1月18日(水)は、16時から料亭「濱長」さんにて、今年最初の「土佐伝統お座敷文化を守る会」設立に向けた準備会が開催されたがよ。
「土佐経済同友会・人づくり委員会」の、委員長の中田さんと、副委員長の吉本さんとワシ、「濱長」さんの実佐子女将さんっちゅうメンバーに、「得月楼」さんの松岡社長さんと、高知県中小企業団体中央会の古木さんにもご参加いただいての開催ながやけんど、松岡社長さんがどういたち都合がつかんなって欠席っちゅうことで、5人での開催やったがやき。
ちなみに「人づくり委員会」は、中田委員長さんを中心に、全く新しい基本方針を掲げて活動しゆうがよ。
その基本方針は、以下の通りながやき。
「人づくり委員会では、委員会の活性化に繋がるよう『見える化』を図りながら、運営方針にもある『土佐文化の継承人材の育成支援』をテーマとして取り上げる。なかでも高知県ならではのウリになり、かつ今後の継承が危ぶまれている『土佐の伝統文化』について、その種類や歴史等を調査・研究し、現状把握。それぞれの『土佐の伝統文化』が抱えている、『継承人材の育成』についての問題点を炙り出す。その上で、県・市町村にも参画していただき、『土佐の伝統文化』の人づくりを支援する団体の設立を提言できるように努める。このような『土佐の伝統文化』が持続可能となれば、より魅力的な高知県となり、必ずや経済発展にも繋がるものと考える。」
ほんで、これまでの委員会の流れとしちゃあ、以下のとおりながよ。
令和2年度の1年間は、様々な「土佐の伝統文化」について調査・研究した結果、ほとんどの「土佐の伝統文化」は既に様々な支援の施策等が実施されよったけんど、「土佐のおきゃく文化」を支えてきた「土佐のお座敷遊び文化」や「土佐芸妓文化」らあについちゃあ、何の支援の施策も行われてないことに気づいたがやき。
令和3年度にゃあ、このテーマに絞り込み、他の都府県のお座敷文化や芸妓文化について調査・研究を進め、どこの事例も、地元の経済人らあが中心となって都府県らあとともに、地元のお座敷文化や芸妓文化等の団体を支援しゆうことが判明したがよ。
ほんじゃき令和4年度にゃあ、「得月楼」さんと「濱長」さんに集まってもうて、「土佐伝統お座敷文化を守る会」設立準備会を立ち上げ、これまでに12回ばあ開催し、NPO法人「土佐伝統お座敷文化を守る会」を設立に導くための活動を実施しゆうがぜよ。
今までの経緯は、だいたいこんな感じながやき。
ほんで今回は、まずワシの宿題になっちょった「設立趣旨書」やけんど、申請に必要な書類やのうて、仲間を募るがに必要な書類やき、「設立に向けての思い」っちゅうことで、書かいてもうたがよ。
【NPO法人「土佐伝統お座敷文化を守る会」設立に向けての思い】
「土佐伝統お座敷文化を守る会」設立準備会 代表 竹村昭彦 (高知県酒造組合理事長・土佐学協会理事長・司牡丹酒造社長)
【趣旨】
県外や海外のお客様らあが土佐にお越しになった際、土佐ならではの「おきゃく(土佐流宴席)」を催し、土佐伝統のお座敷文化を体験していただきゃあ、皆さん必ず口を揃えて「こんな楽しい宴席は初めて!」っちゅうて大悦びで語られるがやき。
土佐の高知の一番のウリである、「食が美味しい!酒が旨い!人が明るい!そして世界一宴が楽しい酒国土佐!」の全てがいっぺんに体験できたがやき、当然といえるがよ。
けんど、そんな一番のウリの基礎となる世界一楽しい宴が、消え去ってしまうかもしれんがやき。
コロナ禍となっての約3年、返杯・献杯も、宴会での席の移動も、皿鉢料理の取り分けも、可杯や箸拳などのお座敷遊びも、土佐らしい密な宴席は何ひとつ実践できんなってしもうて、このまんまじゃあホンマに絶滅してしまうかもしれんがよ。
ほんで、もしホンマに絶滅してしもうたら、そりゃあ土佐の高知の一番のウリをいっぺんに体験できる場が無いなってしまうっちゅうことを意味しちゅうがやき。
コロナ禍により、今や世界中で会議はもちろん、集いや飲み会もオンラインで済まされるようになり、世の中は「非接触型社会」にまっしぐらに進みゆうかのようながよ。
けんど、多くの身体心理学者の方々は、「触れ合い」や「寄り添う」ことは人間にとって極めて重要であり、皮膚の交流は本来欠かせないもんやっちゅうて語っちゅうがやき。
さらに、「非接触型社会」を選ぶっちゅうことは、ディストピア(逆ユートピア)の未来を選ぶことになるっちゅうて語る哲学者もおるばあながよ。
ほんで、ワシらあがより多くの仲間らあと心を許して触れ合うたり寄り添い合うたりっちゅうシーンは、日常の中のどこにあるかっちゅうたら、そりゃあリアルで密な宴席の中ながやき。
コロナ禍もいつかは必ず終息するけんど、終息後も「非接触型社会」を目指すっちゅう流れは、確実に残るがよ。
けんど、そんな流れは世の中をディストピアに導くことになるがやっちゅうて誰かが発信し、伝え続けにゃあならんがやないろうか。
つまり、土佐伝統のお座敷文化を守り育てていくっちゅうことは、高知県の一番のウリを守り育てていくっちゅうことにつながり、そりゃあ高知県の発展にとって最も欠かせん、大切なキモやっちゅうことであり、さらにそりゃあ、世界中に広がりつつある「非接触型社会」を目指す流れを押し留める抑止力にもなり、ある意味そりゃあ「世界一楽しい宴のあるユートピア」をこの国に、この世界に残すことでもあるっちゅうことながやき。
ほいたら、土佐伝統お座敷文化を守り育てていく活動が実を結びゃあ、「世界一楽しい宴のあるユートピア」を体験するために、全国各地から、世界中から、土佐の高知にたくさんの人々がやってくることになるがよ。
ほんでそのためにゃあ、NPO法人「土佐伝統お座敷文化を守る会」の設立が必須やと考えちゅうがやき。
ちなみに、この団体の目指す究極の姿は、土佐の高知がサン・セバスチャンを超えるっちゅう姿ながよ。
サン・セバスチャンたぁ、スペインはバスク地方の人口18万人ばあのちんまい街やけんど、世界一の美食の街と言われ、このこぢゃんと交通の便の悪い街に世界中から観光客が押し寄せゆうがやき。(※コロナ禍の現状は分からんけんど。)
今はまだ、土佐の高知はサン・セバスチャンにゃあおよばんがよ。
けんど、NPO法人「土佐伝統お座敷文化を守る会」が設立され、その活動が活性化されていきゃあ、土佐の高知が憧れの地として世界中の国から仰ぎ見られ、世界一楽しい宴を求めて日本中から世界中から観光客が殺到し、サン・セバスチャンを超える日は、そう遠うないやろうと、ワシゃあ確信しちゅうがぜよ。
【当会が守り育てていく「土佐伝統お座敷文化」とは?】
食:皿鉢料理文化、土佐の酢みかん文化、土佐寿司文化など、土佐ならではの伝統的食文化。
酒:伝統的な土佐の食の美味しさを引き立てる、淡麗辛口の伝統的土佐酒文化。
人:全て「なかま」(共有)にして人を楽しませる、土佐ならではの伝統的おもてなし「なかま」文化。(杯を「なかま」にする返杯・献杯、宴会での自由な席の移動、皿鉢の自由な取り分け、老若男女や他人まで皆「なかま」!)※土佐弁で「なかま」たぁ、一般的な同士の意味に加え、共有・シェアの意味もある。
宴:箸拳・可杯など、土佐ならではの伝統的お座敷遊び文化。土佐ならではの家庭における伝統的「おきゃく(土佐流宴席)」文化。料亭などにおける伝統的土佐芸妓文化。
特に、「土佐伝統お座敷文化」の定義っちゅうか範囲を、どこまでにするかっちゅう点にゃあ、かなり悩んだがやけんど、より土佐の高知の発展に寄与するために、さらによりたくさんの皆さんが応援しとうなる内容にするために、上記のとおりにさいてもうたがやき。
皆さんも、こぢゃんと賛同してくださり、まっことホッとしたがよ。
続いては、役員や理事、つまり共に動いてくれるメンバーの候補者名を、いろんな団体らあの名簿を見もって、みんなあで挙げていったがやき。
また、定款の内容についてや、会員・評議員らあについてや、年会費らあについて、いろいろ話し合うたがよ。
こうして18時ばあにゃあ、「土佐伝統お座敷文化を守る会」設立に向けた準備会は、お開きとなったがやき。
ほんでその後は、そのまんま懇親会に移行ながよ。
まずはビールで乾杯の練習をして、「前菜」をいただいたがやき。
【前菜】鱒糀和合、海老おぼろ、黄味寄せ新丈、重ね鯛昆布〆、蛸柔らか煮
特に「重ね鯛昆布〆」と「蛸の柔らか煮」が絶品やって、しかもこりゃあ日本酒の方が合うっちゅうことで、早速「船中八策」(超辛口・純米酒)をお願いしたがよ。
あらためて「船中」にて、みんなあで乾杯したがやき。
【造里】縞鯵、鮪、烏賊、あしらい一色
早速、お次のお造りと合わせていただきゃあ、抜群に旨いこと、旨いこと!
やっぱし刺身にゃあ、超辛口の「船中」が最高ながよ!
そっから後は、「船中」をガンガン酌み交わし、飲んで食べて語り合うて飲んで食べて語り合うて、盛り上がりまくったがやき。
【小鍋】土佐あかうし牛スジ塩煮
お次の牛スジ塩煮が、これまたタマルカっちゅうばあ絶品やって、これまた「船中」がガンガン進みまくってしもうたがよ。
【焼肴】鰤西京焼、金柑蜜煮、酢取り生姜
続いての鰤西京焼きも、当然辛口に合わせるにゃあ大定番やき、またまた「船中」が進みまくり、アッちゅう間に1本がカラになっちょったがやき。
【揚物】虎魚(オコゼ)唐揚げ、レモン、紅葉おろし葱、チリ酢
お次は、オコゼの唐揚げをいただきもって、さらに「船中」を酌み交わしゃあ、箸も杯も会話も弾みまくりになって、大盛り上がりになったがよ。
【留肴】蟹絹田巻、蛇腹胡瓜、若布、花蓮根、黄味酢
続いての留肴は、蟹のうま味と黄味酢の酸味が絶妙やって、またまた「船中」が進みまくって、2本目もほとんど無いなっちょったがやき。
【食事】鮑炊き込み御飯、香のもの
【椀】清まし仕立て、海老真蒸、紅白野菜、三ツ葉
ここでお食事とお椀をいただき、ほっこりと癒されたがよ。
【御留】苺アイスクリーム、りんごプリン
デザートとコーヒーもいただき、ちくと酔いを醒まいて、和まいてもうたがやき。
最近ちくと記憶が怪しゅうなるまで飲み過ぎる会が多かったき、この日はこればあのホロ酔いでぼっちりやったがよ。
とにもかくにも、皆さん今回も、まっことありがとうございました!今後とも宜しゅうお願い申し上げますぜよ!
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