2021年11月11日

「司牡丹酒造・第107期始業式」ぜよ!

10月29日(金)は、16時から司牡丹酒造の第107期の始業式やったがやき。


ウチは9月末が決算やき、そこで第106期が終わって、10月から新しい第107期がスタートしちゅうがよ。


ちなみにウチの創業は1603年で、会社設立は1918年やき、今年は会社設立103年目ながやけんど、設立当初は半年が1期やった時期が何年かあったみたいで、ほんじゃき今期が第107期になるがやき。


ほんで、新たな期のスタートにあたって、経営方針らあの話をさいてもらうっちゅうことで、社内にて始業式を開催したがよ。
2021.11.11写真1 始業式開会

例年やったら、社員の皆さんと蔵人の皆さんにも集まってもうて開催し、終了後は懇親会も開催するがやけんど、今年もコロナ禍やし、もしものことがあって始まったばっかしの酒造りに支障があったらいかんっちゅうことで、今年の始業式も昨年に引き続き社員のみで開催し、懇親会は残念ながら中止となったがやき。


まずは渡邊部長の司会にて開会し、山岡専務から前期についての数字的な示達があって、お次はワシからの社長示達ながよ。








ワシからは「国内経済・清酒業界の状況」「司牡丹・第106期の実績」「司牡丹・第107期の取組方針」らあについて、お話さいてもうたがやき。
2021.11.11写真2 始業式風景

次に「第107期のメインテーマ」として、「『集いの中で酒を酌み交わす』行為の重要性を念頭に置き、自社の『強み』をアップデートし、『弱み』を長い目で逆転させる!」っちゅう言葉を掲げさいてもうて、その詳しい内容について、ジックリ語らいてもうたがよ。


その内容についちゃあ、以下のとおりながやき。





【「集いの中で酒を酌み交わす」っちゅう行為の重要性】


●「チンパンジーの鏡像認知実験」:「コロナ時代の哲学〜ポストコロナのディストピアを生き抜く〜」(大澤真幸・國分功一郎 著 左右社)参照。


鏡に映る鏡像が自分自身やと分かるかをチンパンジーに試した実験。通常チンパンジーはこのテストに合格するがよ。


生後すぐ母親から引き離され隔離されたチンパンジーは合格できんがやき。隔離され、仲間のチンパンジーをガラス越しに見れる環境で成長したチンパンジーでも合格できんがよ。


●チンパンジーの自己認識や他者感覚が、接触をとものうた他者経験によって生み出されちゅうっちゅう仮説が導き出せるがやき。おそらく、人間も同じ。じゃれあう、肩がぶつかる、対峙する、抱き合う、集いの中で酌み交わす・・・そうした身体経験が自我、ひいては社会性の起源にあるがよ。


つまり、人間が直に触れ合うっちゅう身体性の次元が自我や他者性、ひいては社会性に不可欠ながやないかっちゅうことながやき。


●長期化するコロナ禍で、目下ワシらあが目指しゆう非接触型の世界は、何か根本的なもんが失われてしまうっちゅうこと。


ほんで、ワシらあが多くの人らあと心を許して直に触れ合うシーンは、日常のどこにあるかっちゅうたら、「集いの中で酒を酌み交わす」っちゅうシーンながよ。


「集いの中で酒を酌み交わす」っちゅう行為は、身体を持った人間が直に触れ合うっちゅう重要な行為の一形態であり、そりゃあ自我や他者性、ひいては社会性の形成に不可欠な行為やっちゅうことであり、そりゃあ断じて「不要」などじゃあないと断言できるがやき!


●たとえコロナ禍が去ったとしたち、「集いの中で酒を酌み交わす」っちゅう行為は、間違いのう大きゅう変わる!土佐の「献杯」「返杯」は消え去るかも。


ワシらあは、この「集いの中で酒を酌み交わす」っちゅう行為の重要性を念頭に置きもって、飲み方が今後どう変わっていくかをしっかりと見極め、そこに向けての行動を起こさにゃあならんがよ!


【世の中が変わるとき「弱み」と「強み」の逆転が起きブランドが交替する!】


●「獺祭」の事例:山口県にゃあ地元に「五橋」っちゅう強いブランドがあり、地元の既存ルートがまともに扱うてくれんかったっちゅう「弱み」があったきにこそ、東京市場に「純米大吟醸酒」だっけに絞り込んで勝負をかけ成功。「弱み」を「強み」に変えたがやき!


●渡辺酒造(蓬莱)の事例:飛騨で最下層のブランドで、既存ルートはどっこも相手にしてくれんと、東京市場も無名で相手にされんかったきにこそ、一般のお客様へのダイレクト販売でV字回復!コロナ禍でも伸び、売り上げ3倍、12億を達成!


●高知の事例:高知県は「土佐鶴」「司牡丹」が普通酒・本醸造酒の市場をほぼ独占しちょったきにこそ、他社は「純米・純吟」に特化し、その市場を獲得!「弱み」が「強み」に!


●「強み」が足かせ!:いまだに「鶴」「司」は普通酒・本醸造酒のイメージで捉えられちゅう。吟醸酒市販の先駆けやったち、かつての「強み」が足かせになり、逆に「弱み」に!


【司牡丹の「強み」をアップデート!「弱み」を長い目で逆転!】


●司牡丹ブランドの強みは、➀「日本名門酒会ルートの強いブランド」、➁「飲食店に強いブランド(特に船中)」、➂「伝統の辛口の代表ブランド」、➃「楽しむ会等のイベントに強いブランド」(袋吊り搾り等のエンターテインメント性)、➄県内じゃあ「NB」。


●これらあの「強み」が、➀は他の地酒専門店直ルートやEC販売等への足かせになり、➁はコロナ禍における激減の原因となり、➂は近年流行りのグルコース濃度の高い甘い酒と真逆の酒質の代表となり、➃はコロナ禍においてイベント開催ができず、➄前記のとおり、いまだに普通酒・本醸造酒のイメージが強うて大量生産NBあつかい・・・つまり5つの「強み」が全て「弱み」になっちゅうがよ!早急にアップデートが必要!


●アップデート案:➀ECやSNSに強い店との関係強化!独自のEC販売も強化!SM、GMS等の新市場も開拓!➁アフターコロナで飲み方が変わりゃあ飲食店市場も変わる!そこに向けピンポイントの対策を!➂「CEL24」を販売しもって、上手に活用し辛口酒の強みを拡散!➃イベントで培うたスキルやエンターテインメント性等を、イベント以外にも流用!➄県内でのイメージを「純米・純吟」にシフト!→「弱み」を再び「強み」に逆転!(長い目で見りゃあ、必ず辛口酒は復活する!)


【新商品・新企画等の意義】


●「酒道 黒金流」:将来、日本酒の動画コンテンツで最強に!辛口酒の強みを拡散!
●「司牡丹まつすぐ」:三菱食品オリジナル。全国のSM、GMS等の新市場開拓!
●「司牡丹CEL24」:和食や刺身と合わせてこそ本領発揮の辛口酒との比較に利用!
●「スパークリング酒」:未来の世界の乾杯酒市場に食い込む!
●「袋吊り搾り」CF:優良顧客を獲得!世界初のエンタメ日本酒でEC販売の強化!
●「高知大学との小仕込試験醸造プロジェクト」:地酒専門店好み!名門酒会ルートの強化につなげる!また、今後変わるであろう飲食店市場に向けた、短期間での新商品開発に活用!県内における純米・純吟のヒット商品開発にも!
●「マキノジン」:クラフトジンファン、ボタニカル市場、バー市場っちゅう新市場開拓!


その後は、「長期勤続表彰」や「無事故無違反表彰」らあがあり、17時ばあにゃあ、第107期始業式は閉会となったがやき。


長引くコロナ禍における、まだまだ厳しい環境でのスタートやけんど、皆さん第107期も、何とぞ宜しゅうお願い申し上げますぜよ!
















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司牡丹酒造株式会社

Posted by tsukasabotan at 10:14│Comments(0)