「永久の未完成、これ完成ぜよ。」(宮沢賢治)
「雨ニモマケズ」や「銀河鉄道の夜」らあで知られちゅう、岩手県出身の詩人・童話作家、宮沢賢治(1896〜1933)さんの言の葉ながやき。
それがどんな分野やったとしたち、その道を本気で究めろうと思うたら、自分の一生をかけたとしたち、完成といえるレベルに到達することらあて、残念ながら実は不可能ながよ。
この真実を知ってしもうたら、もしかしたら「ほいたら一生かけたち何ちゃあ究めることらあできんやいか!」っちゅうて、ガッカリしてしまうかもしれんけんど、実はガッカリすることらあ何ちゃあないがやき。
どんな分野の道やち、本気で究めろうと思うたら、永久に未完成やっちゅうんは真実じゃああるけんど、それこそが「道」の本質ながよ。
過去のいかなる先人や偉人や聖人やち、そんな永久に未完成の「道」を歩み続けゆう途上で、一生を終えちゅうがやき。
つまり、永久に未完成の「道」やと知りもって、その「道」を永久に歩み続けるっちゅう行為そのものを、この世的に言うたら、それが「完成」っちゅうことながぜよ。