「あんときのあの苦しみも、あんときのあの悲しみも、みんなあ肥料になったがやのう。自分が自分になるための。」(相田みつを)
平易な詩を独特の書体で書き、温かみのある文字と言葉で、多くの人々の心を癒してきた詩人であり書家の、相田みつを(1924〜1991)さんの言の葉ながよ。
若い頃は、苦しみや悲しみらあがあったら、こんなただツラいだっけのことらあて、起こらんかったらえいに、この世から無いなったらえいにっちゅうて思いよったがやき。
けんど、ワシも還暦を過ぎたもんやき、ふと若い頃を振り返ってみたとき、「あんときのあの苦しみ」「あんときのあの悲しみ」っちゅう諸々が、みんなあ自分自身を成長させるための肥料になっちゅうがやと、あらためて気づくことができ、それが実感できるがよ。
結局、人生における苦しみやろうが悲しみやろうが、いかなるツラいことの一切合切、全部必要やったっちゅうことで、つまりこの世で起こるこたぁ、不必要なことらあ何ちゃあないっちゅうことながやき。
全部が全部、すべてが、自分が自分になるために、必要不可欠やったっちゅうことながよ。
ほんで、このことに、どればあ早うに気づくことができるかどうかながやき。
60歳で気づけて、80歳まで生きたとすりゃあ、20年間は人生における苦しみやろうが悲しみやろうが、いかなるツラいことの一切合切が、全部必要ながやと思うて生きれるっちゅうことやき、そりゃあつまり、素晴らしい20年間を生きることができるっちゅうことながぜよ。