2022年05月20日

「生物がすむ果てはどこだ?」にワクワクぜよ!

今回は、「土佐宇宙深海酒」の開発らあでこぢゃんとお世話になった、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)高知コア研究所・地球微生物学研究グループの諸野祐樹博士から、ご著書を頂戴しサインも頂戴したっちゅうことで、こちらの書籍をご紹介さいていただきますぜよ。


「生物がすむ果てはどこだ?〜海底よりさらに下の地底世界を探る〜」(諸野祐樹 著 くもん出版 くもんジュニアサイエンス 2022年1月28日発行 1400円+消費税)っちゅう、小学生向けに書かれた児童書ながやき。
写真1 生物がすむ果てはどこだ?写真2 裏

文字も大きめで90ページばあで、表現らあも簡単で分かりやすい児童書やき、スッと読めてしまうがやけんど、読み進めていくうちに、ワシゃあ童心に帰ったみたいにこぢゃんとワクワクしてしもうたき、大人が読んだちまっこと面白いこたぁワシが保証するがよ。







ワシゃあ高校時代からは文系に絞り込み、大学も文系(経済学部)やったがやけんど、小学校低学年の時にゃあ、学研の付録付き月刊学年誌「科学」を取りよって、その内容や付録らあにワクワクしまくりよったことを、まっこと久しぶりに思い出さいてもうて、こぢゃんと嬉しかったがやき。
写真3 サイン


ほいたら、この書籍の内容について、以下に簡単にご紹介さいていただきますぜよ。


科学掘削船「ちきゅう」がパイプを使うて、海底下の石や泥がつまった地層を掘り出すがやと。


ほんで、その船上に上がってきた筒状の"コア"が保管されちゅう施設が、高知県にあるっちゅうがよ。


それが、ジャムステック(JAMSTEC)の高知コアセンターながやき。


ここの研究施設じゃあ、海底下深くの地層から生き物を探す研究が進められゆうっちゅうがよ。


その究極の目的は、海底下のどこまで生き物がおるか、つまり生きられる限界を見つけることやっちゅうがやき。


こりゃあ、世界に誇れる日本の科学技術を使うた研究やと言えるがよ。


実はワシゃあ最初は、海の底にどこまで生き物がおるかっちゅう研究やと思うちょったら、何と海底のさらに下の地底世界にどこまで生き物がおるかっちゅう研究やと知って、ちょっとした衝撃を受けたがやき。


海底よりさらに下の地底世界のことらあて、全く考えたこともなかったもんやき、そんな研究があるっちゅうことに驚いてしもうたがよ。


しかも、海面から1.2km潜った海の底のさらに2.5km潜った地層の中、太陽の光がまったく届かん真っ暗闇で、酸素もない、石や泥ばっかしで食べるもんもほとんどのうて、動くこともできん、さらに物凄い水圧がかかるっちゅう、そんなトンデモナイ場所に生き物がすんじゅうらあて、まっことにわかにゃあ信じられんがやき。


そんな海底下の地層は、ちんまい生き物のカケラや陸から飛んできたホコリらあが降り積もり、これらあの堆積物が積み重なって、押し固められてつくられちょって、海底からの深さが2.5kmの地層は、2千万年以上も前に積もったと考えられちゅうっちゅうがやき、そんなくにすんじゅう生き物は、いったい何歳になるがぜよ?!


さて、日本が誇る世界最高性能の科学掘削船「ちきゅう」が、パイプを使うて、海底下の石や泥らあがつまった地層を掘り出すがよ。


この掘り出された地層が"コア"と呼ばれ、直径が6.5cm、長さが9mあるっちゅうがやき。


そんなコアは、1.5mずつに切り分けられ、分析されるっちゅうがよ。


ほんで、そんなコアが保管されちゅうがが、高知県南国市にある高知コアセンターで、国際深海科学掘削計画(IODP)のコア保管施設やっちゅうがやき。


IODPは、日本、アメリカ、ヨーロッパが中心となり、世界23ヶ国が共同で進めゆう国際研究プロジェクトやっちゅうがよ。


日本は「ちきゅう」を、アメリカは「ジョイデス・レゾリューション号」っちゅう掘削船を、ヨーロッパは掘削の目的に合うた船をその都度使いゆうっちゅうがやき。


海底下の地層を掘り出すっちゅうんは、こぢゃんと難しいことやき、1つの国の力だけじゃあうまいこと進められんがよ。


ほんじゃき、世界各国の力を集め、研究者の頭脳を結集し、研究を進めよって、新しい発見が次々と生み出されゆうっちゅうがやき。


ちなみに、このコア保管施設は何と世界に3ヶ所しかのうて、アメリカのテキサスとドイツのブレーメンと、高知県南国市の3ヶ所やっちゅうき、こりゃあまっこと凄いことながよ!
写真4  世界の海を3つに分けてコアを保管!

しかも、世界の海を3つのエリアに分けて、この3つの施設でコアを保管しちゅうっちゅうがやき、まっことこぢゃんち誇らしいがやき!


高知コアセンターの保管庫にゃあ、1.5mのコアが約20万本保管できるっちゅうがよ。


ちなみにただ保管されちゅうだっけやのうて、1年に150人から200人ばあの世界中の研究者から、「この航海の時の、こういうコアを使うて研究がしたい」っちゅうリクエストが届き、それに応えて、1年に2万個以上のサンプルがコアから取られ、世界中の研究者に送られゆうっちゅうがやき。


つまりコアは、人類にとって貴重な財産やっちゅうことながよ。


さらに高知コアセンターにゃあ、他のコア保管施設にゃあない特徴があるっちゅうがやき。


「ナノシムス」(超高空間分解能二次イオン質量分析計)っちゅう、世界最先端の研究設備があり、髪の毛の幅の100分の1ばあしかない微生物や、石のカケラらあに何が含まれちゅうからあを分析する機械で、たとえばちんまい微生物がエサを食べたかどうかを、体重を測り、増えたかどうかで調べることができるっちゅうがよ。


さて、2010年に著者の諸野さんは、アメリカの掘削船ジョイデス・レゾリューション号に乗り、地球上で最も陸地から離れた地点と言われる、南太平洋のド真ん中に行ったっちゅうがやき。


ここは海の水の透明度が地球上で一番高いところやき、プランクトンらあのちんまい生き物、つまりマリンスノーの元になるもんがほとんどないことを意味しちょって、つまり海底下の地層がつくられるスピードがこぢゃんと遅うなるっちゅうことながよ。


大陸の近くじゃあ1年に0.5mmばあずつ積もっていく海底の地層が、ここじゃあ500分の1のスピード、つまり0.5mm積もるがに500年もかかるっちゅうがやき。


そんな海底下にゃあ、何と1億年もの昔に積もった地層が眠っちゅうっちゅうがよ。


そればあ古い地層に生き物、つまり微生物がおったがかっちゅうたら……おったっちゅうがやき!


ただし、その数はこぢゃんと少のうて、角砂糖ばあの大きさの中に100個から1千個ばあしかおらざったっちゅうがよ。


ほいたら、そんな1億年も昔の地層から見つかった微生物は、ホンマに生きちゅうがやろうか?


諸野さんは、1億年前の地層におった微生物にエサを与えてみて、食べるかどうか実験してみたっちゅうがやき。


ほいたら食べたっちゅうき、生きちゅうっちゅうことながよ。


けんど、これで生きちゅうといえるがやろうか?


イスラエルにある2千年前の遺跡から見つかった種を植えたら、芽が出て、ナツメヤシが育ったそうなけんど、この種は2千年間「生きちょった」がやろうか?


もちろん、生きちょらにゃあ芽は出んがやき、生きちょったことに間違いはないがやき。


海底下の微生物にも、これとおんなじことがいえそうなっちゅうがよ。


海底下の地層に閉じこめられ、充分な食べ物ものうて、1回分裂して増えるがに千年以上かかるっちゅうがやき、「寝えちゅう」っちゅうがもちょっと違うて、「生きちゅう」っちゅうより「死んじゃあせん」が近いがやないかっちゅうがやき。


どうやら、「生きる」っちゅうことにゃあ、普段ワシらあの目にする形だっけやのうて、いろいろな形があるようやっちゅうて、諸野さんは語るがよ。


次に、ほいたら1億年前の地層の中で生き延び、実験室でエサを与えたら食べて、甦ってきた微生物らあは、いったい何歳ながやろか?1億歳??


実は、微生物のように分裂して数を増やすっちゅうんは、自分のコピーをつくるっちゅうことやっちゅうがやき。


自分がもう1人増えて、2人になるっちゅうことながよ。


たとえば納豆菌は30分に1回分裂するきに、2時間で4回分裂し16個になった時、この納豆菌らあは何歳ながやろか?30分歳?2時間歳?


答えは……おそらくどちらも正解やと、諸野さんは語るがやき。


分裂によって数を増やす微生物にゃあ、年齢っちゅう考え方がそもそもないっちゅうがよ。


そのかわりに、分裂するまでの時間が早いか遅いかや、ある時間の間に何回分裂するかっちゅう考え方をしゆうっちゅうがやき。


微生物、おもろい!


また諸野さんは、海底下の微生物にゃあメタンをエサとして食べるもんもおることに触れ、こりゃあつまり地球が温暖化するがを食い止めようとしてくれゆうともいえるっちゅうがよ。


日本酒も微生物の働きで生まれるけんど、まっことあらためて微生物っちゅうんは面白い存在であり、まだまだ分からんことだらけで、ワシらあが思いもつかんようなことに役立つ微生物が、今後もどんどん発見されていくがやろうと考えたら、またまたこぢゃんとワクワクしてきたがやき!


諸野さん!たくさんのワクワクを与えてくれる書籍を、まっことありがとうございましたぜよ!
















土佐の高知の日本酒蔵元「司牡丹」の公式ホームページは、こちらをクリック!
司牡丹酒造株式会社


Posted by tsukasabotan at 09:35│Comments(0)