「心の田畑さえ開墾ができりゃあ、世間の荒地を開くことも難しゅうないぜよ。」(二宮尊徳)
江戸時代後期の経世家・農政家・思想家で、経世済民を目指して報徳思想を唱え、報徳仕法と呼ばれる農村復興政策を指導した、二宮尊徳(1787〜1856)さんの言の葉ながやき。
人間誰やち、自分は何のために生まれてきたがか、自分にゃあ何ができるがか、自分たぁ一体何者ながか……何ひっとつ分からんまんま、この世に生まれてくるがよ。
誰やち、何が何やら何ちゃあ分からんところから、人生をスタートするがやき。
ほんで人生において、いろんな経験を重ねていく中で、日々自分の心に向き合うて、他人の心にも向き合うて、人間の心っちゅうもんの働きを学んでいきゃあ、いつしか自分自身の真の心の主人となれるがよ。
そりゃあつまり、心の田畑が開墾されたっちゅうことながやき。
さらに言やあ、心の開墾なくして、人間の発展らあないっちゅうことながよ。
心の開墾さえできりゃあ、世間の荒地を開くことやち、難しいと思われるような大抵のことらあやち、何じゃち成し遂げることができるがぜよ。