今回は、2冊の書籍を参考にして、経済学の観点から日本酒の成長戦略を探ってみたいと思うがよ。
まず1冊目は、「お酒はこれからどうなるか〜新規参入者の挑戦から消費の多様化まで〜」（都留康 著 平凡社新書 2022年8月10日発行 本体900円＋税）っちゅう、比較的読みやすい新書本ながやき。
ほんでもう1冊は、「國酒の地域経済学〜伝統の現代化と地域の有意味化〜」（佐藤淳 著 文眞堂 2021年3月15日発行 本体2,600円＋税）っちゅう、やや重めの研究書ながよ。
この2冊は、ともに経済学の観点からお酒や國酒について分析したもんで、ともに「これから」についての展望や、成長戦略の提言らあも記載されちゅうがやき。
まずは、それらあの内容から抜粋してご紹介さいていただき、ほんでワシ、竹村の考えもご紹介さいていただき、「酒道」についても言及してみたいと思うがよ。
https://shudo-kurogane.jp/shudo/gate02/gate02_28.html
【「垂直的製品差別化」と「水平的製品差別化」】
まず、「お酒はこれからどうなるか」の内容から取り上げるがやき。
著者は、日本酒は近年輸出が急増しているもんの、その一方で、酒類の中じゃあ最も厳しい参入規制（新規製造免許の不発行）があり、国内消費も事業者数も減少の一途をたどりよって、通常の衰退産業やったら、ここに新規参入する企業はおらんはずやと語るがよ。
けんど、日本酒の場合、その参入規制を何とか乗り越えて新規参入する企業もわずかながら存在するっちゅうがやき。
その参入の理由を探り、規制緩和に向けた政策提言を行いたいっちゅうて、著者は語るがよ。
ほんでまず、日本酒の製品差別化の2方向として、山口県は旭酒造の「獺祭」と秋田県は新政酒造の「新政」の事例を、著者は挙げるがやき。
まず旭酒造についちゃあ、これまで多くの蔵元が普通酒から純米大吟醸酒までを手がけよったがに対して、旭酒造は純米大吟醸酒のみに特化し、しかも空調設備を完備した大規模工場で、数値管理によって製造しゆうっちゅうがよ。
こりゃあ経済学の用語じゃあ、「垂直的製品差別化」で、精米歩合を日本酒の「機能」に見立てりゃあ、その最高水準である「大吟醸酒」だっけに特化した差別化やきながやき。
しかも大量生産を行いゆうきに、「規模の経済」（生産量の増大に伴い平均費用が低下すること）も享受できるっちゅうがよ。
次に、もうひとつの方向は、新政酒造に代表される、造りの「原点回帰」やっちゅうがやき。
乳酸菌を人為的に投入する速醸法や酵素剤の添加らあの日本酒造りの科学的な「進歩」を否定して、完全無添加の生酛造りや木桶の使用など、江戸時代の造りに戻ろうっちゅうんが「原点回帰」であり、これを経済学の用語じゃあ「水平的製品差別化」っちゅうがよ。
精米歩合っちゅう目に見える「機能」やのうて、造り方のこだわりに「意味的価値」（価格が同じでも消費者が造り手の哲学やメッセージを選好すること）を感じ取る差別化やきやっちゅうがやき。
さらに著者は、近年の日本酒によるイノベーションは、旭酒造的な方向と新政酒造的な方向を両極として、その間に位置してきたっちゅうがよ。
けんど、近年それらあたぁ方向を異にする造り手らあが現れてきゆうっちゅうて語るがやき。
【新規参入者の挑戦】
著者は、全国で日本酒の蔵元が減少しゆう中で、唯一増加に転じた地域があり、その地域たぁ北海道で、このきっかけをつくったがが、2017年に設立された上川大雪酒造株式会社やっちゅうがよ。
同社の塚原敏夫社長は、上川町に酒蔵を立ち上げろうとしたけんど、酒税法の「需給調整要件」により、戦後一度も新規清酒製造免許は認可されちゃあせんがやき。
ほんじゃき塚原社長は、三重県の製造免許を北海道に移転するっちゅう奇策に打って出、粘り強う税務署に通い詰め、ついに製造免許の移転に成功したっちゅうがよ。
塚原社長の構想はきわめて簡明で、そりゃあ市場で評価される日本酒を造るがを当然の前提として、その酒を核として産学官協働による地方再生を行うことにあるっちゅうがやき。
その後の塚原社長の展開は矢継ぎ早で、まず2020年に帯広畜産大学の構内に碧雲蔵を開設し、同社の川端慎治総杜氏が同大学の客員教授となり、酒造りと教育・研究との両立を図りゆうっちゅうがよ。
なお、上川大雪酒造の設立後、道外から北海道への蔵の移転が相次ぎゆうっちゅうがやき。
また、新規清酒製造免許が国内で下りんがやったら、海外で造りゃあえいっちゅう考え方を実践したっちゅう、株式会社WAKAZEの事例や、福島第1原子力発電所から半径20キロ圏内にあり、東日本大震災後は人口がゼロになった町、南相馬市小高（おだか）区で2020年に佐藤太亮（たいすけ）社長が起業した、株式会社haccobaの事例らあが、詳しゅうに紹介されちゅうがよ。
ほんで、以上で紹介した若き醸造家らあはなんで、あえて需要が減少する産業に参入しょうとしゆうがかについて、著者はまず、若き醸造家らあは、需要の減少が著しい低価格帯の日本酒（普通酒や本醸造酒）を造ろうたぁしちゃあせん、むしろかなりの高価格帯の製品を目指しちゅうきに、その意味で、経営の苦しい既存蔵元たぁ市場セグメントが異なり、競合するこたぁないっちゅうて語るがやき。
また、新規参入を目指す者らあにゃあ、日本酒造りによって地域再生を行うっちゅう大きな社会的目的があるがやっちゅうがよ。
もちろん、高価格帯にも既存蔵元は存在するけんど、既存蔵元にとって新規参入を目指す者らあは敵やのうて、むしろ既存蔵元たぁ異なる発想で需要を底上げする友やっちゅうて、著者は語るがやき。
ほんで、日本酒は近年グローバル化しちょって、グローバル化の先にゃあ、ワインっちゅう巨人が待ちかまえちゅうと著者は語り、つまり日本酒は単なる衰退産業やあないっちゅうて断言するがよ。
さらに、グローバルに競争する日本酒にゃあ、新しい血と斬新な発想が必要であり、そのためにゃあ、参入規制を全面的に緩和して、本書で紹介したような新しい醸造家らあを迎え入れるほうが、結局は真の業界利益にかなうと確信するっちゅうて、著者は語るがやき。
【日本酒の階層化〜大衆酒、中級酒、高級酒〜】
続いて、「國酒の地域経済学〜伝統の現代化と地域の有意味化〜」の内容を、抜粋・要約してお伝えしたいと思うがよ。
著者は、日本酒はこれまで国内の単一市場を想定してきたけんど、そりゃあ所得格差が少のうて、人口が増えゆうことを前提としたもんで、その方向性は相応の成果を上げ、高度成長期にかけて量的拡大を実現してきたっちゅうがやき。
けんど現在、日本酒は量的縮小を余儀なくされちょって、他方で国内所得の格差拡大や海外富裕層の影響により高級酒分野の萌芽がみられるっちゅうがよ。
ほんで、このような両義的現象は、日本酒は異なった経済原則から構成される市場に分断され階層化の過程にあるっちゅう、階層化仮説によって説明されるがやっちゅうて、著者は語っちゅうがやき。
換言すりゃあ、日本酒にゃあ、危機と機会が混在しちゅうっちゅうことながよ。
危機と判断されるがは、大衆酒市場の縮小であり、機会と判断されるがは、中高級酒市場の萌芽やっちゅうがやき。
ちなみに階層化仮説たぁ、「大衆酒」（＝「コモディティ」）は「低価格」をニーズとした「普通酒」らあの「経済酒」、「中級酒」（＝「プレミアム」）は「品質」をニーズとした「特定名称酒」、「高級酒」（＝「ラグジュアリー」）は「顕示・意味」らあをニーズとした「高級ブランド酒」の3階層で、日本酒における「ラグジュアリー酒」の分野は、いまだ萌芽が見られる程度やっちゅうがよ。
ほんでまず「大衆酒」（普通酒等）についちゃあ、規模の経済を実現するために、大規模な設備投資を行うて競争力を生み出す寡占戦略が有効やけんど、米農家の生産性を改善するか、米の輸入関税を引き下げる必要があり、そりゃあ望めんこたぁないけんど、長い時間を要するきに、まだしばらくの間大衆酒市場は縮小を続けるとみられるっちゅうて語るがやき。
一方、日本酒における中高級酒は危機やのうて、機会の状態にあるがやっちゅうがよ。
日本酒は、製法が複雑やけんど上手いこと造りゃあ美味が実現され、その美味の評価は高い原料コストを賄うがに十分で、さらに美味を生む技術は現在も進化を続けゆうっちゅうがやき。
ほんで著者は、美味の実現努力は、これまで「中級酒」（特定名称酒）の領域における、科学を背景とした人為的な差別化として実施されてきたっちゅうがよ。
ほんで本書じゃあこれを、経済理論の観点から分析し、独占的競争に該当することや、ワインの新世界における特定のブドウ品種への特化による人為的な差別化と類似のもんやっちゅうがやき。
ブドウの影響が大きいワインに比べりゃあ、日本酒の場合にゃあ、米と精米、水、微生物っちゅうて、特性を規定する要素が多いけんど、それらあを人為的／科学的に制御するっちゅう考え方は、セパージュ／ヴァライタルと共通しちゅうっちゅうて語り、こりゃあ伝統よりか科学を重視する考え方やと整理されるっちゅうて語るがよ。
ほんじゃき、例えば特定名称酒じゃあ、人為的／科学的っちゅう意味においてセパージュ／ヴァライタルと同じ考えに立脚しちゅうことを訴求することが、海外の消費者の理解促進に効果的とみられ、またブドウ品種の開示と同じように、米の品種や水の硬度、微生物の種類等を開示することも有効とみられるっちゅうて、著者は語るがやき。
次に著者は、「高級酒」（ラグジュアリーブランド酒）にゃあブランド戦略が必要であり、ブランド戦略は、差別化による独占的競争戦略の発展形じゃと著者はいうがよ。
「垂直的差別化」と「水平的差別化」の両方の観点からの模倣し難い高度な差別化によって、独占状態を長期間継続することが目標となるがやっちゅうがやき。
ほんで、そのようなブランド品に対する消費者行動の5類型は、「顕示的消費」（周囲からの羨望を意識して行う消費行動）、「希少性」、「流行」、「感覚」、「品質へのこだわり」であるっちゅうて語るがよ。
この5つは、消費者から見た商品の「意味」とも解釈され、つまり顧客の知識ベースに、企業が持っちゅう豊かなブランド知識をコンテクスト（文脈、背景）によってつなぐことができりゃあ、企業と顧客の間で深い「意味」が共有されるっちゅうがやき。
コンテクストによって、組織文化と顧客をつなげるっちゅうこたぁ、組織文化を物語化することや、意味を与えることやといえるがよ。
このような組織の「有意味化」は、センスメーキング理論として知られちょって、センスメーキングたぁ、組織や環境を意味ある世界に変えていくこと、つまりセンスメーキングたぁ「腹落ち」のことで、リーダーは「腹落ち」するストーリーを語る必要があるがやっちゅうがよ。
ほんで、「新政」の6号酵母は恰好やったっちゅうがやき。
「自社で誕生した6号酵母を使用し、地産地消で秋田県産米のみを使い、添加物を一切使わんと、手間暇がかかる昔ながらの製法で造った純米酒」っちゅうビジョンに、多くの人が「腹落ち」し、共感が高まったっちゅうがよ。
このような手法を一般化すりゃあ、「伝統の現代化」やっちゅうて、著者は語るがやき。
これまでの伝統たぁ、文化遺産のニュアンスが強かったけんど、それを現代化の観点から見直すことが、産業発展の契機となるがやっちゅうがよ。
ほんで、地域産業の発展にゃあイノベーションや差別化につながる創造的な要素が必要となり、そりゃあ難しいもんと思われてきたけんど、しかし実は、創造的な要素は伝統に潜んじょって、「伝統の現代化」こそが、創造的な地域を実現する鍵ながやっちゅうて、著者は断言するがやき。
さらに著者は、高級ワインの「テロワール」のような、物語の創出や意味づけも、これからの日本酒業界の「高級酒」に求められる要素やっちゅうて語るがよ。
けんどそりゃあ、単なる原産地呼称や地理的表示の真似じゃあ通用せんやろうっちゅうがやき。
ブドウの特性が品質に大きな影響を与えるワインと異なり、日本酒は米以外にも水や微生物らあが品質を規定するきやっちゅうがよ。
「新政」のように蔵の酵母や生酛で生成する乳酸菌、木桶を重視する酒造りは、微生物を重視するっちゅう意味において、マイクロオーガニズム（微生物）テロワールと称することが、ワインとの共通理解を進めつつ差別化を図るっちゅう点でふさわしいとみられるっちゅうて、著者は語るがやき。
【竹村の目指す「高知県全体のブランド化」】
とにかくこの２冊の書籍は、ワシにとってもこぢゃんと参考になり、また「我が意を得たり」と感じた部分もかなりあったがよ。
まず、ちくと前の「酒道 黒金流」のコンテンツ「『料理と科学』『日本酒と科学』のおいしい出会い」＜前編＞において、令和3（2021）年度高知県産学官連携産業創出支援事業に、高知大学理工学部化学生命理工学科の小��大輔講師と司牡丹酒造の共同研究である、「小規模酒造でも実施可能な超短期的かつ自在な新酒開発事業の創出」が採択されたっちゅうて紹介さいてもうちゅうがやき。
こりゃあ、小��講師が考え出した日本酒の主要成分を一度に調べることができるっちゅう世界初の分析方法を使うて、従来は3〜5年ばあはかかっちょった新商品の開発が1年ばあででき、しかも費用も大幅に抑えることができるっちゅう、まっことこぢゃんと画期的なシステムながよ。
この研究はまさに、「國酒の地域経済学」における「中級酒」（特定名称酒）の成長戦略、科学的なイノベーションを繰り返す、独占的競争戦略であるといえるがやき。
ほんで、この研究が実用化されりゃあ、まず司牡丹の商品の「垂直的差別化」が実現されることになるがよ。
さらに、将来的にゃあ土佐酒18蔵全てがこの方法を利用できるようにすることを目指しちゅうき、こちらが実用化されりゃあ、土佐酒全体の「垂直的差別化」が実現されることになるといえるがやき。
さらに、ワシゃあ現在、NPO法人「土佐伝統お座敷文化を守る会」の設立に向けて、仲間の方々らあと共に動きよって（※令和５年６月現在）、年内（※令和５年内）の設立を目指しちゅうがよ。
このNPO法人の設立に向けての趣旨と、当会が守り育てていく「土佐伝統お座敷文化」たぁ、次のとおりながやき。
＜NPO法人「土佐伝統お座敷文化を守る会」の設立に向けての趣旨＞
県外や海外のお客様が土佐にお越しになった際、土佐ならではの「おきゃく（土佐流宴席）」を催し、土佐伝統のお座敷文化を体験していただきゃあ、皆さん必ず口を揃えて「こんな楽しい宴席は初めて！」っちゅうて大悦びで語られるがよ。
土佐の高知の一番のウリ、「食が美味しい！酒が旨い！人が明るい！そして世界一宴が楽しい酒国土佐！」の全てがいっぺんに体験できたがやき、、当然といえるがやき。
けんど、コロナ禍の約3年、返杯・献杯も、宴会での席の移動も、皿鉢料理の取り分けも、可杯や箸拳らあのお座敷遊びも、土佐らしい密な宴席は何ひとつ実践できんなってしもうて、絶滅が危惧されちゅうがよ。
けんど、土佐伝統お座敷文化を守り育てていくっちゅう活動が実を結びゃあ、「世界一楽しい宴のあるユートピア」を体験するために、全国各地から、世界中から、土佐の高知にたくさんの人々がやってくることになるはずながやき。
＜当会が守り育てていく「土佐伝統お座敷文化」とは＞
食：皿鉢料理文化、土佐の酢みかん文化、土佐寿司文化など、土佐ならではの伝統的食文化。
酒：伝統的な土佐の食の美味しさを引き立てる、淡麗辛口の伝統的土佐酒文化。
人：全て「なかま」（共有）にして人を楽しませる、土佐ならではの伝統的おもてなし「なかま」文化。（杯を「なかま」にする返杯・献杯、宴会での自由な席の移動、皿鉢の自由な取り分け、老若男女や他人まで皆「なかま」！）※土佐弁で「なかま」たぁ、一般的な同士の意味に加え、共有・シェアの意味もある。
宴：箸拳・可杯など、土佐ならではの伝統的お座敷遊び文化。土佐ならではの家庭における伝統的「おきゃく（土佐流宴席）」文化。料亭などにおける伝統的土佐芸妓文化。
このNPO法人「土佐伝統お座敷文化を守る会」が設立され、その活動が活性化されていきゃあ、何が実現されるかっちゅうたら、土佐酒と土佐伝統お座敷文化を核とした、「土佐の食・酒・人・宴のブランド化」ながよ。
まっといやあ、「高知県全体のブランド化」であるとも表現できるがやき。
こりゃあ、「お酒はこれからどうなるか」において示された、第三の方向、「日本酒造りを核として地域再生を行うという社会的目的を持った方向」を、一層壮大にしたもんじゃといえるがよ。
さらにこの活動にゃあ、「國酒の地域経済学」において示された、意味を形成するうえで最も有力な資源である「伝統」と、伝統の見直し、つまり「伝統の現代化」も内在しちょって、しかも「立地特性」も内在されちゅうがやき。
ただしこりゃあ、土佐酒や土佐伝統お座敷文化がラグジュアリーを目指し、高価になっていくっちゅう意味やないがよ。
土佐の高知が、世界一宴が楽しい憧れの地として、日本中や世界中の国から仰ぎ見られるとすりゃあ、そりゃあ「大衆」やったら「大衆」なりに、「中級」やったら「中級」なりに、「高級」やったら「高級」なりに、他県が決して真似のできん唯一無二の「ラグジュアリー」的な存在になれるやろうと考えちゅうがやき。
ここまでかなりの長文やったけんど、本編じゃあまっと詳しゅうに紹介さいていただいちゅうきにまっと詳しゅう知りたい方は、下記をクリックし、無料のYouTube動画やPDF原稿を、是非ご覧いただきたいがぜよ。
https://shudo-kurogane.jp/shudo/gate02/gate02_28.html
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司牡丹酒造株式会社
