「ひとりでおるとき、ひとりごとを言うことが馬鹿げちゅうがやとすりゃあ、他人とおるとき、自分の声にばっかし耳を傾けるこたぁその2倍も愚かなことながぜよ。」(バルタザール・グラシアン)
17世紀スペイン黄金世紀の哲学者・神学者・イエズス会司祭で、教育的・哲学的な散文を数多く残した、バルタザール・グラシアン(1601〜1658)さんの言の葉ながやき。
人は、ひとりでおるとき、思わずひとりごとをつぶやいてしまうことがあるけんど、それが馬鹿げちゅうっちゅうこたぁ、誰やち分かっちゅうはずながよ。
それやに、他人とおるとき、自分の声にばっかし耳を傾けて、他人の話にゃあまったく耳を傾けることがない人が、意外に少のうないがやき。
その行為は実は、ひとりでおるときにひとりごとを言うことの2倍も愚かなことやと、気づかにゃあいかんがよ。
人は結局ひとりじゃあ生きていけんがやき、せっかく他人とおるときゃあ、他人の声にきちんと耳を傾けることができにゃあいかんっちゅうことながやき。
自分の声に耳を傾けることも確かに大事やけんど、そりゃあひとりでおるときにしてこそ、しっかりと聞き取ることができるっちゅうもんながよ。
ひとりでおるときにゃあ自分の声にじっくりと耳を傾け、他人とおるときにゃあ、他人の声にじっくりと耳を傾ける・・・これができりゃあ、きっとその人の人生は、こぢゃんと豊かになっていくはずながぜよ。