「ワシの存在そのもんが質問ながよ。その答えを知りとうて生きちゅうがぜよ。」(寺山修司)
日本の歌人、劇作家で、演劇実験室「天井桟敷」の主宰やった、寺山修司(1935〜1983)さんの言の葉ながやき。
年をとるにつれて、この寺山修司さんの言の葉の意味や深さが、身にしみて感じられるようになってきたがよ。
確かに、自分の存在そのもんが、自分にとって最大の質問やといえるがやき。
自分はいったい、何でこの時代に、この国に、この地域に、この家に生まれてきたがか?
自分はいったい、何でこんな幼少期を過ごし、何でこんなことに興味を持ち、こんな学校に通うて、こんな友人らあと出会い、こんな仕事に就いちゅうがか?
いまの自分をカタチ作ってきた、自分のこれまでの人生そのもん、自分の存在そのもんが、「いったいおまさんは何者ぜよ?」っちゅうて、問いかけてくるがよ。
ワシもまだ、還暦を過ぎたばっかしやきに、まだまだこの答えにゃあ到達できちゃあせんけんど、年をとるに従うて、おぼろ気ながらもその答えが、ちょびっとは見えてきだいた気がするがぜよ。