7月11日(火)は、高知工科大学永国寺キャンパスにて、高知工科大学・経済・マネジメント学群「経営システム特別講義」に講師として招かれ、「コロナ禍のピンチをチャンスに!日本酒に『意味のイノベーション』を起こす!」っちゅう講演をさいてもうたがよ。
一昨年・昨年の講義に引き続き、おんなじタイトルやけんど、昨年は後半の内容がかなり改訂され、今年は内容的にゃあ昨年と変わらんけんど、プラスアルファの内容があるがやき。
11時から12時半までの90分の講義に、経済・マネジメント学群の3年生の生徒さんらあが60名ばあ集まってくださったがよ。
まずは、担当の坂本先生から、ワシの紹介があったがやき。
ほんで、ワシの講演内容は、だいたい以下の通りやったがよ。
【1】ビジネスにとって一番大切なもんは?
ビジネスにとって一番大切なもんは、「 ヒト」(人材)「モノ」(商品)「カネ」(資金)「ジョウホウ」(技術・ノウハウ・コンテンツ)・・・と思うかもしれんけんど、そりゃあ実は「顧客」やっちゅう話を、まずさいてもうたがやき。
ヒトがおらいじゃち、商品がのうたち、カネがのうたち・・・顧客さえおりゃあ、実はビジネスは立ち上がるがよ。
特にコロナ禍においちゃあ、それがより鮮明になっちゅうがやき。
【2】顧客が今求めゆうがは?
その一番大切な顧客が今求めゆうもんは、「モノの豊かさ」、「物質的な幸せ」から、「心の豊かさ」、「精神的な幸せ」に年々移りゆうがよ。
コロナ禍で、そんな流れが、さらに選別が加速しゆうがやき。
貯蓄に回ったといわれゆう20兆円の使い道に、選ばれるかどうかっちゅうことながよ。
【3】司牡丹のSTORY〜「志のSTORY」と「品質のSTORY」〜
お次は「司牡丹のSTORY」で、まずは「志のSTORY」について、語らいてもうたがやき。
「司牡丹の歴史と由来のSTORY」、「日本を創った偉人たちと司牡丹のSTORY」、ワシの曾祖父「竹村源十郎のSTORY」、ワシの父「竹村維早夫のSTORY」、ほんでワシ、「竹村昭彦のSTORY」っちゅう順番に、受け継がれる「志」について、語らいてもうたがよ。
続いては、「司牡丹のSTORY」の2番目、「品質のSTORY」ながやき。
「水のSTORY」、「米のSTORY」、「技のSTORY」、「心のSTORY」について、それぞれ詳しゅうに語らいてもうたがよ。
ほんで、「司牡丹のSTORY」のまとめとしちゃあ、以下のとおりながやき。
ここ100年間ばあを振り返りゃあ、一貫して品質のブラッシュアップをベースに、新たな領域に挑戦することで、危機を乗り越えてきた100年間やったといえるがよ。
人々の心の荒廃がさらに進行しゆうコロナ禍、アフターコロナにおいて、さらなる品質のブラッシュアップをベースに、日本酒で「心の豊かさ」や「精神的な幸せ」を提供するっちゅうことしかないがやき!
【4】日本酒に「意味のイノベーション」を!
「心の豊かさ」や「精神的な幸せ」を日本酒で提供するたぁ、つまり日本酒に「意味のイノベーション」を起こすことやといえるがよ。
一般に「イノベーション」たぁ、「技術のイノベーション」のことで、そりゃあテクノロジー開発の背中を押す「技術革新」のことながやき。
一方「意味のイノベーション」たぁ、市場に“新しい意味”をもたらす土壌を創るっちゅうことながよ。(参考:「デザインの次に来るもの」〜これからの商品は「意味」を考える〜 安西洋之・八重樫文 著)
電灯がこればあ普及しちゅうに、ロウソクはなんで今も売れ続けゆうかっちゅうたら、「食事のムードを楽しみたい」っちゅうロウソクの新たな意味に、誰かが気づいてそれを広めたきながやき。
つまり、ロウソクに「意味のイノベーション」を起こしたっちゅうことながよ。
考えてみりゃあ、日本酒の「意味」も、時代によって様々に変遷してきちゅうがやき。
「神事のための魔法の水」、「神と一体化するためのツール」、「人生儀礼における必需品」、「憂いを晴らす飲み物」、「酔うための道具」、「後輩イジメの定番」・・・
ほんで現在はっちゅうたら、「飲みよったらちくとツウっぽう見える、まあまあ美味しい珍しい飲みもん」といった程度ながよ。
今こそ日本酒に“新しい意味”をもたらす、「意味のイノベーション」が求められゆうがやき!
また、コロナ禍のピンチをチャンスに変えるっちゅう意味でも、「意味のイノベーション」しかないがよ。
ほんでワシゃあ、令和2年12月に、小冊子「なぜ、日本酒をうまく活用する人は幸せになれるのか?」(〜日本酒に興味などない普通の皆さんのための、知らないと損する日本酒活用法〜)を緊急発行さいてもうたがやき。
さらに、「酒道 黒金流」の仮のホームページを同年12月下旬にオープンし、一昨年3月にゃあ正式オープンに漕ぎ着けたがよ。
「酒道 黒金流」(https://shudo-kurogane.jp/ )は、ソムリエや唎酒師らあみたいな資格や職業やのうて、日本酒を媒介とした「道」を伝えるもんであり、これこそが日本酒の「意味のイノベーション」やと、ワシゃあ考えちゅうがやき。
【5】高知県酒造組合のSTORY
お次は、「高知県酒造組合のSTORY」で、まずは土佐の高知の「風土のSTORY」について、語らいてもうたがよ。
鮮度抜群の山・川・海の幸に日本一恵まれた高知県の、まずは山の幸にゃあ、<春>イタドリ<夏>リュウキュウ<秋>柚子<冬>葉ニンニクらあがあるがやき。
次に、川の幸にゃあ、<春>川エビ<夏>鮎<秋>ツガニ<冬>川ノリらあがあり、海の幸にゃあ、<春>ドロメ<夏>初鰹<秋>サバ<冬>ウツボらあがあるがよ。
さらに、土佐の高知にゃあ独特の豊かな食文化があり、土佐の酢みかん文化(柚子、ブシュカン、直七らあの香酸柑橘類を酢として多用する文化)と、土佐寿司文化(柚子酢を酢飯に使うた野菜寿司「土佐田舎寿司」等、何でも寿司にすると言われるばあ多様な郷土寿司文化)らあが存在しちゅうがやき。
さらにさらに、食を引き立てる日本一旨い辛口酒、土佐酒(全18蔵)があり、明るうて、人なつっこい土佐人気質があり、独特の「おきゃく文化」「なかま文化」をベースとした楽しい土佐の宴があるがよ。
つまり、「食が美味しい!酒が旨い!人が明るい!そして世界一宴が楽しい酒国土佐!」やっちゅうことながやき。
続いては、「土佐酒のSTORY」(〜なぜ今、土佐酒が一番面白いのか?〜)ながよ。
なんで今、土佐酒が一番面白いがかっちゅうたら、まずは「そんな風土・地域性・食文化と密接につながった辛口酒が頑としてベースにある」っちゅうことが根本で、それをデータで証明しもって、まずはお話さいてもうたがやき。
そのベースの上に、「真逆の酒質である超甘口酒(CEL24)も各社から発売されいずれも大人気!」、「バラエティに富む高知酵母と県産米らあを駆使し18蔵ならではの個性が豊か!」、「分析結果等を共有し全体のレベルの高さ日本一!その証明!昨年度全国新酒鑑評会入賞率・金賞率ともに日本一!」、「産官学が連携(土佐酒振興プラットフォーム)し常にブラッシュアップ!米も酵母も、未来品質も!」、「土佐酒として一丸となったブランドコンセプト(TOSA NAKAMA SAKE)が明確!」、「世界初のユニークな取り組み!宇宙酒、深海酒、宇宙深海酒!」、「『なかま』を広げるツール『酔うちゅう部』も誕生!さらに世界へ!」、「園芸王国である土佐ならではのリキュールもバラエティ豊富!」、「あちらからもこちらからも応援者続出!天も土佐酒を応援?!」(2023年春の朝ドラ「牧野富太郎」!2025年あたりに、「dancyu」植野編集長が発起人となった映画「おきゃく(OKYAKU)」公開予定!)……ちゅう面白いネタがズラリとあるっちゅうことを紹介さいてもうたがよ。
ほんで締め括りにゃあ、「食が美味しい!酒が旨い!人が明るい!そして世界一宴が楽しい酒国土佐!」じゃっちゅうて、そう遠うない未来にゃあ、土佐にゃあ世界中から人々が集まり、土佐の高知がサン・セバスチャンを超える日がくるやろうっちゅうて、断言さいてもうたがやき。
さらに追加のプラスアルファの内容として、令和5年内に設立予定のNPO法人「土佐伝統お座敷文化を守る会」の概略らあの資料を皆さんに配らいてもうて、詳しゅうに説明さいてもうたがよ。
だいたいこんなようなお話をさいてもうて、ワシの講義は終了したがやき。
皆さん、熱心にご聴講いただき、まっことありがとうございました!
ほいたら最後に、学生の皆さんからいただいたアンケートの中から、悦びの声の一部を、以下にご紹介さいていただきますぜよ。
●「なかま」文化を初めて知り、もっと広がってほしいと思いました。
●私でも理解しやすい内容とスピードで興味がわき、楽しかったです。
●とても楽しくて面白い講演で、終始ワクワクして聞いていました。居酒屋に勤めていて、聞いたことのあるお酒の名や土佐の食の名が出てきたときは、お客さんにお薦めを聞かれたときに以前は3つ4つしか答えられなかったけれど、今回の講演を聞いて、レパートリーが増えたと感じました。
●日本酒にまだ触れたことはなかったのだが、土佐酒の品質へのこだわりや広めるための工夫、土地柄などと関連した講演を聴いて、飲み比べてみたい欲が沸き上がった。人目をはばからずお酒を飲める時期になってきたので、土佐酒に挑戦したいと思う。
●意味のイノベーションという観点は、日本酒だけでなく他の伝統的なモノやサービスにもいえることだと思いました。今後の人生の中でも、ただモノを売る人になるのではなく、意味を与える人になれるように努力していきたい。
●魅力にあふれた講演だったと感じました。サン・セバスチャンの話は、ワクワクしました。
●日本酒について、こんなに考えて酒造りなどを行っているということを知れて、すごいなと感じた。
●「らんまん」を見ているので、今日のお話を聞いて、よりドラマが楽しめそう。素晴らしいお酒メーカーがあることを、高知県民として誇りに思った。
さて、講義終了後は、同経済・マネジメント学群の石谷先生が、最近司牡丹酒造を事例研究として「起業家的レガシーを介した伝統とイノベーションの相互作用」っちゅう論文をまとめられちゅうがやけんど、その石谷先生の生徒さん3名が、高知のエクセレント・カンパニーの事例研究に取り組まれゆうっちゅうことで、その取材を受けさいてもうたがよ。
3名の生徒さんから、こぢゃんと熱心な質問がガンガン飛び出し、ワシも思わず居住まいを正して、アツうに答えさいてもうたがやき。
生徒さんらあが帰られた後も、石谷先生はさらなる論文執筆を考えられちゅうっちゅうことで、石谷先生からもいろんな質問があり、結局昼食も食べんまんま、14時ばあまで質問責めやったがよ。
石谷先生、素晴らしい論文の完成を期待しちょりますぜよ!
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司牡丹酒造株式会社