「人間に成し得る唯一のこたぁ、自分自身が精神的に成長することぜよ。」(ドストエフスキー)
トルストイ、ツルゲーネフと並び、19世紀後半のロシア小説を代表する文豪で、「罪と罰」「カラマーゾフの兄弟」らあの代表作で有名な、ドストエフスキー(1821〜1881)さんの言の葉ながやき。
「人間に成し得る唯一のこと」っちゅうんは、なんぼドストエフスキーさんの言の葉やゆうたち、ちっくと大袈裟過ぎるがやないかよと、最初は思うたがよ。
けんど、よくよく考えてみりゃあ、確かに突き詰めりゃあそういうことになるがやき。
人間、何かを成そうとする時、その根本の部分に精神的な成長があってこそ、それを成し遂げることができるようになるもんやきながよ。
たとえば、子供の頃にゃあ勧善懲悪のヒーローに憧れちょった男の子が、精神的に成長することで、現実の世の中にゃあ正義か悪かっちゅう真っ二つに分けることができるもんらあて、ほとんどないっちゅうことに気づいて、憧れちょったヒーロー物に幻滅して、落ち込んだりするがやき。
けんど、その段階でストッブすることのう、さらに精神的に成長すりゃあ、そんな正義も悪も渾然一体となったマダラ模様の世の中においてやち、できる限り悪を棄て正義を選ぶような生き方をするこたぁ、誰にやちできるっちゅうことに気づくがよ。
ほんで、そっからさらに精神的に成長すりゃあ、正義も悪も渾然一体となったマダラ模様の世の中において、できる限り悪を棄て正義を選ぶような生き方をするっちゅう、そんなメッセージを込めた新しいヒーロー物を、その人が誕生さいたりすることもあるっちゅうことながやき。
つまり人間は、自分自身が精神的に成長するその度に、一つ上のレベルのことを成し得ることができるようになるっちゅうことながぜよ。