「山へ登る道やち途中にゃあ下ることやってあるがぜよ。」(深田久弥)
読売文学賞を受賞した著書「日本百名山」でよう知られちゅう、小説家・随筆家・登山家の、深田久弥(1903〜1971)さんの言の葉ながやき。
さすがは「日本百名山」の著者らしい言の葉ながよ。
確かに、山へ登る道やち、途中にゃあ下ることやってあるがやき。
この「山へ登る道やち」の「やち」の意味は、人生にやちおんなじようなことがあるっちゅうことながよ。
何かの目標に向こうて進みゆうとき、むしろ目標から遠ざかりゆうがやないかっちゅうときがあるもんながやき。
そりゃあ往々にして、必要な「遠ざかり」やったりするがよ。
つまり、その目標に到達するためにゃあ、いまはちくと遠ざかることが必要やっちゅうときもあるっちゅうことながやき。
このことを知っちょったら、たとえ目標からちくと遠ざかりゆうようなことがあったち、登りたいに一時下りゆうように見えたち、そんなときに必要以上に心配したり、焦ったりするようなこたぁないなるがぜよ。