「正しい理屈や理論やないもんが人間を動かすこともある、それを信じたちえいがやないろうかとワシゃあ思うがぜよ。」(谷川俊太郎)
詩人であり、翻訳家・絵本作家・脚本家の、谷川俊太郎(1931〜)さんの言の葉ながやき。
正しい理屈や理論は、確かに世の中にとって必要不可欠なもんじゃああるけんど、もし正しい理屈や理論だっけが人間を動かしゆうがやとしたら、世の中は今よりズッと殺伐したもんになってしまうはずながよ。
世の中が、より優しさとか愛に満ちたもんになるためにゃあ、「理」だけじゃあのうて「情」が必要ながやき。
「情」は、時にゃあ理屈や理論にゃあ合わんけんど、人の道に叶う方向を指し示してくれることがあるがよ。
理屈も通らん、正しい理論でもないけんど、それが人としての道に叶うちゅう方向やったなら、その道を選ぶ・・・これが「情」ながやき。
そんな「情」が人間を動かすこともあるっちゅう、「なやし」(※土佐弁で「柔軟性」の意味)のある世の中やったら、殺伐としたもんにゃあならんがやないろうかのう?