「『心の窓』は、いつじゃちできるだけ数を足るばあ、そうしてできるだけ広うに、あけておきたいもんやと思うがぜよ。」(寺田寅彦)
「天災は忘れた頃にやってくる」っちゅう言葉で有名な、高知県出身の物理学者・随筆家・俳人の、寺田寅彦(1878〜1935)さんの言の葉ながやき。
ここで寺田寅彦さんの言う、「心の窓」ち、なんじゃろか?
そりゃあおそらく、「興味を持つ」っちゅうことやと思うがよ。
寅彦さんやち、物理学と俳句や随筆っちゅう、いろんな違う分野に興味を持っちょったがやき。
井戸をひっとつだっけしか持っちょらざったら、その井戸が枯れてしもうたら、もはや水は手に入らんがよ。
けんど、いろんな別の分野の井戸を持っちょったら、ひとつの井戸が枯れたち、別の井戸から水を汲むことができるがやき。
ほいたら案外、その別の井戸の水を汲み上げる行為が呼び水となって、枯れたと思うちょった井戸の水も、突然こんこんと湧き出してきたりするもんながよ。
そんな井戸の数が、できるだけ足るばああって、しかもその範囲ができるだけ広かったとすりゃあ、もはやいつまで経ったち、枯れることのう、尽きることのう、水を汲み上げ続けることができるっちゅうことながぜよ!