「迷惑かけとうないきっちゅうて、死んでしまう人がおるけんど、人っちゅうんは迷惑をかけるために生まれてくるがやき。あえて言うたら、どればあ迷惑を許しあえるかが、人と人とのつながりの深さやと思うがぜよ。」(関野吉晴)
探検家・人類学者・外科医・武蔵野美術大学名誉教授で、1999年に植村直己冒険賞、2000年に旅の文化賞も受賞しちゅう、関野吉晴(1949〜)さんの言の葉ながよ。
近年は、「人に迷惑をかけんような人間になりなさい」っちゅうて、子供のときから言われて育ったような人が少のうないがやないろうか。
確かに、人に迷惑ばっかしかけるだっけの人間になってしもうちゃあ、そりゃあいかんかもしれんけんど、よう考えてみりゃあ、人にまったく迷惑をかけん人間らあて、果たしてこの世におるがじゃろうか?
人間は誰やち、誰っちゃあに迷惑をかけんまんまで生きていくらあてこたぁ、実は不可能なことながやき。
お互いがお互い様で、みんなあで迷惑をかけ合うて、その迷惑を許しあうっちゅうんが、人間っちゅう生き物の性(さが)であり、それが人間同士のつながりの深さを生むことにもなるがよ。
ほいたら、「人に迷惑をかけんような人間になりなさい」らあて、教えるべきやあないがやき。
そうやのうて、こう言うべきやないろうか。
人間は、誰しもが人に迷惑をかけんと生きていけんきにこそ、その迷惑をみんなあでお互いに許しあうことで、人間同士の深いつながりが、人と人との絆っちゅうもんが生まれてくるがぜよ!