「あらゆるもんの中で最大の富。そりゃあ自ら満ち足りちゅう心境ぜよ。」(エピクロス)
快楽主義らあで知られる古代ギリシャのヘレニズム期の哲学者で、エピクロス派の始祖、エピクロス(紀元前341〜紀元前270年)さんの言の葉ながやき。
どればあ大金持ちになったち、どればあ成功をおさめて多大な名誉を手に入れたち、自分自身が満ち足りてなけりゃあ、絶対に幸福にゃあなれんがよ。
逆に、それほどお金を持ってなかったち、成功といえるほどのもんものうて大した名誉も手に入れてなかったとしたち、自分自身が充分満ち足りちょったとしたら、その人は間違いのう幸福ながやき。
結局、人間にとって最大の富は、お金でも成功でも名誉でものうて、そりゃあ自分自身満ち足りちゅうと思える、そんな心境こそが最大の富やっちゅうことながよ。
自分のやれることを精一杯やって、充分満足できる1週間の仕事を済まいたうえで、日曜日の昼間に寝転んで日向ぼっこでもしもって、大好きな読みかけの本の読書にふける……ワシゃあそんな瞬間に、こぢゃんと満ち足りちゅう心境になるがやき。
確かにそんな瞬間こそが、ワシにとっちゃあ何ものにも代え難い最大の富ながぜよ。