「ありがとうを多う言うたら、ストレスが少のうなるぜよ。」(斎藤茂太)
モタさんの愛称で親しまれた、「心の名医」の異名も持つ精神科医であり、著述家・随筆家でもある、斎藤茂太(1916〜2006)さんの言の葉ながやき。
世の中の真実として、実は逆説的なことが真実やっちゅう場合が少のうないがよ。
真理と反対なことを言いゆうようで、実は一種の真理を言い表しちゅうっちゅうんが逆説ながやけんど、今回の言の葉はまさにそれながやき。
様々な要因によって、自分の体や心に出てくるネガティブな症状のことを、ストレス反応っちゅうがよ。
ほんじゃき、普通に考えりゃあ、自分に溜まっちゅうストレスを減らそうと思うたら、自分の体や心のために何かプラスになることを自分にしちゃらにゃあいかんと、思うてしまうもんながやき。
ほいたら、そんときの視点は自分の方に向いてしまうがよ。
「どうすりゃあ、自分の体は悦ぶろうか?」「どうすりゃあ、自分の心は晴れるろうか?」……ちゅう具合に、自分のことばっかし考えてしまうがやき。
けんどそれじゃあ、いつまで経ったち、ストレスは減らんがよ。
ひるがえって、「ありがとう」っちゅう言葉を多う言えるっちゅう状態は、自分のことやのうて、他人や周囲の方に視点が向いちゅうがやき。
他人や周囲に対して、本気で感謝できて初めて、心から「ありがとう」っちゅう言葉が出てくるがよ。
つまり、まさに逆説的やけんど、自分のことはさておいて、他人や周囲の言動や存在に対して、心から感謝するっちゅう行為が、実は自分のストレスを減らすことにつながるっちゅうことながぜよ。