

最後の方であらためてご紹介さいていただくけんど、約1年半ばあ前に出版されて重版を重ねてベストセラーになっちゅう前著に引き続き、今回の書籍も発売1週間もせんうちに重版となっちゅうようで、間違いのう現代ビジネスパーソン必読の書籍ながやき。
まず小阪先生は、今起こっちゅう物価高は決して、一過性の物価上昇や価格高騰やないっちゅうがよ!
つまり、コロナ禍や戦争が終わったち、この流れは変わらんし、今後は物価が常に上がっていく時代がやってくるっちゅうがやき。
ほんじゃき、日本人は特に、これまで「安いことはえいこと」っちゅう固定観念に縛られちょったけんど、そんな時代はもはや終わったっちゅうがよ。
よう値上げについてのインタビューらあで主婦が、「生活費を節約せにゃあ!」と答え、実際にチビッとやち安い日用品を購入しょうとしゆうようなけんど、その一方で趣味のクラフトにゃあ進んで高額な材料を使うたり、はまっちゅう韓流の「推し活」にゃあ大いにつぎ込んだりしゆうがやき。
これが、現在の消費者像ながよ。
つまり、「消費者は二つの顔を持っちゅう」っちゅうことながやき。
ここでいう「節約」たぁ、「予算配分」の話ながよ。
限られた予算の中で、配分したいもんにお金をより配分するために、どうじゃちえいもんは切り詰めるがやき。
この二つの顔はスイッチを切り替えるように、一人の人間の中で一瞬にて切り替わるがよ。
ほんじゃき、インタビューを受けた際にゃあ節約のほうのスイッチが入り、「生活費を節約せにゃ」っちゅうて答えるがやき。
現代の消費者心理を表しゃあ、「どうでもえいもんにゃあお金は使わんけんど、自分にとって意味があると思うたら、惜しみのうお金を使う」っちゅう、「意味合い消費」ながよ。
ほんじゃき、現代の消費者は「欲しいもんがない」き貯金しよって、日本人の個人資産は現金預金だけで1000兆円を超えるといわれ、それが流通せんきに日本の景気は良うならんっちゅうて分析されちゅうけんど、この説を小阪先生は、半分真実を突いちょって、半分は真実が隠れちゅうと思うっちゅうがやき。
今の日本において、「自分にとって意味あるもんを消費したい」っちゅう積極的な消費志向はこぢゃんと強いっちゅうんが、小阪先生の見立てやっちゅうがよ。
心理学者ヴィクトール・フランクル博士の著者「夜と霧」にゃあ、ナチスの強制収容所で生き延びることができた人は、「生きる意味を持っちゅう人」やったっちゅうて書かれちゅうとおり、人は「意味がありゃあ生きられる」けんど、「意味を失やあ死ぬ」っちゅうことながやき。
ほんで小阪先生は、「意味合い消費」とお客さんの「配分」の本質を物語る興味深い事例として、食品ミニスーパーの事例をあげるがよ。
同店は、商圏人口わずか800人っちゅう過疎が進む地方の町にある、面積45坪のミニスーパーで、今から13年前に廃業寸前となって、小阪先生の会に入会したっちゅうがやき。
ほんで、そこで学んだ、「たのしい」を軸にした店作りへの転換と絶え間ない改善らあにより、顧客から「明日行くと決めた瞬間からワクワクする!」とまで評価されるようになり、入会からわずか3年後にゃあ、過去最高の売上・利益にV字回復し、店舗販売のみで過去最高を更新し続けゆうっちゅうがよ!
しかも、一昨年の11月に、同店から車で5分ばあの近所に、同店の10倍の規模の大型食品スーパーがオープンしたがやけんど、それでも客数・売上ともに落ちるこたぁのうて、過去最高を更新し続けゆうっちゅうがやき。
小阪先生は、次のように語るがよ。
「たしかに、『スーパー』っちゅう点じゃあ両者は同じながやき。
けんど実は、『意味合い』っちゅう点じゃあ『別のもん』ながよ。」
同店を訪れるお客さんの何気ない一言に、「ここの帰りに、スーパーに寄って帰ろうね」っちゅう声があるっちゅうくに、まさに端的に現れちゅうがやき。
また小阪先生は、「何にお金を使うか」が厳しゅう問われる時代になったけんど、そりゃあピンチでもあり、チャンスでもあるっちゅうがよ。
今まで何とのう100円で買いよったもんが120円になったき、まっと安い別の商品がないろうかと類似品を探しゆううちに、価格は150円やけんど、それまで知らんかったもんが見つかった……そんとき、それに「意味」を見出だすことができりゃあ、むしろ今までよりか高いもんを買うっちゅうスイッチは必ず入るっちゅうて、小阪先生は断言するがやき。
ほんじゃき、自分の扱う商品にちゃんと「意味」があると判断すりゃあ、その「意味」を、お客さんにとっての「価値」を、ちゃんと伝えることができちゅうろうかっちゅうがよ。
小阪先生に言わせりゃあ、多くの日本の企業や店舗が、せっかくえいもんを作り売りゆうに、その価値を伝えることを怠っちゅう……より正確に言やあ、「伝えてない」ことに気づいちゃあせんっちゅうがやき。
次に小阪先生は、お客さんがものを買うまでにゃあ、「二つのハードル」を越える必要があるっちゅうがよ。
最初のハードルは「買いたいか、買いとうないか」、ほんで、その先のハードルが「買えるか、買えんか」やっちゅうがやき。
ほんで、高いがは一つ目のハードルで、それに比べりゃあ二つ目のハードルはごく低いもんやっちゅうがよ。
ちゅうことは、ワシらあはまず、お客さんに最初のハードルを越えてもらわにゃあならんがやき、そのためにゃあ価値を、つまり「おまさんがこの商品を買う意味」を伝えにゃあならんっちゅうことで、それさえ伝えれりゃあ、価格のハードルは意外と低いっちゅうがやき。
そりゃあつまり、「価格を語る前に価値を語れ」っちゅうことで、そりゃあ値上げ局面においたち同じことやっちゅうがよ。
事例に上げられちゅう、ある惣菜店じゃあ、自慢のビーフシチューがあったけんど、あんまり売れてなかったっちゅうがやき。
つまり、その店のPOPにゃあ、「ビーフシチュー 800円」としか書かれなかったき、安い高い以前に、「買いたい」っちゅうハードルを越えられてなかったっちゅうて、小阪先生は解説されるがよ。
そこで、価値を伝えることにして、「大きなお肉をじっくり煮込み余分な脂をとりのぞき、三日がかりで作りました、当店のおすすめです」っちゅうPOPに書き換えたっちゅうがやき。
たったこれだけのことやけんど、これにより多くの人の「買いたいのハードル」を越え、売上は一気に例年の2倍になったっちゅうがよ。
小阪先生は、この後も様々な事例を上げて詳しゅう解説されちゅうがやき。
そん中じゃあ汎用品についても、もちろん「価値」があるっちゅうて語られ、どんなもんやち「お客さんにとっての価値につながること」を伝えりゃあ伝えるばあ、価値は上がるっちゅうて断言されるがよ。
ほんで、あとはそれをどう引き出し、どう伝えるかだっけの話やっちゅうがやき。
どればあの汎用品やち、どればあ全国各地の売り場に並んじゅう商品やったとしたち、「けんど、やっぱし伝えるがぜよ」っちゅうがよ。
なんでかっちゅうたら、自社から見りゃあ無数に近い売り場やったち、その売り場でその商品に出会う一人ひとりのお客さんにとっちゃあ、一つひとつの出会いやからやっちゅうがやき。
また小阪先生は、こちらがお客さんの懐の心配をするがは、むしろ失礼な話やっちゅうがよ。
自分にとって価値があると思やあ、そのためにお金を使うてくれるがが現在の消費者ながやき、こちらは「ただ、価値を伝えることに全力」になりゃあえいっちゅうがやき。
ほんじゃき結論として小阪先生は、「『価格』は『価値』に従う」っちゅうことで、本気で「価値」を語り、「価値」あるもんになりさえすりゃあ、「価格」は消滅するっちゅうて、力強う語られるがぜよ!
さらに小阪先生は、どればあ日本経済が厳しい状態になったとしたち、究極的に言やあ、おまさんの会社やおまさんが売りゆうもんに配分してもらやあえいっちゅうことながやき、意識すべきながは「顧客の心のシェア」やっちゅうがよ。
また、書籍の後半じゃあ、BtoBのビジネスの事例も、結構紹介されちゅうがやき。
特に、製茶メーカーが価値を伝えていくことにより、取引先を「同志」にしていくことによって、川上から川下まで価値が流れるサプライチェーンが構築されゆうっちゅう事例らあが、ワシらあの「日本名門酒会」のサプライチェーンにとっちゃあ、こぢゃんと学びになるがよ。
さらに、ドライフルーツらあの食品を扱うBtoB卸業を営む会社の事例も紹介されちょって、この会社じゃあ「サプライチェーンの川上から川下まで価値が流れる」ことを「価値のバトンをつなぐ」っちゅうて表現されちょって、まさに言い得て妙ながやき。
ほんで、小阪先生は現在、チルド食品卸や業務用食品卸らあの事業を行う大企業の、川上から川下まで価値が流れるサプライチェーン、価値のバトンリレーの「同志」ネットワークの構築を、お手伝いされゆうっちゅうがよ。
その主な取引先は、全国のスーパーやドラッグストアや、業務用として街の洋菓子店らあで、その数は半端ないばあ多いっちゅうがやき。
そんな中で小阪先生らあが取り組みゆうことの一つは、バトンの渡し手である、多くの会社で現在「営業」と呼ばれゆうスタッフの育成やっちゅうがよ。
これまで「卸す」ことやった彼らあの仕事を、「売り場作りを通じ、顧客(最終消費者)に価値を伝え、商品と顧客(最終消費者)を育てる」仕事に進化さいていくっちゅうがやき。
もちろんそれと協働するがは、彼らあの卸先、とりわけ各店舗やっちゅうがよ。
現在は、卸先の一部の店舗との協働を通じてこの進化を進めゆうところらしいがやけんど、さらにこの先に志向しちゅうこたぁ、協働先である卸先の各店舗との協働を広げていくことやっちゅうがやき。
すなわち「同志」ネットワークの拡充やっちゅうがよ。
このあたりの内容は、「日本名門酒会」に関わる、メーカー・本部(大卸)・支部(2次卸)・加盟店(酒販店)の皆さん全員にとって、こぢゃんと参考になるはずやき、是非とも皆さん全員に読んでいただきたいもんながよ!
さらに小阪先生は、「今、目指すべきは『マスタービジネス』への道」やっちゅうがやき。
マスターたぁ「師匠」のことながよ。
「お客様は神様です」っちゅう言葉があるけんど、そりゃあちくと違うちょって、売る側と買う側とは本来対等であり、むしろ商売人は自分の商売の分野においちゃあお客さんよりかずっと詳しゅうて、一方お客さんはお客さんで、自分の知るべきことを知らんまんまで苦労しよったり、まっと楽しい世界があるがを知らんまんま過ごしゆうがやき。
ほいたら商売人はそれを解決すべく、顧客に有益な価値を提供する「師匠」であるべきやないか?その意味においちゃあ、お客さんは「弟子」と呼ぶべき存在やないか?……そんな思いが込められたがが「マスタービジネス」っちゅうコンセプトやっちゅうがよ。
「お客さんがまだ知らん価値を教える」ことによって、お客さんから対価を得るっちゅうんが「マスタービジネス」であり、「マスター」たぁ、言い換えりゃあ「価値の運び手」やっちゅうがやき。
このあたりの事例もこぢゃんと豊富で、全国の地酒専門店の皆さんらあが「マスタービジネス」を目指す際にゃあ、こぢゃんと参考になるはずながよ。
ちなみに、前出の過疎の町にあるミニスーパーの事例をチョコッと紹介すゃあ、商圏人口800人、店舗面積も45坪とちんまい店やに、ワイン売り場が異常に充実しちょって、「ドンペリ」まで置いちゃあって、それらあが当たり前のように売れていくっちゅうがやき!
その理由は、店主がある時から「マスター」としてワインの楽しさを伝える活動を始め、長年かけてワインの価値を周辺の人らあに伝えていき、顧客を育てていった結果、徐々に扱うワインが増えていき、今じゃあ高級ワインまで売れるようになったっちゅうことながよ。
重要ながは、この「お客さんを育てる」っちゅう視点やっちゅうがやき。
「お客さんを育てる」にゃあ時間がかかるけんど、一方で人の脳にゃあ「可塑(かそ)性」と呼ばれる特徴があり、「一度価値を知ってしもうたら、元にゃあ戻れん」っちゅうことながよ。
こんな事例の話をしたらスッと、「いやあ、その店の地域はえいお客さんが多いがよ。うちじゃあとても……」っちゅう反応が返ってくることが多いがやき。
けんど、もういっぺん言わいてもらやあ、商圏人口800人の過疎の町のミニスーパーぜよ!
おらんがはえいお客さんやないがよ!「マスター」がおらんだけながぜよ!っちゅうて、小阪先生は力強う言い放つがよ。
さて、ちくとアツうなってこぢゃんと長うなってしもうたけんど、最後に小阪先生の前著、「『顧客消滅』時代のマーケティング 〜ファンから始まる『売れるしくみ』の作り方〜」(小阪裕司 著 PHPビジネス新書 2021年3月11日発行 870円+税)も、ここであらためてお薦めさいていただきますぜよ。


ちなみにこちらの前著についちゃあ、以下のワシの1年半ばあ前のブログにて、ご紹介さいてもうちゅうがやき。
https://tsukasabotan.livedoor.blog/archives/51984523.html
今回ご紹介さいてもうた書籍と併せて読みゃあ、こりゃあもう鬼に金棒っちゅうもんながよ!
2冊ともに、現代のビジネスパーソンにゃあ、まさに必読の書籍ながぜよ!
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