2021年05月19日

空の果てから海の底まで生き抜いた高知酵母!「宇宙深海酒」実現へ一歩ぜよ!

今回は、一昨日の5月17日(月)の朝に連絡があった朗報で、昨日の高知新聞の1面にもドカンと掲載されちょったけんど、かつて宇宙を旅した「土佐宇宙酵母」が、深海にも耐えてごく僅かながら生き残っちょったっちゅう、嬉しいご報告をさいていただきますぜよ!


これにより、うまいこといきゃあ今年の秋から仕込まれ、早けりゃあ年内(?)にも、前代未聞世界初の「土佐宇宙深海酒」が誕生するっちゅうことながよ!


今から15年前の2006年、「土佐宇宙酒」誕生の際にゃあ、「宇宙のロマンがあふれる酒」や「到底実現できんような夢を叶える酒」として話題になったけんど、そこにさらに深海6200メートル、640気圧に4ヶ月っちゅう過酷な環境に耐えて生き残った酵母で仕込まれた酒やっちゅう、凄いハクがさらに加わることになるがやき。


まさに、この長期化するコロナ禍を耐え忍んだ先に飲みたい酒やと言えるし、「宇宙の果てしない広がりと、深海の奥深い味わいの酒に仕上がるがやないか」っちゅうて、高知県内じゃあ早くも話題になっちゅうがよ。


さて、ほいたらあらためて詳細を、以下にご紹介さいていただきますぜよ。


ロケットに高知酵母を搭載して宇宙に打ち上げ、地上400km上空の宇宙空間に浮かぶ「国際宇宙ステーション」に滞在さいたっちゅう酵母を使うて、世界初の「土佐宇宙酒」が発売されたがは、2006年やったがやき。


こんときゃあ、高知県酒造組合全体の合計で2万3千本が、わずか4ヶ月で完売してしもうて、もはや伝説となっちゅうがよ。


ほんで、今から3年ばあ前に、「高知酵母」開発の産みの親である高知県工業技術センターの上東さんと、海洋研究開発機構「高知コア研究所」主任研究員の諸野さんが意気投合し、「今度は真逆の深海に沈めろう!」っちゅうて計画を進めてきたがやき。


一昨年の2019年3月にゃあ、海洋研究開発機構が携わる研究に便乗して、「土佐宇宙酵母」を深海に1年間沈め、昨年の2020年3月に引き上げられたがやけんど、マスコミ取材も入っちょったに、何と無惨にも全滅っちゅう結果やったがよ。


深海6000メートル、600気圧、水温1度っちゅう過酷な環境を生き残れた酵母は、1匹もおらんかったがやき。


けんど、ここであきらめんがが、土佐のいごっそう研究者・上東さんながよ!


こっから上東さんは、酵母に圧力をかけ、生き延びた酵母を培養し、また圧力をかけ・・・を繰り返し、圧力への耐性がある強靭な「選抜隊」酵母を育て上げたがやき。


ほんで、今年の1月、育て上げた「選抜隊」の宇宙酵母や様々な高知酵母らあを108のパックに小分けして、茨城県沖約200キロ、水深約6200メートルの深海に4ヶ月間沈められたがよ。


今回も、640気圧、水温は1.7度っちゅう過酷な環境やったっちゅうがやき。


沈められた酵母は、4ヶ月後の今月11日に引き上げられ、14日(金)の夕方に高知県工業技術センターに届いたがよ。
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その日のうちに、すべての酵母をシャーレに移して培養し、3日後の17日(月)朝の確認の日を待ったがやき。
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ちなみに、15日(土)の朝に上東さんからワシに届いたメールは、次のとおりやったがよ。


「おはようございます。深海酵母の生死がわかる月曜日まで心臓バクバクしています。月曜日朝9時にメディアの方も来てくれて、インキュベーターを開けてシャーレの生育を確認します。それまで誰も見ません。スリルあります。そこで全滅していたら、上東はぶっ倒れるでしょうね、笑笑。期待に添えない可能性大ですが、万が一生存していた時に宇宙深海酒への期待などを語って頂けたらと思います。」

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そして運命の17日の朝、集まった取材陣の方々らあの目の前で、すべてのシャーレが順番に確認されたがやき。


「成育なし」


「これも成育なし・・・」


「・・・これも・・・」


・・・


「あっ!これはっ!?」


「せ、成育ありっ!」
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結局、108ものパック中、生き残っちょった酵母はわずか5パックやって、酵母の種類でいやさらにわずかで、3種類やったがよ。


ちなみにその生き抜いた高知酵母の名前は、「宇宙酵母」としちゃあ「A-14」(2タイプ)と「AC-17」、宇宙にゃあ行ってない酵母としちゃあ「AC-95」(2タイプ)やったがやき。


何とか過酷な深海の環境にも耐えた酵母が、わずかながらでもおったっちゅうことながよ!


上東さんが、「宇宙深海酵母ができました!」っちゅうて叫んだ瞬間、同席しちょった諸野さんやセンター職員の皆さんらあは拍手喝采やったっちゅうがやき。
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さて、この世界初の「宇宙深海酵母」は、今後さらに培養されて、醸造特性や仕込み試験らあが行われ、何の問題ものう醸造できることが確認されりゃあ、早けりゃあ今年の秋からの酒造りに使用されることになるがよ。


そうなりゃあ、最速で今年の年末に、通常やっても来年の春ばあにゃあ、「土佐宇宙深海酒」(※ネーミングは仮称)が新発売されることになるがやき。


ただし醸造試験の結果次第じゃあ、もしかしたら全部ボツになるっちゅうことやちあり得るき、まだ何とも言えん部分はあるがやけんど、夢の「土佐宇宙深海酒」(仮称)実現に向けて、こぢゃんと大きな一歩を踏み出したこたぁ、間違いないがよ。


また最新情報としちゃあ、培養の方法を変えてやってみたら、さらに生き残っちゅう酵母が増えゆうっちゅうことやき、まっとまっと酵母の種類が増える可能性も大やっちゅうことながやき!


さて・・・到底実現不可能やと思われちょった夢を実現して宇宙を旅し、さらに低温・ハイプレッシャーっちゅう過酷な環境も生き抜いた、そんな凄い酵母で仕込まれた土佐酒は、いったいどんな味わいになるがやろうか?


間違いのう言えるこたぁ、酵母の発酵によって生み出される成分や香味らあを超えた「何か」が、飲み手の心に響き、感動を与えてくれるはずやっちゅうことながよ。


現実に誕生するまで、もうちくと辛抱してお待ちくださいや!



















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Posted by tsukasabotan at 10:10│Comments(0)