客様に伝わる品質をレベルアップさいて、目の前のお客様に感動してもうて、もう一度ご来店していただけるよう全力で集中しゆうっちゅうがやき。
こうして質問タイムも終了し、森さんの第3講は終了したがよ。
この後、ファシリテーターの小島さんから、まとめのお話があり、「日本の酒情報館」の今田館長さんからも、締め括りのお話があったがやき。
ほんで最後に、今回ご講演いただいた3名の講師全員が画面に登場し、大団円のお開きとなったがよ。
株式会社佐々木酒店の佐々木社長さん、株式会社いまでやの小倉社長さん、料飲店アドバイザーの森さん、そしてファシリテーターの小島さん、進行役の今田館長さん、素晴らしいウェビナーを、まっことありがとうございました!
コロナ禍で最も厳しい状況やと思われる業務用市場の現場から、希望にあふれる提言の数々をいただき、こぢゃんと元気と勇気をいただきましたぜよ!
土佐の高知の日本酒蔵元「司牡丹」の公式ホームページは、こちらをクリック!
司牡丹酒造株式会社