「人生のどんな隅にやち、どれっぱあつまらなそうな境遇にやち、やっぱし望みはあるがぜよ。」(菊池寛)
実業家としても文藝春秋社を興し、芥川賞、直木賞、菊池寛賞の創設にも携わった、小説家・劇作家・ジャーナリスト、菊池寛(1888〜1948)さんの言の葉ながやき。
世の中にゃあ、誰っちゃあに気づいてもらえんような、ほんのちんまい片隅の隅っこで、おとなしゅう静かにヒッソリと、つつましゅうに暮らしゆう人がおるがやき。
そんな人らあの境遇を見て、こんな人生はつまらなそうやと思うてそこで終わってしもうたら、そりゃあ違うっちゅうことながよ。
たとえどればあ底辺の暮らしをおくりゆう人やったち、ちんまい期待、ささやかな願い、こんまい夢、微々たる希望は、持っちゅうもんながやき。
そんな期待や願いや夢や希望を、あまりにちんまいきにっちゅうて嘲笑うがやったら、そんなおまさんは期待も願いも夢も希望も、叶えるこたぁ望み薄やと言わざるを得んがよ。
期待や願いや夢や希望に、ちんまいもでっかいもないがやき。
ちんもうたち、でっこうたち、期待や願いや夢や希望を持っちゅうっちゅうこと、そのことこそが、人間の人間たる証しであり、それこそが人類の大いなる希望ながぜよ!