「知らん人に初めて会うて、その笑顔が気持ちよかったら、そりゃあえい人間やと思うて差しつかえないぜよ。」(フョードル・ドストエフスキー)
代表作「罪と罰」「カラマーゾフの兄弟」らあで知られる、帝政ロシアの小説家・思想家で、トルストイ、ツルゲーネフと並び19世紀ロシア文学を代表する文豪、フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー(1821〜1881)さんの言の葉ながやき。
初めて会うた人の笑顔が気持ちよかったっちゅうだっけで、その人をえい人間と思うて差しつかえないらあて、今の時代にゃああまりに警戒心が無さ過ぎる、あまりに無防備やないかっちゅうて、大半の人が思うてしまうがやないろうか。
ワシも最初は、そう思うたがよ。
けんど、じっくり考えてみりゃあ、ほいたら自分が今までに初めて会うた人で、「この人の笑顔は気持ちえい!」っちゅうて思うたことが、どればああったかっちゅうたら、あんまりないっちゅうことに気づいたがやき。
誰やち、知らん人に初めて会うた瞬間は、緊張したり警戒したりしてしまうもんやき、なかなか気持ちがえい笑顔らあて、おいそれとできるもんやないがよ。
また、初対面の人のつくり笑いや愛想笑いらあて、直感的にすぐに見わけられてしまうもんながやき。
ほいたら、初対面やに「気持ちがえい」と心から感じられる笑顔ができる人っちゅうんは、緊張も警戒もしてない、つまり自分から既に心を開いちょって、しかもそりゃあつくり笑いでも愛想笑いでもないっちゅうことになるがよ。
つまりは、その人の内面からにじみ出てしまう、自然体の笑顔やっちゅうことながやき。
……ちゅうこたぁ、ドストエフスキーさんの言の葉のとおり、初めて会うた人の笑顔が気持ちよかったら、そりゃあえい人間やと思うたち差しつかえないっちゅうんは、現代やち通用するといえるかもしれんっちゅうことながぜよ。