1月22日(日)の旧暦正月の日は、「株式会社わらびの」の畠中智子さんが企画された「おきゃくを作ろう!」っちゅう、土佐の食文化の歴史に残るであろう一大イベントが、智子さんの妹さんの大家家、「民泊MAREYA」さんにて開催されたがやけんど、今回はその【後編】ながやき。
ちなみに今回の「おきゃく」は智子さんの実家、香美市(旧香美郡)香北町蕨野集落の西野家で代々行われゆう「正月おきゃく」の再現ながよ。
画像の「西野家のおきゃく『正月』香北町」は、2004年に発行された「土佐のお客」(高知県文化の県づくりを進めるネットワーク)の、ポスターの一部に紹介されたもんながやき。
ところで、【前編】じゃあ伝え忘れちょったけんど、今回の「おきゃくを作ろう!」は、智子さんが指南役で、大半の料理のレシピが窓に貼り付けられちょったがよ。
「鯛蒸し」の詰め物、「鯨の煮物」の具材、「巻き寿司の芯」、「葉にんにくヌタ」、土佐の「寿司飯」、郷土寿司研究家・岡田大介さんの「酢飯」らあのレシピが、ご覧の画像のとおり貼り付けられちょったがやき。
さて、「おきゃく」づくりも後半に入り、岡田さんが刺身盛りをつくるっちゅうことで、寿司職人の見事な手際で、ブリを切ってくださったがよ。
さらに、岡田さんも関わっちゅう安芸市の合同会社シーベジタブルの商材、トサカノリを付け合わせに用意されちょって、「葉にんにくヌタに合うはず!」っちゅうことやったがやき。
見た目も美しい、「ブリとトサカノリの葉にんにくヌタ」の完成ぜよ!
さらに、本職の寿司を握る岡田さんの姿は、流石はいぶし銀のカッコ良さやったがよ。
真ん中にゃあ、時期的にちくと酢が抜けちゅうけんど、龍馬さんも愛した土佐の酢みかん「ダイダイ」を乗せて、アッちゅう間に「寿司盛り皿鉢」の完成ながやき。
その周りじゃあ、昆布巻き寿司らあを切ったり、デザートの「フルーツポンチ」を作ったりと、30分後の16時に予定しちゅう「おきゃく(土佐流宴会)」のスタートに向けて、ラストスパートながよ。
ほいたら岡田さんが、「寒天も海藻ながやき、トサカノリはフルーツポンチに入れたら絶対美味しい!」っちゅうて、急遽「トサカノリ入りフルーツポンチ」が完成したがやき。
さらに岡田さんが、「ファームベジコ」の長崎さんくの胡瓜で「かっぱ巻き」を作るっちゅうことやったき、ワシが冗談半分に「土佐の『チクキュウ』は胡瓜丸ごとを使うがやき、かっぱ巻きも丸ごと使うたらどう?」っちゅうたら、「そりゃ面白い!」っちゅうて即断で挑戦してくださったがよ。
うまいこと巻けるかちくと心配やったけんど、見事な「胡瓜の一本巻き寿司」が完成したがやき。
「サバの姿寿司」ならぬ、「カッパの姿巻き寿司」やっちゅうてワシが命名したら、皆さんにバカウケで、「こりゃあ『チクキュウ』に続く、土佐の名物になるかも!」っちゅう声があがったがよ。
岡田さんの盛り付けも、やっぱし素晴らしいがやき。
一皿はそのまんま、もう一皿は下に「スジアオノリ」を敷いて、その上に「カッパの姿巻き」を乗せるっちゅうニクい演出を即興で繰り出したがよ。
「ファームベジコ」長崎家の2代の嫁も、ニコニコ満面全身満開笑顔やったがやき。
さて、ワシも早速「おきゃく」用の燗酒の準備ながよ。
まずは、「船中八策」(超辛口・純米酒)を4本の徳利に注いで、湯煎で燗酒をつくらいてもうたがやき。
その頃、四国四県にて屋外パーティーらあを手掛けゆう「The traveling kitchen YUM」(株式会社味菜)の川西史宏さんが、大型バスのキッチンカーを移動させるっちゅうことで、家の前にいったん駐車してくださり、みんなあに披露してくださったがよ。
ワシもバスをキッチンカーにするらあて、初めて見たもんやき、車内も見せてもうたがやけんど、まっこと圧巻の厨房やったがやき。
川西さん、ありがとうございますぜよ!
さて、いよいよほとんどの料理が準備できたっちゅうことで、「おきゃく」のしつらえながよ。
「鯨の煮物」「鯛蒸し」「ブリの刺身・葉にんにくヌタ」「寿司盛り」「組物皿鉢」「フルーツポンチ」……物据えの上にズラリと並びゃあ、まっこと迫力満点の壮観さやったがやき。
予定の16時をちくと15分ばあオーバーしちょったけんど、ほぼ予定どおり皆さん着座したがよ。
車の方々にゃあお茶を注ぎ、飲める方々にゃあ「船中八策」の燗酒を注いで、岡田さんのご発声にて、20名ばあのみんなあで乾杯したがやき。
早い方は朝から、ワシも含め何名かの方は昼の12時から手づくりしてきた「おきゃく」が、いよいよスタートしたがやき、まっこと感無量で、お腹もペコペコやったき、燗酒が胃にキュ〜ッと沁みて、旨いこと旨いこと!
宴席全体に、一気に笑顔の花が満開に開いたがよ。
さて、お料理やけんど、岡田さん念願の初体験の「鯛蒸し」を、ご自身が開いたがやき。
ワシも早速いただいたがやけんど、葉にんにくの風味が絶妙なオカラに、蒸し鯛のうま味が加わり、旨いの何の!
しかもこりゃあ、辛口の燗酒にベストマッチやって、「船中」燗酒が進みまくりで、岡田さんとワシゃあガンガン酌み交わさいてもうたがやき。
さらに、冷蔵庫に冷やされちょった、他の司牡丹のお酒も出さいてもうたがよ。
4月スタートの朝ドラ「らんまん」の主人公のモデル牧野富太郎にちなんだ「司牡丹・花と恋して」(純米酒)、宇宙と深海を旅した酵母で仕込まれた世界初の「土佐宇宙深海酒」(純米吟醸酒)、今が旬のしぼりたて生原酒「司牡丹・裏しぼりたて純米生酒」っちゅう3本を、みんなあで注ぎ合うて盛り上がりまくったがやき。
さあ、ガンガン飲みもって、いろんな「おきゃく」料理をいただくぜよ!
ワシの大好物の「ブリの刺身・葉にんにくヌタ」は、これまた絶品で、「船中八策」の燗酒が進みまくりながよ!
さらに、岡田さんお薦めのトサカノリを葉にんにくヌタに付けていただきゃあ、これまた旨いこと旨いこと!
トサカノリの寒天みたいな食感と海の風味に、葉にんにくの風味と酢味噌の甘酸っぱ辛味も加わり、こりゃあナンボやち食べれて、しかも日本酒のアテに最高!
「船中」燗酒がガンガン進んだがやき。
お次の「鯨の煮物」は、これまた葉にんにくタップリで、その風味と鯨肉の濃厚な脂のうま味が絶品の調和!
こちらは「司牡丹・裏しぼりたて」の鮮烈なうま味と見事なマッチングやったがよ!
続いては、「サバの姿寿司」をいただきゃあ、柚子酢の甘酸っぱさとサバの鮮度抜群のうま味が絶妙なハーモニーを奏でて、幸せ感があふれてくるがやき!
「花と恋して」がガンガン進んだがよ。
お次は、スジアオノリ付きの「カッパ姿巻き寿司」をいただいたがやけんど、これまたフレッシュで爽やかでナチュラルな美味しさ!
こりゃあマジで、土佐の新たな名物になるかもしれんがやき。
こちらは「土佐宇宙深海酒」とバッチリやったがよ。
続いては、ご参加メンバーの泉利昆布海産泉谷社長さん提供の昆布を使うた、「白板昆布巻き寿司」と「黒板昆布巻き寿司」をいただいたがやき。
昆布のうま味と柚子酢の酸味が、「司牡丹・裏しぼりたて」と見事に引き立て合うて、これまた箸も杯も進みまくったがよ。
この後は、ちくと遅れて16時頃に参加された大月町柏島のNPO法人黒潮実感センターの神田センター長さんが持って来られた、柏島特産の「ブリのへだ寿司」もいただいたがよ。
さらに神田さんは、珍しい「マグロのチチコ(心臓)」もお土産に持って来られちょって、それを何と生のまんまで「牛レバ刺し」風に胡麻油で調理してくださったがやき。
これまた旨いの何の!
「司牡丹・裏しぼりたて」が進みまくったがよ。
さらに神田さんは、この日1日だっけ、しかも朝9時から2時間だっけ限定で「口開け」として解禁された、希少な大月町柏島のメノリ(岩のり)を、ご自身で収穫してお土産に持って来られちょったがやき。
こりゃあ後から、「お雑煮」に入れろうっちゅうことになったがよ。
さあ、こっから「おきゃく」はドンドン盛り上がりまくりだいて、せっかく県外から参加の方々も多いきにっちゅうことで、土佐伝統のお座敷遊び文化の代表「はし拳」を、ワシが皆さんにレクチャーしもって、ちくと披露さいてもうたがやき。
しばし「はし拳」で盛り上がった後は、いよいよ希少なメノリ入りの「お雑煮」が登場したがよ。
つきたてのスジアオノリ入りのお餅と希少な柏島の「口開け」メノリの入った「お雑煮」は、まっこと全身が癒されるばあホッコリ和み、幸せ感が沁みわたっていく美味しさやったがやき。
その後は、岡田さんの著書、ベストセラー写真絵本「おすしやさんにいらっしゃい!〜生きものが食べものになるまで〜」(岩崎書店)の紹介タイムがあったがよ。
このつい数日前も、高知の幼稚園らあで、岡田さんが食育活動の一環として、魚をさばいて切り身になるまでの観察会らあを開催したっちゅうんが、テレビのニュースらあで流れ、新聞記事にも掲載されたばっかしながやき。
まっこと、岡田さんの活動は、ますます幅を拡げまくりながぜよ!
さて、時間も20時ばあになって、ちらほら帰宅される方々も出はじめ、居残りの「ハラン組」(※土佐の「おきゃく」で、最後まで残って、つまりハランだっけになってもまだ飲みゆう人のこと)が集まってきて飲みだいたき、ラストに残しちょった「司牡丹・きもと純米かまわぬ」を、ワシが湯煎燗酒にして、皆さんと酌み交わさいてもうたがよ。
飲んで食べて語り合うて、飲んで食べて語り合うて盛り上がりまくったがやけんど、やっぱしこれぞ土佐の「おきゃく」ながやき!
いつの間にか「かまわぬ」もカラになり、ついに大家家のお酒まで出していただき、みんなあでガンガン酌み交わしだいたがよ。
こりゃあ、この調子でやり続けたら、ワシゃあもはや帰れんなってしもうて、民泊「MAREYA」さんに岡田さんとともに1泊せにゃあいかんなってしまうと思うたき、ちくとお酒を休憩して、最後にトサカノリ入り「フルーツポンチ」をいただいたがやき。
このトサカノリが、色目も美しゅうて、まさに寒天とおんなじような食感があり、甘いもんがあんまり得意やないワシやち、まっこと美味しゅういただいたがよ。
こうして、ワシゃあちくと記憶がアヤフヤやけんど、おそらく21時ばあにゃあ、おいとまさいていただいたがやき。
さて、今回の「おきゃくを作ろう!」に参加さいてもうて、あらためて台所の現場に大勢が集うっちゅうことの重要性に気づかいてもうたがよ。
つまり、みんなあで台所に集うて、あーやない、こーやないっちゅうてワイワイやりゆう中でこそ、「フルーツポンチにトサカノリを入れる」とか、「胡瓜を一本丸ごと巻き寿司にする」とか、新たな料理や技術らあが生まれてくるがやっちゅうことながやき。
伝統的な土佐の皿鉢料理や今に伝わる様々な郷土料理らあも、実はそんな中から次々に誕生していったがやないろうかのう。
クリエイティブは、「おきゃく」のカオスの中からっちゅうことながぜよ!
こんなエラそうなことを言いもって、後片付けもせんまんまベロベロに酔っぱろうて先に帰ってしもうて、智子さん、大家家の皆さん、まっこと申し訳ございませんでした!
そして、土佐の食文化の歴史に刻まれる素晴らしい「おきゃく」を作りあげてくださった皆さん、まっことまっことありがとうございました!
感謝、感謝ぜよ!
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司牡丹酒造株式会社