「仏法たぁ、鉄砲の反対ながよ。鉄砲は外を撃つもんやけんど、仏法は己の内を撃つもんながぜよ。」(高光大船)
浄土真宗の僧侶、金沢市の真宗大谷派専称寺の住職で、加賀の三羽烏と呼ばれた1人、高光大船(1879〜1951)さんの言の葉ながやき。
「仏法」と「鉄砲」、「外を撃つ」と「内を撃つ」……まっことうまいこと対比さいて表現したもんながよ。
さらに言やあ、鉄砲は人間の作った武器であり、人を殺傷することができるもんやけんど、仏法は人間に元々備わっちゅう心の武器であり、人を活かすことができるもんながやき。
なんぼ文明が発達して便利になったち、人を殺傷するような武器を作るようなヒマがあるやったら、自身の心の武器を磨いて、己の内を撃たにゃあイカンぜよっちゅう、高光大船さんの声が聞こえてくるようながよ。
さらに、こりゃあ鉄砲だっけの話やのうて、他人を非難したり中傷したりっちゅう、外を撃つことばっかりしゆうヒマがあるやったら、まっと己の内を撃つべきやないかよっちゅう意味でもあるがやき。
現代のワシらあにとっちゃあ特に、耳が痛い言の葉ながぜよ。