「前進できん駒はないぜよ。」(中原誠)
十六世名人、永世十段、永世王位、名誉王座、永世棋聖っちゅう5つの称号を保持し、2009年3月に引退した将棋棋士、中原誠(1947〜)さんの言の葉ながやき。
将棋の駒にゃあ、いろんな進み方の個性があるけんど、確かに前進できん駒らあひとつもないがよ。
つまり、「前進できん駒はない」っちゅう言の葉にゃあ、駒やち人間やちみんなあ進み方に個性はあるけんど、前進できん人間らあて1人もおらんぜよっちゅう意味が込められちゅうがやないろうか。
「飛車」みたいに縦横無尽に進めるもん、「角」みたいに斜めにひとっ飛びできるもん、「桂馬」みたいにトリッキーな進み方ができるもんもおりゃあ、「歩」みたいに一歩ずつ前に進むことしかできんもんもおるっちゅうことながやき。
そりゃあ、どれが偉いとかっちゅうことやのうて、それぞれの個性やっちゅうことながよ。
自分の進み方の個性を知り、一歩ずつやち前進しよったら、「歩」やち「金」になることもできるし、さらに勝負の決め手となる一手にやちなれるっちゅうことながぜよ。