「アテが両手をひろげたち、お空はびっとも飛べんけんど、飛べる小鳥はアテみたいに、地面を速うは走れんがやき。アテがからだをゆすったち、きれいな音は出んけんど、あの鳴る鈴はアテみたいにゃあ、足るばあの唄は知らんがよ。鈴と、小鳥と、それからアテ。みんなあちごうてみんなあえい。」(金子みすゞ)
大正時代末期から昭和時代初期にかけて活躍した日本の童謡詩人で、26歳で夭逝するまで約500編の詩を遺し、没後半世紀ばあはほとんど忘却されちょったけんど、1980年代以降に脚光を浴びて再評価が進んだ、金子みすゞ(1903〜1930)さんの言の葉ながやき。
ワシらあは、小鳥が空を飛べることや、鈴がきれいな音を鳴らすことらあやったら、まったく嫉妬の気持ちらあ起こらんき、確かに「みんなあちごうてみんなあえい」っちゅうて、素直に本心からそう思えるがよ。
そりゃあ、小鳥や鈴を自分と同等やと思うてないき、素直にそう思えるっちゅうことながやき。
ほいたら、自分が同等やと思うちゅう同僚らあが、もし何かの機会にこぢゃんと評価されて、その同僚の方が自分よりか立場が上になったとすりゃあ、どうやろか?
リアルに考えてみりゃあ分かるけんど、嫉妬心が湧いて来んはずはないがよ。
こりゃあ人間やき、嫉妬心が湧いて来てしまうこたぁしょうがないことながやき。
けんど、そんなときやち、「みんなあちごうてみんなあえい」っちゅうて、本心から思えるかどうかっちゅうんが重要ながよ。
つまり、たとえその同僚が立場が上になったとしたち、その同僚が持ってない違う部分で自分はスゴい部分を持っちゅうがやき、たまたま今はまだ評価されてないだっけのことやっちゅうて思え、ほんじゃき「みんなあちごうてみんなあえい」っちゅうて、本気で思えるっちゅうことが重要になるがやき。
本気でそう思えりゃあ、金子みすゞさんのこの詩の意味や想いを、しっかり体得できちゅうっちゅうことながぜよ。