今回は、ワシが創始して立ち上げさいてもうた、日本酒を媒介とした「もうひとつの道」、「酒道 黒金流」ホームページ(https://shudo-kurogane.jp )の「門前編 其の弐」に、新しいコンテンツとして「『酒道 黒金流』奥義『共感覚唎酒法』をさらに磨き上げる!」を、先日の12月24日にアップさいていただきましたきに、動画も文章も無料で観ることができますき、是非たくさんの皆さんにご覧いただきたいがよ。
「酒道 黒金流」が創始されて入門者を募集し始めてから、もう2年近くになるっちゅうことで、これまで入門者の方々だっけにしか公開しちょらんかった、「酒道 黒金流」ならではの奥義のひとつといえる「共感覚唎酒法」を、前回入門者外の皆様に初公開させていただいたがやけんど、今回はその技をさらに磨き上げるための情報らあを、新たに提供させていただくがやき。
ちなみに「共感覚」たぁ、「文字に色が見える」とか「色に音が聞こえる」とか、五感のうちの2つの感覚が同時に働く知覚様式のことで、「共感覚保持者」は何千人に1人程度の割合で存在しちょって、優れた芸術家らあに多いと言われるがよ。
ほんで「共感覚唎酒法」たぁ、日本酒を唎酒する際に、その日本酒の香り(嗅覚)や味わい(味覚)を、カタチや色や風景(視覚)、擬音語・擬声語や音や音楽(聴覚)、手触りや身体感覚や擬態語(触覚)で表現してみるっちゅう、これまでになかった唎酒法ながやき。
このトレーニングを重ねていきゃあ、唎酒能力がアップするのみならず、嗅覚や味覚が鋭敏になり、あらゆる感覚が研ぎ澄まされていき、五感や表現力が磨かれて、さらにコミュニケーション能力も高められるっちゅうもんながよ。
https://shudo-kurogane.jp/shudo/gate02/gate02_22.html
【「味ことば研究ラボラトリー」の「おいしい味の表現術」に学ぶ】
まずは、「おいしい味の表現術」(瀬戸賢一 編 味ことば研究ラボラトリー 集英社インターナショナル新書 2022年2月12日発行 900円+税)っちゅう新書本をご紹介さいていただくがやき。
こちらの書籍は、味にまつわる言葉を研究しゆう言語研究者集団、「味ことば研究ラボラトリー」の10名の先生方が、その研究成果を執筆されたもんながよ。
専門書やのうて新書やき、一般の方向けにこぢゃんと分かりやすう、かつまっこと面白う書かれちゅうがやき。
編者の瀬戸氏は、「はじめに」にて、「いまや日本におりながら世界各国の食材からスパイスまでなんじゃち揃う。足りないがはことばによるオーダーメイドの味つけじゃ。まっと味を表現する努力をせにゃあ。それも真剣に。ことばの貧困は巡り巡って食の均一化と質の低下をまねきかねんきに。」と語るがよ。
ほんで、「序章 ことばから味へ・味からことばへ」も瀬戸氏が担当されちょって、そん中にて本書で使われてちゅう「味ことば」っちゅう用語を紹介しちゅうがやき。
その意味は、「味を表す一般性のあることば」っちゅうもん。
そのキモは、「一般性のある」っちゅう点で、あんまりにも特殊な表現は、味を人に伝えるにゃあ不向きっちゅうことで、「味ことば」は意味が共有できるもんやないといかんと語るがよ。
【「おいしい味の表現術」に登場する共感覚表現】
ほんで、この「序章」にて、「共感覚表現」が登場しちょって、まさに我が意を得たりながやき。
瀬戸氏は、人にゃあ視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感が備わっちゅうけんど、それぞれの感覚にゃあ固有の知覚があり、その表現があるっちゅうがよ。
「明るい」は視覚、「うるさい」は聴覚、「甘い」は味覚っちゅうように。
ところが実際の運用にあたっちゃあ、しばしば表現不足が生じて、これを補うために各感覚はことばの貸借を行うがやと語るがやき。
たとえば、バイオリンの音を「なめらかな音」と表現すりゃあ、「なめらかな」は本来触覚のもんやき、触覚が聴覚に表現を貸した共感覚表現となるっちゅうがよ。
このような貸借関係は、五感の間での組み合わせをすべて挙げりゃあ(5つの感覚ひとつにつき4とおりできるき)20とおりできるけんど、各組のやりとりは均一やあないっちゅうがやき。
貸し手となることが多い感覚と、主に借り手に甘んじる感覚があり、こりゃあ各感覚に固有な表現の数に多寡があるからやっちゅうがよ。
たとえば本来的に嗅覚の表現は多うないし、聴覚も擬音語を除きゃあ、いくつ数えられるやろかと語るがやき。
形容詞類じゃあ、うるさい、やかましい、騒がしい、静かな、らあが挙げられるけんど、すぐにあとが続かんなるっちゅうがよ。
ちなみに「大きな音」っちゅうんは、気づきにくいかもしれんけんど、これも共感覚表現やっちゅうがやき。
「大きな」は、空間に関する視覚表現で、音そのもんにゃあ、たとえばメジャーで測れるような大きさはないがやと。
また、英語で「big sound」っちゅうんも同じで、共感覚表現は世界中のことばで確認され、表現のメカニズムもだいたい共通することがわかっちゅうと語るがよ。
ほんで、味覚は貸し手にまわることもあるけんど、圧倒的に借り入れが多いっちゅうがやき。
これはどういてかっちゅうたら、確かに基本五味の表現があり、より一般的な「おいしい」らあもいくつか存在するけんど、ワシらあの舌の欲求はとどまることをしらんと、新しい味、珍しい味、グルメな味と出会うと、違いをはっきりさせるために、ことばのハンティングをはじめるからやっちゅうがよ。
そんな味覚の共感覚の4つのパターンは、次のとおりながやき。
➀<触覚→味覚>…軽い味
➁<嗅覚→味覚>…香ばしい味
<視覚→味覚>…薄っぺらな味
ぁ稍鯵丐味覚>…静かな味
➀〜い呂垢戮董¬3舒奮阿隆恭个鮓挟恭弌壁集修梁澆啓蝓砲箸靴董¬3个防集修鯆鷆,垢襯僖拭璽鵑笋韻鵑鼻△韻辰靴涜佚やないっちゅうがよ。
➁とい麓体磴乏しいのに対して、➀とは豊かやっちゅうがやき。
➀の触覚が原感覚になる味覚表現が多い、ちゅうんは意外かもしれんけんど、触覚は分業が進んじょって、温覚・冷覚・痛覚・圧覚らあのほかに、テクスチャーの知覚もあるがやっちゅうがよ。
素材の硬軟や乾湿を判断する役割を担い、これらあを表すことばも多種多様やっちゅうがやき。
オノマトペ(一部は聴覚とも関係する)のパリパリ、サクサク、しっとり、らあも豊富じゃっちゅうて語るがよ。
ほいたらの視覚はどうかっちゅうたら、すぐに気づくがは、「深み」と「広がり」やっちゅうがやき。
比較的平凡な言い回しやと感じるろうけんど、「深み」も「広がり」も「味ことば」としちゃあ欠かせんっちゅうがよ。
両者が平凡やと感じられる理由は、たいていの視覚表現の特徴やからやと語るがやき。
結論的にいやあ、確かな数字は示せんけんど、視覚の表現が他の4つの感覚を上回って数がもっとも多いからやっちゅうがよ。
こりゃあ、主に知覚感覚器官としての目の働きの多様性と重要性を反映するからや考えてえいと語るがやき。
ほんでさらに、視覚表現が際だちにくいがは、日常言語にあまりにも広う深う浸透しちゅうからでもあり(「広く」も「深く」も視覚表現)、ことばの基礎となっちゅうと考えてえいやろうと語るがよ。
ほんで、➀〜い鯀躪腓靴深体磴箸靴董⊆,諒絃呂魑鵑欧舛紊Δやき。
「わたしは一体、白焼が好物で、蒲焼よりも好きなくらゐだが、野田岩の白焼はさすがによかった。あたたかくて淡泊で、口中でほろりと崩れ、可憐な風情で溶けてゆくのだ。」(丸谷才一「食通知つたかぶり」)
「あたたかく」は触覚、「淡泊」は視覚、「ほろりと」は触覚、「崩れ」は触覚と視覚、「可憐な風情」は視覚、「溶けてゆく」は触覚と視覚であり、これらがすべて味覚に合流すると語るがぜよ。
この後も、【コク・キレ・のどごし」、「生」、「味の『宝石箱』」、「うまいとおいしい」】や、【「マンガな味」、「カレーなるおいしさ」、「ラーメンの味ことば」、「お菓子のオノマトペ」】っちゅうタイトルの内容らあがあり、こぢゃんと面白い表現が目白押しながよ。
そんな中から一点だっけ、山添秀剛氏による、「ラーメンの味ことば」を、ここじゃあご紹介さいていただきますぜよ。
この章じゃあ、「ラーメンの味をXでたとえる」っちゅう手法が紹介されちょって、「共感覚唎酒法」のブラッシュアップにもこぢゃんと役立つがやき。
唎酒の際の香りや味わいを、様々な「X」でたとえて表現してみることで、表現力が磨かれていくっちゅうことながよ。
●「X=格闘技」:「辛味噌のボディブロー」、「パンチのあるヘビー級の味」
●「X=自然」:「吹き荒れる旨味の嵐」
●「X=動物」:「豚骨のコクが駆け抜ける」
●「X=人間」:「紳士的な煮干しラーメン」
さらに最後に、【「ドレミファソラシは虹の七色?〜知られざる『共感覚』の世界〜」に学ぶ】っちゅうことで、「ドレミファソラシは虹の七色?〜知られざる『共感覚』の世界〜」(伊藤浩介 著 光文社新書 2021年3月30日発行 840円+税)っちゅう新書本も紹介さいてもうちゅうがやき。
本書は、気鋭の脳科学研究者が、ドレミファソラシが虹の七色になるっちゅう共感覚の現象をもとに、音階がなんで色を持つがか、さらになんでそれが虹色になるがかっちゅう問題の答えを探る知的な探検の書ながよ。
ほんじゃき本書の主題は、「共感覚唎酒法」のブラッシュアップにつながるような内容やあないがやけんど、過去から現代、一般の方から著名人まで、共感覚保持者の表現例が多数紹介されちゅうきに、彼らあの感覚から学ぶべきもんがあると感じたきに、紹介さいていただくことにしたがやき。
こちらの内容についてや、まっと多くの表現事例や、まっと詳しい内容らあについて知りたい方は、下記をクリックし、無料のYouTube動画やPDF原稿を、是非ご覧いただきたいがぜよ。
https://shudo-kurogane.jp/shudo/gate02/gate02_22.html
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