


昨年10月に東京の某有名ホテルにて、全国の中小企業のトップ約1,200名が参加するっちゅう交流大会が開催され、ワシも出席さいていただいたがよ。
総会や講演会らあも終わり、その後大懇親会が開催されたがやけんど、その立食パーティの最中に、ホテルの若い女性スタッフの方に「日本酒はないかえ?」っちゅうて訊ねたところ、ほいたら「日本酒?ウィスキーですか?」っちゅう衝撃的な返事が返ってきたがやき!
その女性は日本人の20代のスタッフの方やって、もちろんアルバイトかもしれんがよ。
けんど衝撃的ながは、つまりその女性にとっちゃあ、「日本酒」っちゅう言葉が何を意味するかが分からんかったっちゅう事実ながやき。
後に日本酒を持ってきちゃあくれたけんど、ワシゃあこの衝撃にしばらく呆然としてしもうちょったがよ。
ワシらあ日本酒業界のもんらあは、それぞれがそれぞれのやり方で日本酒の復活を夢見ゆうと思うけんど、もしかしたらワシらあ全員が、根本的に考え方をあらためにゃあならんがかもしれんがやき。
そこで今回は、この「日本酒?ウィスキーですか?」の衝撃からスタートし、真に日本酒が復活するためにゃあ何が必要ながか、じっくり考えてみたいと思うがよ。
https://shudo-kurogane.jp/shudo/gate02/gate02_35.html
【「日本酒?ウィスキーですか?」の意味するもの】


まずは、この「日本酒?ウィスキーですか?」っちゅう言葉を吟味し、その意味するもんを考えることからスタートしたいがやき。
この女性の返事を忠実に再現すりゃあ、「にほん…しゅ?…ウィスキーですか?」となるがよ。
つまり、おそらくこの女性は「日本酒」っちゅう言葉を聞いた経験がなかったがやないかと考えられるがやき。
たとえばワシらあも、「アメリカ酒はありますか?」っちゅうて聞かれたら戸惑うがよ。
「国の名前+酒」じゃあ、一般的にゃあ何の酒を意味しちゅうかが通じんがやき。
ほんじゃき彼女は「にほん…」っちゅう国名を言うた後、少し間をあけてから「しゅ」っちゅう言葉を加えたがやないろうか。
ほんで、「日本という国名+酒」で考えて、記憶の中の日本にある酒の会社は…サントリー(あるいはニッカ)や!つまりそりゃあウィスキーやろか?…となったがやないかと、ワシゃあ考えたがよ。
そして、この「日本酒?ウィスキーですか?」っちゅう言葉が表しちゅうがは、前述のとおり、もはや日本人やち若い方々の中にゃあ、「日本酒」っちゅう言葉の意味すら分からん方もおるっちゅう衝撃的な事実ながやき。

これまでワシらあは、「日本酒離れ」「日本酒嫌い」「日本酒はくさい」「日本酒はオヤジの飲み物」……等々の、日本酒に対するマイナスイメージをいかに払拭するかに尽力してきたがよ。
その活動は、ある意味で「嫌い」を「好き」に変換しょうとするようなもんやったがやき。
「嫌い」を「好き」に変換させるこたぁ、実は比較的容易ながよ。
たとえば、大学時代に安酒で日本酒イッキをさせられて日本酒嫌いになった人に吟醸酒を飲ませりゃあ、「こんなフルーティな日本酒があるがや!」っちゅうて気づき、比較的簡単に「嫌い」が「好き」に変換したりするがやき。
けんど…「日本酒」っちゅう言葉の意味すら分からん人っちゅうんは、別に日本酒が「嫌い」なわけじゃあないがよ。
ただし「好き」でもないがやき。
ほいたらどう思うちゅうがかっちゅうたら…そりゃあ何も思うてない…つまり「無関心」ながよ!
ここで、「無関心」の恐ろしさについて、ちくと補足しちょきたいがやき。
カナダのブリティッシュコロンビア大学を中心とする研究チームが、職場での「仲間はずれ」と「無視」に関する調査を実施したがよ。
多くの人らあは「無視」することは、「いじめ」たり「仲間はずれ」にしたりすることよりか罪は低いと考えちゅうけんど、そこで判明したがは、実は直接いじめられるよりか、無視(=無関心)されることの方がつらいっちゅう事実やったっちゅうがやき。
また、ナチス・ドイツのホロコーストからの生還者であるエリ・ヴィーゼル氏は、強制収容所での経験を自叙伝に記し、ノーベル平和賞を受賞しちゅうけんど、彼の言葉に「愛の対義語は憎しみやのうて無関心や」っちゅう言葉があるがよ。
ナチス・ドイツによって約600万人のユダヤ人が犠牲になったといわれちゅうけんど、その虐殺の背景にゃあ、多くの民衆の「無関心」があったこたぁ、ワシらあは決して忘れちゃあいかんがやき。
日本酒が「嫌い」やったら、そりゃあまだ「好き」に変換できる可能性があるがよ。
けんど、日本酒にまったく「無関心」っちゅう場合は…いったいどうすりゃあえいがやろうか?
少のうたち、日本酒に対するマイナスイメージをいかに払拭するかに尽力したところで、「無関心」な人にゃあまったく響かんがやき。
近年日本酒は、どんどん進化し、年々より美味しゅうなっていきゆうがよ。
けんど、日本酒全体は未だに減少傾向に歯止めがかからんと、年々市場は縮小の一途をたどっていきゆうがやき。
もちろんコロナ禍の影響も大きいけんど、それを鑑みたちこの減少度合いは異常なほどながよ。
もしかしたらその根本原因は、日本酒が「嫌い」な人よりか、日本酒に「無関心」な人がどんどん増加しゆうことにあるがかもしれんがやき。
だとすりゃあ、ワシらあはみんなあ、根本的に考え方をあらためにゃあならんがやないろうか。
【無関心な人をいかに動機づけるか?<1>「モノ」から「ヒト」へ!】
まずワシらあが根本的にあらためにゃあいかん考え方の第一に挙げられるがは、ワシらあはこれまで、あまりにも日本酒っちゅう「モノ」にフォーカスしすぎやったっちゅう点ながよ。
誤解せんとっていただきたいがやけんど、日本酒メーカーが日本酒っちゅう「モノ」にこだわってより優れた日本酒を世に出そうとすることも、酒類卸や酒販店や飲食店らあがそんな日本酒っちゅう「モノ」へのこだわりや特徴を世に広めろうとすることも、そりゃあ当然のことであり、これらあを否定するつもりは毛頭ないがやき。
けんど、ようよう深う考えてみていただきたいがよ。
たとえどればあ大きな売り上げであったち、実は1人ひとりの人間の「行動」がその売り上げを作っちゅうっちゅう事実に気づかなけりゃあいかんがやき。
1人の人間がある商品に興味を持って、手に取り、レジに持って行き、お金を払うっちゅう行動が成立して初めて、売り上げがたつがよ。
ほんで、そんな1人ひとりの行動が集まって、大きな売り上げをつくっちゅうがやき。
つまり、ヒトの行動だっけが売り上げをつくるがよ!
これまでの時代やったら、「モノ」にフォーカスした伝え方やちまだ売り上げがつくれたかもしれんがやき。
けんどこれからの時代、今後ますます日本酒っちゅう「モノ」自体に無関心な人が増えていくがやとすりゃあ、もはや「モノ」にフォーカスした伝え方じゃあ、そのこだわりはまったく届かんことになってしまうがやないろうか。
これからの時代は、「モノ」へのこだわりをそのまんま伝えるがやのうて、それらあを「ヒト」にフォーカスした言葉に変換して伝えにゃあならんっちゅうことが、もはや死活的に重要ながやといえるがよ。
【無関心な人をいかに動機づけるか?<2>「売る」から「買いたい」へ!】
ほいたら、「モノ」へのこだわりをそのまんま伝えるがやのうて、それらあを「ヒト」にフォーカスした言葉に変換して伝えるにゃあ、いったいどういう発想の転換が必要ながやろうか。
まず、「モノ」にフォーカスした状態じゃあ、どういたち自分自身が感じる「モノ」の価値を伝えることで、「モノ」を「売ろう」としてしまうがやき。
けんど、商売やビジネスをその本質から捉え直すやったら、「ヒト」にフォーカスすべきであり、「自分自身が感じる価値」やのうて、「お客様が感じる価値」っちゅう視点に切り替えにゃあならんがよ。
さらに、お客様に「売る」やのうて、お客様に「買いたい」と思うてもらうことやっちゅうて理解せにゃあならんがやき。
つまり、伝えるべき「モノ」の価値を、自分視点やのうてお客様視点で捉え直して伝え、お客様に「売ろう」とするがやのうて、お客様に「買いたい」っちゅう気持ちが起こるように働きかけるっちゅうことながよ。
こりゃあ、言葉で聞きゃあ簡単に聞こえるかもしれんけんど、長年商売を続けてきた人ほど、これまでの商売の習慣が沁み込んじゅうきに意外に困難を極めるもんやき、ここはしっかりと脳裡に焼き付けていただきたいと思うがやき。
具体例を1点挙げちょくがよ。
「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰する小阪裕司先生(「オラクルひと・しくみ研究所」代表、情報学博士)の、メールマガジンのコラムに紹介されちょった、ある地方の小さな町にある食品スーパーの事例ながやき。
同店じゃあ、長年にわたりワインを販売しよったけんど、ほとんど売れんと、3ヶ月の販売実績もわずか5本やったそうながよ。
商圏が高齢者の多い過疎の町やっちゅうこともあり、店主は、この地域の人はワインを飲む習慣がないがやなっちゅうて考えちょったっちゅうがやき。
また店主自身も、ワインが飲めんわけじゃあないけんどよう分からん、分からんきに飲まんっちゅうことで、店での販売にも力が入らんかったそうながよ。
そんなある日、友人らあとの飲み会があり、そこでたまたま飲んだワインが実に飲みやすうて、友人らあとも、「ワインはよう分からんが、こりゃあ飲みやすい!」っちゅうて、何本も空けたっちゅうがやき。
そこで店主は気づいたっちゅうがよ。
今までワインを飲もうと思わんかったがは、ワイン初心者である自分に合うたワインに出会わんかったことと、それでも特段困りはせんかったからやけんど、そりゃあお客様も同じやないかっちゅうことながやき。
ワイン初心者である自分は詳しい方のようにゃあ語れんけんど、「初心者はこれを飲んでみて!」「初心者の自分がはまっちゅう」っちゅうメッセージやったら発信できるがよ。
そこで早速このワインを仕入れ、チラシとPOPで「ワイン初心者が飲むべきワインはこれ!」っちゅう内容の情報を発信したところ、大人気となったそうながやき。
これまで3ヶ月で5本しか売れんかった同店で、たった1銘柄で、1ヶ月に30本以上が売れたそうながよ。
その後も、「飲みやすうて気に入った」「友達にも教えちゃりたいきプレゼントに」とリピーターが増え、すっかり売れ筋商品となったがやっちゅうがやき。
ほんで、それから10年ばあが経った今、同店のワイン売り場は大きなスペースになり、1万円以上する高級ワインも普通に置かれるようになったそうながよ。
そりゃあ客層が変わったがやのうて、この10年前の実践をきっかけに、地域にワインファンが増えたことによるがやき。
「価値を伝える」たぁ、単にその商品が売れるだけやのうて、その商品を持続的に購入する「顧客を創る」ことにもなるっちゅうことながよ。
今回の例のように、それが長年ず〜っと売れんかったものやち、ながやき。
要は日本酒も、この例のようにお客様視点で捉え直し、お客様に「買いたい」と思うてもらうように仕掛けることで初めて、日本酒に無関心な人やったち関心を持ってもらえる可能性が開けていき、たとえ高齢者だらけの過疎の町であったとしたち、高額な大吟醸酒でも普通に売れるようになる、つまり「顧客を創る」ことができるっちゅうことながよ。
【日本酒を売ろうとするきに日本酒が売れんがぜよ!】
さらにここで、誤解を恐れんとハッキリと言うてしまいたいがやき。
「日本酒を売ろうとするきに日本酒が売れんがぜよ!」と。
いまや日本中、世界中に様々な日本酒コンテスト等が乱立し、「〇〇賞受賞!」とか「〇〇コンテストで第1位!」とかのキャッチコピーが蔓延しちゅうがよ。
もちろん司牡丹酒造も、そりゃあ賞は獲りたいし、獲れりゃあ嬉しいし、そのために品質のブラッシュアップは欠かすことのう継続しゆうがやき。
ほんで、これらあのコンテストのお陰で、日本酒全体の品質が相当アップしたっちゅうがも事実ながよ。
けんど…この「〇〇賞受賞!」も、やっぱし日本酒っちゅう「モノ」にフォーカスした戦略であることにゃあ変わりはないがやき。
しかも、この賞獲り合戦のお陰で、全国の日本酒がますます地域の風土や食文化から乖離し、「地域性」からかけ離れていいきゆうようにワシにゃあ見えるがよ。
日本酒の最大の特徴であり魅力は、この「地域性」にあるとワシゃあ思うちゅうがやき。
日本全国それぞれの地域に多様で固有の風土があり、歴史があり、食文化があり、その風土や歴史や食文化と密接につながった多様で固有の日本酒がそれぞれの地域に存在しちゅうきにこそ、日本酒は面白いし楽しいし、魅力的ながやと思うちゅうがよ。
けんど…近年は、賞を獲らんがために、日本酒の方からこの「地域性」を捨て去ろうとしゆうかのように見えるがやき。
日本酒が、最大の特徴であり魅力である「地域性」を捨て去ったその先に、いったいどんな世界が待ちゆうがやろうか?
…日本酒業界がいつまで経ったち復活できん最大の原因は、もしかしたらここにあるがやないろうか。
確かに、日本全国それぞれの地域にある多様で固有の風土や歴史や食文化らあて、いまや消え去りつつあり、風前の灯となっちゅうがも事実ながよ。
けんど…近年、そんな消え去りかけちゅう地域の多様で固有の風土や歴史や食文化を守ろうっちゅう動きが、若い方々の間で活発化し始めちゅうがも事実ながやき。
つまり、日本酒っちゅうモノにゃあ「無関心」な若者であったち、地域の多様性や地域の風土や地域の歴史や地域の食文化や、町おこしや地域文化復興らあにゃあ関心があるっちゅう人が、少なからず存在しちゅうっちゅうことながよ!
ほいたら今こそ!日本酒蔵元が地域の酒類卸や地域の酒販店らあと共に立ち上がり、そんな若者らあと手を携えて、それぞれの地域にある多様で固有の風土や歴史や食文化を守り育てていく活動を、起こしていくべき時ながやき。
こりゃあつまり、日本酒っちゅう「モノ」にフォーカスして「日本酒を売る」がやのうて、「地域性」を守りたいっちゅう「ヒト」にフォーカスして、「地域の風土や歴史や食文化・酒文化を売る」っちゅうことに他ならんがやき。
これこそが、「もはや死活的に重要」やと先に書いた、「モノ」へのこだわりをそのまま伝えるがやのうて、「ヒト」にフォーカスした言葉に変換して伝えるっちゅう行為に当たるがよ。
さらに、そんな活動こそが、お客様に「売ろう」とするがやのうて、お客様に「買いたい」っちゅう気持ちが起こるように働きかけるっちゅうことにつながっていくがやき。
そんな活動が日本全国各地で活発化していくやったら、日本酒に「無関心」やった若者らあの中からも、日本酒を「買いたい」っちゅう気持ちになる人らあが現れてくることやろう。
ほんでこの活動の先に出現する未来こそ、日本酒復活の未来であるとワシゃあ確信しちゅうがよ。
さてさて、ここまでかなりの長文やったけんど、本編じゃあまっと詳しゅうに紹介さいていただいちゅうきにまっと詳しゅう知りたい方は、下記をクリックし、無料のYouTube動画やPDF原稿を、是非ご覧いただきたいがぜよ。
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