「重い役職につきゃあ、人はそれにふさわしい能力を身につけるこたぁ目をみはるばかりながよ。高位につきゃあ、そればあ人からの評価も高まるし、自信がつきゃあ力も強うなるがとおんなじことながやき。人間たぁ、置かれた境遇に同化するもんながぜよ。」(ウィリアム・ヘイズリット)
イギリスの著作家・批評家・エッセイスト、ウィリアム・ヘイズリット(1778〜1830)さんの言の葉ながよ。
自分ごとで恐縮やけんど、酒蔵の息子に生まれながら、いったんは東京でサラリーマンを経験し、酒蔵に戻り、その後社長に就任したことで、ワシゃあそっから真に成長できたと思うがやき。
もし、東京でヒラのサラリーマンのまんまやったら、たいした成長をしてなかったがやないろうかと思うがよ。
確かに、一代で功なり名遂げるような元からの天才もおるけんど、ごく一握りのそんな人以外は、一般的に言うたら、役職や地位が人をつくるっちゅうことながやき。
凡人が、身にあまる役職や地位についたきにこそ、このまんまじゃあイカンと気づき、真に自分の頭で考え、判断し、計画し、実行し、反省し、修正し、また計画し、実行し・・・ちゅうことを繰り返すことで、真に成長することができたっちゅうことながよ。
けんど、つまり逆もまたしかりっちゅうことながやき。
こぢゃんと優秀な人間やっても、いつまでも役職や地位が低いまんまやったり、左遷や降格させられたりしたら、退化してしもうて、ダメダメになってしまうっちゅうことながよ。
「人間は置かれた境遇に同化する」っちゅう今回の言の葉は、まっこと肝に銘じちょきたいもんながぜよ。