2022年07月07日

高知工科大学講義「日本酒に『意味のイノベーション』を起こす!」<改訂版>ぜよ!

6月28日(火)は、高知工科大学永国寺キャンパスにて、高知工科大学・経済・マネジメント学群「経営システム特別講義」に講師として招かれ、「コロナ禍のピンチをチャンスに!日本酒に『意味のイノベーション』を起こす!」っちゅう講演をさいてもうたがよ。

昨年の講義に引き続き、おんなじタイトルやけんど、後半の内容はかなり改訂されちゅうがやき。
写真1  講義資料表紙











11時から12時半までの90分の講義に、経済・マネジメント学群の3年生の生徒さんらあが50名ばあ集まってくださったがよ。
写真2  学生の皆さん

また、皆さんにゃあ、ワシの書いた小冊子「なぜ、日本酒をうまく活用する人は幸せになれるのか?」らあも、配らいてもうたがやき。


ほんで、ワシの講演内容は、だいたい以下の通りやったがよ。


【1】ビジネスにとって一番大切なもんは?


ビジネスにとって一番大切なもんは、「 ヒト」(人材)「モノ」(商品)「カネ」(資金)「ジョウホウ」(技術・ノウハウ・コンテンツ)・・・と思うかもしれんけんど、そりゃあ実は「顧客」やっちゅう話を、まずさいてもうたがやき。


ヒトがおらいじゃち、商品がのうたち、カネがのうたち・・・顧客さえおりゃあ、実はビジネスは立ち上がるがよ。


特にコロナ禍においちゃあ、それがより鮮明になっちゅうがやき。


【2】顧客が今求めゆうがは?
写真3 顧客が求めるのは

その一番大切な顧客が今求めゆうもんは、「モノの豊かさ」、「物質的な幸せ」から、「心の豊かさ」、「精神的な幸せ」に年々移りゆうがよ。


コロナ禍で、そんな流れが、さらに選別が加速しゆうがやき。


貯蓄に回ったといわれゆう20兆円の使い道に、選ばれるかどうかっちゅうことながよ。


【3】司牡丹のSTORY〜「志のSTORY」と「品質のSTORY」〜
写真4 司牡丹 志のSTORY<1>








お次は「司牡丹のSTORY」で、まずは「志のSTORY」について、語らいてもうたがやき。
写真5 竹村維早夫のSTORY

「司牡丹の歴史と由来のSTORY」、「日本を創った偉人たちと司牡丹のSTORY」、ワシの曾祖父「竹村源十郎のSTORY」、ワシの父「竹村維早夫のSTORY」、ほんでワシ、「竹村昭彦のSTORY」っちゅう順番に、受け継がれる「志」について、語らいてもうたがよ。


続いては、「司牡丹のSTORY」の2番目、「品質のSTORY」ながやき。


「水のSTORY」、「米のSTORY」、「技のSTORY」、「心のSTORY」について、それぞれ詳しゅうに語らいてもうたがよ。
写真6 品質のSTORY 水写真7 品質のSTORY 心









ほんで、「司牡丹のSTORY」のまとめとしちゃあ、以下のとおりながやき。


ここ100年間ばあを振り返りゃあ、一貫して品質のブラッシュアップをベースに、新たな領域に挑戦することで、危機を乗り越えてきた100年間やったといえるがよ。


人々の心の荒廃がさらに進行しゆうコロナ禍、アフターコロナにおいて、さらなる品質のブラッシュアップをベースに、日本酒で「心の豊かさ」や「精神的な幸せ」を提供するっちゅうことしかないがやき!


【4】日本酒に「意味のイノベーション」を!
写真8 日本酒に意味のイノベーション
「心の豊かさ」や「精神的な幸せ」を日本酒で提供するたぁ、つまり日本酒に「意味のイノベーション」を起こすことやといえるがよ。


一般に「イノベーション」たぁ、「技術のイノベーション」のことで、そりゃあテクノロジー開発の背中を押す「技術革新」のことながやき。


一方「意味のイノベーション」たぁ、市場に“新しい意味”をもたらす土壌を創るっちゅうことながよ。(参考:「デザインの次に来るもの」〜これからの商品は「意味」を考える〜 安西洋之・八重樫文 著)


電灯がこればあ普及しちゅうに、ロウソクはなんで今も売れ続けゆうかっちゅうたら、「食事のムードを楽しみたい」っちゅうロウソクの新たな意味に、誰かが気づいてそれを広めたきながやき。


つまり、ロウソクに「意味のイノベーション」を起こしたっちゅうことながよ。


考えてみりゃあ、日本酒の「意味」も、時代によって様々に変遷してきちゅうがやき。


「神事のための魔法の水」、「神と一体化するためのツール」、「人生儀礼における必需品」、「憂いを晴らす飲み物」、「酔うための道具」、「後輩イジメの定番」・・・


ほんで現在はっちゅうたら、「飲みよったらちくとツウっぽう見える、まあまあ美味しい珍しい飲みもん」といった程度ながよ。


今こそ日本酒に“新しい意味”をもたらす、「意味のイノベーション」が求めらゆうがやき!


また、コロナ禍のピンチをチャンスに変えるっちゅう意味でも、「意味のイノベーション」しかないがよ。


ほんでワシゃあ、一昨年12月に、小冊子「なぜ、日本酒をうまく活用する人は幸せになれるのか?」(〜日本酒に興味などない普通の皆さんのための、知らないと損する日本酒活用法〜)を緊急発行さいてもうたがやき。


さらに、「酒道 黒金流」の仮のホームページを12月下旬にオープンし、昨年3月にゃあ正式オープンに漕ぎ着けたがよ。
写真9 酒道 黒金流

「酒道 黒金流」(https://shudo-kurogane.jp/ )は、ソムリエや唎酒師らあみたいな資格や職業やのうて、日本酒を媒介とした「道」を伝えるもんであり、これこそが日本酒の「意味のイノベーション」やと、ワシゃあ考えちゅうがやき。





【5】高知県酒造組合のSTORY
写真10 県酒造組合のSTORY 風土 山

お次は、「高知県酒造組合のSTORY」で、まずは土佐の高知の「風土のSTORY」について、語らいてもうたがよ。


鮮度抜群の山・川・海の幸に日本一恵まれた高知県の、まずは山の幸にゃあ、<春>イタドリ<夏>リュウキュウ<秋>柚子<冬>葉ニンニクらあがあるがやき。


次に、川の幸にゃあ、<春>川エビ<夏>鮎<秋>ツガニ<冬>川ノリらあがあり、海の幸にゃあ、<春>ドロメ<夏>初鰹<秋>サバ<冬>ウツボらあがあるがよ。


さらに、土佐の高知にゃあ独特の豊かな食文化があり、土佐の酢みかん文化(柚子、ブシュカン、直七らあの香酸柑橘類を酢として多用する文化)と、土佐寿司文化(柚子酢を酢飯に使うた野菜寿司「土佐田舎寿司」等、何でも寿司にすると言われるばあ多様な郷土寿司文化)らあが存在しちゅうがやき。


さらにさらに、食を引き立てる日本一旨い辛口酒、土佐酒(全18蔵)があり、明るうて、人なつっこい土佐人気質があり、独特の「おきゃく文化」「なかま文化」をベースとした楽しい土佐の宴があるがよ。
写真11 土佐酒のSTORY 辛口ベース

つまり、「食が美味しい!酒が旨い!人が明るい!そして世界一宴が楽しい酒国土佐!」やっちゅうことながやき。


続いては、「土佐酒のSTORY」(〜なぜ今、土佐酒が一番面白いのか?〜)ながよ。


なんで今、土佐酒が一番面白いがかっちゅうたら、まずは「そんな風土・地域性・食文化と密接につながった辛口酒が頑としてベースにある」っちゅうことが根本で、それをデータで証明しもって、まずはお話さいてもうたがやき。


そのベースの上に、「真逆の酒質である超甘口酒(CEL24)も各社から発売されいずれも大人気!」、「バラエティに富む高知酵母と県産米らあを駆使し18蔵ならではの個性が豊か!」、「分析結果等を共有し全体のレベルの高さ日本一!その証明!本年度全国新酒鑑評会入賞率・金賞率とめに日本一!」、「産官学が連携(土佐酒振興プラットフォーム)し常にブラッシュアップ!米も酵母も、未来品質も!」、「土佐酒として一丸となったブランドコンセプト(TOSA NAKAMA SAKE)が明確!」、「世界初のユニークな取り組み!宇宙酒、深海酒、宇宙深海酒!」、「『なかま』を広げるツール『酔うちゅう部』も誕生!さらに世界へ!」、「園芸王国である土佐ならではのリキュールもバラエティ豊富!」、「あちらからもこちらからも応援者続出!天も土佐酒を応援?!」(2023年春の朝ドラ「牧野富太郎」!2024年春、「dancyu」植野編集長が発起人となり映画「OKYAKU」公開予定!)……ちゅう面白いネタがズラリとあるっちゅうことを紹介さいてもうたがよ。
写真12 バラエティ豊富写真13 レベルの高さ日本一!









写真14 土佐酒ブランドコンセプト写真15 宇宙深海酒!









写真16 酔うちゅう部!









ほんで締め括りにゃあ、「食が美味しい!酒が旨い!人が明るい!そして世界一宴が楽しい酒国土佐!」じゃっちゅうて、そう遠くない未来にゃあ、土佐にゃあ世界中から人々が集まり、土佐の高知がサン・セバスチャンを超える日がくるやろうっちゅうて、断言さいてもうたがやき。
写真17 あちこちから応援!写真18 サンセバスチャンを超える日!









だいたいこんなようなお話をさいてもうて、ワシの講義は終了したがよ。


皆さん、熱心にご聴講いただき、まっことありがとうございました!


ほいたら最後に、学生の皆さんからいただいたアンケートの中から、悦びの声の一部を、以下にご紹介さいていただきますぜよ。


●辛口の日本酒は苦手意識を持ってましたが、本日の講義を聞いて、お刺身と一緒に嗜んでみたいと思いました。


●高知の文化を大切に地域とともに高知の酒蔵が発展してきたことが分かりました。私は高知のおきゃく文化が大好きなので、学生としてこれを広めることが何かできないかと考えるきっかけになりました。


●最近少しずつ日本酒を飲むようになってきていて、丁度地元のお酒から知っていきたいと考えていたため、とても面白い1時間半でした。私はまだ「亀泉」などのフルーティーな飲みやすいものしか美味しさを理解できていないため、少しずつ辛口酒にもチャレンジしていきたいです。


●大変面白く、高知県が好きになった。日本酒は苦手だが、これを機においしく飲めるようになりたいと思った。


●今回の講演で土佐酒、品質重視の歴史を知り、経営学視点、歴史的視点、地域学視点から興味が湧きました。私はお酒(炭酸)が飲めないのですが、炭酸のない日本酒をいつか日本食とともに味わってみたいと思いました。また、辛口を大切にし、甘口もおさえる方針、そして意味のイノベーションを行う姿勢が、長年愛され続ける理由なのだと感じました。


●日本酒の楽しみ方は無限大であると思いました。日本酒は、もっと大人になってからしか楽しめないと思っていたけど、私でも充分に飲んで楽しむ事ができると感じました。また、お風呂に入れたり、飲むだけじゃない楽しみ方もしたいです。















土佐の高知の日本酒蔵元「司牡丹」の公式ホームページは、こちらをクリック!
司牡丹酒造株式会社


Posted by tsukasabotan at 10:37│Comments(0)