
ほんまは朝9時ばあから集合して、餅つきやら「鯛蒸し」づくりやらをお手伝いせにゃあいかんかったがやけんど、ワシゃあ前日に記憶がアヤフヤになるばあ飲んでしもうて、到着したがはお昼の12時ちょい前ばあやったがよ。
お庭にゃあ、片付けられる直前の餅つきの臼があり、お餅もズラリ完成しちょって、「鯛蒸し」も蒸されゆう真っ最中やったがやき。




邸内に入りゃあ、既に皆さん台所にて、「おきゃく」料理の準備の真っ只中やって、ちくとワシみたいなシロウトが入る余地はなさそうやったがよ。

柚子酢を使うた酢飯づくりやニンニク葉を使うたヌタづくりや、昆布寿司用の昆布の下準備やらが、智子さんの指揮の元、オーケストラのようにテキパキと行われよったがやき。


さらに、捕れたてのサバを柚子酢に浸ける作業や、巻き寿司の具を切る作業やらも次々と手際よう行われよったがよ。




しばし、見守りよったら、柚子酢に浸けたサバの骨抜きっちゅう仕事にありつけたがやき。
サバの骨を抜くばあのこたぁまかいちょきっちゅうて思いよったけんど、身を崩さんように毛抜きで骨をはさんで引き抜くっちゅうんが、なかなかにシンドイ作業やったがよ。
特に老眼の還暦オヤジは目が見えんうえに、次第に握力もないなってくるもんやき、まっこと情けないもんながやき。
いよいよ「鯛蒸し」が蒸しあがるっちゅうことで、みんなあで見にいったがよ。
モウモウと立ち上がる湯気の中から、立派な鯛が出現し、「おお〜っ!」っちゅう歓声があがったがやき。
皿鉢の上にドカンと乗せりゃあ、まっことメデタイ、「鯛蒸し」の完成ながよ!
鯛の中にはさみ込まれちゅうがはオカラながやけんど、智子さんくの実家バージョンは、オカラの具材は葉ニンニクだっけやっちゅうき、ワシの故郷佐川町の「蒸し鯛」たぁ、ちくと違うがやき。
ちなみに今回の「おきゃく」は智子さんの実家、香美市(旧香美郡)香北町蕨野集落の西野家で代々行われゆう「正月おきゃく」の再現やっちゅうがやき、まっこと楽しみながよ。
続いては、白板昆布巻き寿司や黒板昆布巻き寿司を作る作業や、柚子酢に浸けて小骨を抜いたサバを姿寿司に仕上げる作業らあが行われたがやき。






さらに、ひっつけサバ寿司づくりや、巻き寿司づくり、追加の酢飯づくりや栗きんとんづくりらあが行われたがよ。







ふと台所を見りゃあ、「すごいメンツが揃うちゅう!」っちゅうて、「土佐学協会」から撮影係をお願いしちゅうマンボが、興奮気味に声をあげたがやき。

総指揮の智子さんに加え、「旅する料理人」三上奈緒さん、大型バスのキッチンカーで四国四県にて屋外パーティーらあを手掛けゆう「The traveling kitchen YUM」(株式会社味菜)の川西史宏さん、葉山庵の和田亜紀 さん、郷土寿司研究家で寿司職人で寿司作家の「酢飯屋」岡田大介 さんっちゅう、食の専門家だらけのメンバーやって、確かにこの方々が同じ台所に立っちゅう姿は、こぢゃんと貴重ながよ!
さて、「おきゃく作り」はドンドン進み、「鯨の煮物」も煮えてきて、追加の「散らし寿司」も完成し、いよいよメインの「皿鉢」の盛り付けに入るっちゅうことで、ここで智子さんの「ハランの飾り切り教室」がスタートしたがやき。





「皿鉢」にゃあ欠かせんハランの葉っぱを飾り切りにして作るがやけんど、智子さんの指導で、何名かの方々が挑戦されたがやき。
寿司職人の岡田さんも、最近は作ったことないっちゅうて言いもって、海老の形の飾り切りを披露され、皆さんから「おお〜っ!」っちゅう歓声があがったがよ。
いよいよ「皿鉢」のメインとなる「サバの姿寿司」を、切り分けて盛りつける段階に入ったがやき。

「サバの姿寿司」は、智子さんいわく奇数に切らにゃあいかんけんど、9も13も縁起がようないき、11切れに切らにゃあいかんっちゅうことやったがよ。
また、寿司を切る際にゃあ、包丁で丸の柑橘(今回はダイダイを使用)をチョコッと切って湿らせりゃあ酢飯が包丁にくっつきにくうなるっちゅうことやって、周りの皆さんも「へぇ〜っ!」「なるほど!」っちゅうて、感心されちょったがやき。

さあ、「サバの姿寿司」を智子さんの指導どおりに美しゅうに皿鉢の真ん中に盛りつけ、ハランの飾り切りをはさみもって、その周りにいろいろ盛りつけていくがよ。

「サバのひっつけ寿司」「巻き寿司」「昆布巻き」「酢カブ」「大丸」「魚卵煮付け」「貝」「海老」「きんとん」「羊羮」……見事に盛りつけられた「組物皿鉢」の完成ながやき!


そんな合間に、西野家から借りてきたっちゅう、昔ながらの「物据え」や「お膳」や「取り皿」や「赤箸」らあを並べて、伝統の「おきゃくしつらえ」のセッティングも完了ながよ。
この時点で15時やって、ワシが到着してから3時間が経過しちょったがやき。
計画じゃあ16時にゃあすべての準備を終えて、「おきゃく」(土佐流宴会)がスタートする予定ながやけんど、果たしてどうなるやろか?
さて、【前編】はここまでで、この続きの【後編】は、明日のワシのblog & Facebookを、楽しみにお待ちいただきたいがぜよ!
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